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★★      要約 建築基準法       ★★

第1章 総則

U−a.第2条13号(建築) から 第5条の4(建築物の設計及び工事監理)まで

マンション管理士・管理業務主任者を目指す方のために、試験にでる建築基準法を条文ごとにイラストなどを入れて解説しました。 

試験問題は、過去の問題から出されるのではありません。条文から出題されます。

条文を勉強することが、合格への道です。

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第1章 総則 説明
第2条
13号 建築
14号 大規模の修繕
15号 大規模の模様替
16号 建築主
17号 設計者
18号 工事施工者
19号 都市計画
20号 都市計画区域又は
準都市計画区域
21号 第一種低層住居専用地域など
22号 地区計画
23号 地区整備計画
24号 防災街区整備地区計画
25号 特定建築物地区整備計画
26号 防災街区整備地区整備計画
27号 沿道地区計画
28号 沿道地区整備計画
29号 集落地区計画
30号 集落地区整備計画
31号 地区計画等
32号 プログラム
33号 特定行政庁
第3条 適用の除外
第4条  建築主事
第5条 建築基準適合判定資格者検定
第5条の2 資格検定事務を行う者の指定
第5条の3 受検手数料
第5条の4 建築物の設計及び工事監理
*施行令 第1条 用語の定義
第2条  面積、高さ等の算定方法
凡例:各条文は、黒字にて表示。解説は条文の下に緑字にて表示

 
 施行:令和元年(2019年) 6月25日に対応した。
 建築基準法の最終改正:平成30年(2018年) 4月1日施行に合わせた。
 建築基準法の最終改正:平成27年(2015年) 6月1日施行
 前回改正:平成23年(2011年)12月14日


第二条 (続き)
 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 十三  建築 建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。

(続く)

2条13号:定義:建築
 まだまだ続いています、2条の定義の
建築(13号)とは...復習になりますが、2条1号で定義された「建築物」(土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの)を、
   @新築、
   A増築、
   B改築、又は
   C移転する
  ことです。
 建築とは、建物を用途に応じて作ったり、動かす行為を指しています。

 まず基本の考え方として、建築基準法においては、1つの敷地には、1つの用途の建築物しか建築できないのが原則です。(一敷地一建物の原則)

 これを元に、新築や増築などの定義は法令上になく、運用での解釈があります。

★では、新築とは...建築物の敷地(更地)に建築物を建てることです。この場合、建築に使用する材料は新しくなくてもかまいません。
 すでに建築物がある敷地の中にその建築物と用途上不可分である建築物を新たに建てる場合は、敷地単位で見た場合は「増築」となり、建築物の棟ごとに捉えれば新たに建てるものは「新築」となります。(例えば主屋に附属する離れを建てる場合、敷地としてみれば増築となるが棟単位で見れば離れは新築となる。)


  ★用途上不可分とは...敷地内に二棟以上の建物がある場合に、それぞれの建物ごとに敷地を分けると、用途上の目的が果たせなくなる状態のこと。
  しかし、この用途が同じかどうかの判断は難しくて、判断が別れることもあるので注意のこと。

増築とは...今ある建築物を壊さないで、敷地内の「既存建築物の床面積を増加させること」です。一棟の建築物の床面積を増加させる「棟(同一棟)増築」と、敷地内に既存の建築物と用途上不可分の関係になる建築物を、新たに一棟以上建築する「敷地(別棟)増築」とがあります。

改築とは...火災やその他の災害で滅失した建築物又は人為的に除却した建築物の一部又は全部を、従前と同一の用途、規模、構造とそれほど異ならない建築物として新しく建て直すことです。床面積を以前の建築物から増減させないことで、増築とは異なります。
 改築は、多くの場合、新築または増築とも考えられますが、既得権を認めて改築といいます。確認申請上はこの改築に当たるものはほとんどなく、増築あるいは新築となります。

移転とは... 同一敷地内での建築物の位置の変更をいいます。別の敷地への移転(曳き屋)は、その敷地が更地であれば新築、既存建築物があれば増築として扱われます。

   


★大規模の修繕、大規模の模様替は、建築ではない!

