平成24年12月 2日に 社団法人:高層住宅管理業協会 により実施された、平成24年度の管理業務主任者試験の合格者の正式発表後に、「問6」及び「問29」という2問において
出題ミスがあり、追加の合格者を出させた、
Aさん(匿名希望)の社団法人:高層住宅管理業協会宛の質問文をご紹介します。
(社) 高層住宅管理業協会
試験研修部 ご担当者 様
平成24年12月2日に行われた管理業務主任者試験の一部内容について疑義があります。
問29の肢3
「専有部分の共有者の一人から転居先を総会招集通知場所とする届出がなされていたが、議決権行使者の届出はなかったので、出席した在住共有者の議決権行使を認めた。」
を ○ 適切である。
とされていますが、平成18年の問35の肢1
「1住戸が2名の共有の場合、あらかじめ議決権行使者としての届出のなかった共有者1名に議決権を行使させた。」
を × 不適切である。
とされている事に矛盾が生じませんか?
区分所有法第40条
「専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。」
また、標準管理規約第46条
2 住戸1戸が数人の共有に属する場合、その議決権行使については、これら共有者をあわせて一の組合員とみなす。
3 前項により一の組合員とみなされる者は、議決権を行使する者1名を選任し、その者の氏名をあらかじめ総会開催までに理事長に届け出なければならない。
とあります。「事前に届け出の無い共有者の議決権行使は認められないもの」と考えられます。
更に、正解を肢2とされていますが、「議決権を2つ持っている者が、一方には賛成、また一方には反対の意思表示をしている。」事が誤りという解釈ですが、信義則や一般常識の観点から見ても不適切なのは感じますが、区分所有法や標準管理規約で禁じられている訳ではありません。一方、「議決権行使者を事前に届け出る事」は同二法によって定められています。
よって、この問29に関して肢2と3の両方が正解であると訂正して頂きたい。
もし、問29に関して間違いがあったとの結論に至ったならば、官報にて報告をし、この1点の加点によって合格となる者に対して速やかに通知をして頂きたい。
また、2013年2月9日までに回答して下さるよう要望します。期限内に回答がなければ、次は国土交通省に訴えかけていく所存です。
平成25年1月25日
*この質問状等により、この 「問29」 と 「問6」 に関して、平成25年 2月15日付で、出題元の(社)高層住宅管理業協会から、出題ミスを認める発表が以下のようにありました。
*平成24年度管理業務主任者試験追加合格について 平成25年 2月15日 社団法人 高層住宅管理業協会
平成24年度管理業務主任者試験問題の正解については、平成25年1月18日、当協会ホームページに掲載したところでありますが、その後、設問を精査した結果、
【問6】の正解肢「肢3」に加え「肢1」及び
【問29】の正解肢「肢2」に加え「肢3」を正解肢として取扱うことといたしました。
本取扱いによって、合格基準点に達した方を合格者といたします。
なお、今回の件で、受験生の皆様にご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げますとともに、今後このようなことが起きることがないように努め、より一層、適切な管理業務主任者試験の実施に取り組んで参ります。
http://www.kanrikyo.or.jp/kanri/pdf/h24/shiken/tsuikagoukaku.pdf
*本当に、出題元の(社)高層住宅管理業協会は、国家資格の管理業務主任者試験を、国土交通省から任せられているのに、お粗末な組織であることを、露呈しています。
もっと信頼のおける出題委員をそろえないと、いけません。
なお、平成24年の管理業務主任者試験問題及び解説は、「目指せ! マンション管理士・管理業務主任者」 のサイト:
http://www20.tok2.com/home/tk4982/mankan.html の過去問題にありますので、これも、参考にしてください。