 注意:後で説明します建築基準法第6条で出てきます、「大規模の修繕、大規模の模様替」は確認申請を要しますが、建築基準法で定められた「建築」ではありませんので、注意してください。


「設問」 平成20年 管理業務主任者 試験 問17 選択肢3

3  建築とは、建築物を新築し、増築し、又は改築することをいい、移転は含まれない。

答え: 誤っている。 建築の定義は、建築基準法第2条13号
  「十三  建築(とは) 建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。」とあり移転も入っている。



第二条 (続き)

 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 十四  大規模の修繕 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。

 十五  大規模の模様替 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。

(続く)

2条14号:定義:大規模の修繕 と ★2条15号:定義:大規模の模様替

 定義の次は、「大規模の修繕」と混同しやすい「大規模の模様替」の2つの規定をみていきましょう。

 この「大規模の修繕」と「大規模の模様替」は、よく出題されますから、明確に区別して憶えてください。
 この規定に合致すると、建築と並んで、共に、建築確認申請が必要です。

大規模の修繕(14号)とは...「建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう」と定義されています。
 ここでいう「主要構造部」とは、建築基準法第2条5号で規定された「壁、柱、床、はり、屋根、または階段」であり、間仕切り壁や間柱、付け柱、最下階の床、小梁、庇、屋外階段といった部分は除かれています。
 主要構造部である「@壁、A柱、B床、Cはり、D屋根、またはE階段」のどこか(一種以上)を、半分を超えて(過半)修繕することです。

 分かり難い規定ですね。
 たとえば、主要構造部の一種である柱が30本あれば、そのうち16本以上(過半)を取り替える工事は、大規模の修繕です。

修繕とは... 建築基準法では「修繕」については特に定義していませんが、建築の世界では一般には「修繕」とは
 ・「同じ材料を用いて元の状態に戻し、建築当初の価値(性質や品質)に回復すること」
 と考えられています。
 ですから「大規模の修繕」として建築確認申請が必要なのは、柱やはり、壁などの主要構造部のどれかひとつについて半分以上を直して元の状態に戻す場合のみ、ということになります。
 ここには「同じ材料」や「元の状態」という狭い範囲に限定する条件が付いています。
 また、「大規模”
”修繕」は「大規模””修繕」ではありません。マンションで一般にイメージされている「大規模修繕」とは全くの別物なのです。これをマンションにおける「大規模修繕」と同じであるととらえると、とんでもなく窮屈な事態に陥ります。

 

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★では次の、大規模の模様替(15号)とは...「建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう」と、 ここにも「主要構造部」という言葉が登場します。
 前の14号の「修繕」と同様、「模様替」の定義は書かれていません。でも、建築の世界では、
 ・模様替えとは「建築物の材料や仕様を替えて建築当初の価値(性質や品質)の低下を防ぐこと」
 といわれているので、こちらのほうが、「同じ材料」や「元の状態」といった限定がない分、「修繕」よりも応用できる範囲は広いことになります。
 そこで、バリアフリー化やIT化などのいわゆるグレードアップ改修も、「模様替」ととらえることは可能でしょう。

★建築確認との関係は 〜判断が難しい場合もある〜
 後から説明します、建築基準法第6条の建築確認申請が求められる「大規模の修繕」と「大規模の模様替」は「主要構造部(@壁、A柱、B床、Cはり、D屋根、またはE階段)に限定されています。しかも「過半」であることです。

 例えば、外壁表面のタイルは仕上げであって、建築基準法で規定する主要構造部ではありませんから、全面的に張り替える場合などでも確認申請を行う必要はありません。
 同様にエレベーターや給排水管の交換も、それだけでは「大規模の模様替」には当たらず、確認申請は必要ないことになります。
さらにいえば、1階ピロティの柱だけ周囲をアラミド繊維で巻いて耐震補強を行う工事なども、主要構造部の「過半」には至らないので建築確認申請は必要ないと解釈できるでしょう。

 新築や増築と異なり、「大規模の修繕」と「大規模の模様替」をめぐる建築基準法上の取り扱いには、これまでも曖昧な部分が多々ありました。
 延べ面積が増えたり、建築物の形状が大きくなったり、高さが増えたりする場合は建築確認の対象となるのははっきりしていますが、それ以外の工事の場合は、地域ごと、物件ごとで解釈が微妙に揺れているのが実情です。
 このような曖昧な表現の場合建築主事や自治体による見解の相違があります。

★「修繕」と「模様替」の具体的な例

 例えば木造の在来工法で柱と梁を残してすべて取り払ってしまい、骨組だけがあるジャングルジムのような状態から再度家を作ってゆく。こんな場合は大規模の修繕に当たります。
 また店舗などで、例えば洋品店が居酒屋に入れ替わった場合など。この場合、当然居酒屋としてのキッチンや水廻りが出来たり、調理場などバックヤードの形も面積も全く変わってしまいます。こんな場合は大規模の模様替えと考えて良いでしょう。

 従って一般論にはなりますが、一般住宅のリフォームにおいて、建築基準法上の延べ床面積が増えない場合、住宅に居住した状態で施工可能な程度のリフォームであれば、大規模の修繕や大規模の模様替えには当たらないと考えるのが一つの目安となるでしょう。

 ただし、屋根形状の変更、建物の外形の変更がある場合には、屋根は主要構造部に該当するため、確認申請が必要になります。
 面積、建物の高さ、形状など、建築基準法での規制対象になる項目において変更があれば確認申請が必要と考えるのが適切です。

★また、一定の大規模の修繕や大規模の模様替えというのは、住宅ローン控除の対象になります。


「設問」 平成20年 管理業務主任者 試験 問17 選択肢4

4  大規模の修繕とは、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。

答え: 正しい。 建築基準法第2条14号
  「十四  大規模の修繕(とは) 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。 」とある。(注:ここでは、「主要構造部」です。「構造耐力上主要な部分」ではありませんよ。)



第二条 (続き)  (注:改正あり。)

 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 十六  建築主 建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。

 十七  設計者 その者の責任において、設計図書を作成した者をいい、建築士法第二十条の二第三項 又は第二十条の三第三項 の規定により建築物が構造関係規定(同法第二十条の二第二項 に規定する構造関係規定をいう。第五条の六(旧:の四)第二項及び第六条第三項第二号において同じ。)又は設備関係規定(同法第二十条の三第二項 に規定する設備関係規定をいう。第五条の六(旧:の四)第三項及び第六条第三項第三号において同じ。)に適合することを確認した構造設計一級建築士(同法第十条の二第四項 に規定する構造設計一級建築士をいう。第五条の六(旧:の四)第二項及び第六条第三項第二号において同じ。)又は設備設計一級建築士(同法第十条の二第四項 に規定する設備設計一級建築士をいう。第五条の六(旧:の四)第三項及び第六条第三項第三号において同じ。)を含むものとする。

 十八  工事施工者 建築物、その敷地若しくは第八十八条第一項から第三項までに規定する工作物に関する工事の請負人又は請負契約によらないで自らこれらの工事をする者をいう。

(続く)

2条16号:定義:建築主
 定義の次の建築主(16号)とは...建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者とされています。

 つまり、建築主とは建築を依頼する側の呼び名です。また、請負に出さないで、自分で建築する場合も当然建築主です。通常の建築現場では、他に注文者、発注者、施主、建て主などとも呼ばれます。

 建築物を建てる始まりとなる人です。
 建築基準法では、建築当時確認申請を提出した申請者のことで、現在の家屋所有者と同一ではない場合もあります。

  他に、建築主は建築工事申請、許可申請も行います。

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2条17号:定義:設計者
 
まだ続く定義の設計者(17号)とは...その者の責任において、設計図書を作成した者です。

 具体的には、その建物を建築主から依頼を受け計画し、建築するにあたって必要な申請及び工事監理(図面の通りに現場が進行しているか)をチェックする人または事務所がなります。 ここでいう監理は現場監督とは違い、設計図書に対しての監理を行う立場にあります。
主に設計事務所が設計者であり、有資格者(建築士等)がそれに当たります。
有資格者が建築基準法を遵守して「設計」「監理」を行います。
また、設計者はほとんどの場合、建築主の「代理人」となりますので、建築主の意向を法的に判断し、工事施行者(現場サイド)との調整を行います。
多くの場合、建築主と工事施工者が直接話し合って変更するということはありません。

 ★設計図書を作成するには、資格が必要
 「耐震偽装問題」で、建築士法の改正があり、平成21年5月27日以降の建築確認申請から、建築物の設計図書の作成は、以下の有資格者が行います。

  ・構造設計一級建築士(国土交通大臣の免許。構造設計が高度になる大規模な建築物において、自らその資格者として構造設計するか、他の一級建築士が設計した建物の構造設計を確認する。原則として、一級建築士として5年以上構造設計の業務に従事要)
  ・設備設計一級建築士(国土交通大臣の免許。一定規模(階数3以上かつ床面積の合計5,000u超)の建築物の設備設計については、設備設計一級建築士が自ら設計を行うか若しくは設備設計一級建築士に設備関係規定への適合性の確認する。一級建築士として5年以上構造設計の業務に従事要)
  ・一級建築士(国土交通大臣の免許。すべての構造、規模、用途の建築物の設計・工事監理を行う)
  ・二級建築士(都道府県知事の免許。比較的小規模の建築物の設計・工事監理を行う)
  ・木造建築士(都道府県知事の免許。2階建て以下、延べ床面積300平方メートル以下の木造建築の設計・工事監理を行う)

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2条18号:定義:工事施工者
 定義の次の工事施工者(18号)とは...建築物、その敷地若しくは第八十八条第一項から第三項までに規定する工作物に関する工事の請負人又は請負契約によらないで自らこれらの工事をする者です。

 工事施工者は、具体的には、建築主から建築の依頼を受け、もしくは競争入札などで施工契約を結んだ建築会社の代表者が該当します。また、建築主が自分で工事をすれば、その建築主も該当します。

 主として、現場の進捗・品質などの管理を行い、実際に建物を造っていく会社の代表者です。
現場監督はこの範囲にあり、そこから下請施工業者を集め建物は建っていきます。

★工事施工者の例としては、大手のゼネコンがあり、大きな建築物や特殊建築物を建てています。
 ゼネコンとはゼネラル・コントラクター(英語のGeneral Contractor=契約者、請負人、土建業者)の略で、建築主(発注者)からの注文を受けて建物を作りますが、この工事請負の世界は非常に複雑で、請け負ったゼネコンの下に多くのサブ・コントラクターや下請け業者等がひしめき合っています。
やや小規模になると工務店が受注し工事する場合もあります。
更に小さくなると大工が引き受けて家を一軒作ることもあります。

★余談ですが、元請と下請けの関係
  建築主が、発注者になり、ゼネコンと請負契約を結び、そのゼネコンは、下の請負業者と請負契約を結びます。
  建設工事の中身には、土木・大工・とび・電気・塗装など 29種 28種 もあり一社だけで全部を行うことは、殆どありません。(注:平成28年6月1日施行の建設業法改正で、旧28業種が、「解体工事業」が追加され、29種になった。)

<参照>建築基準法第88条1項から4項(注:4項は対象ではありませんが、載せました。)

(工作物への準用)
第八十八条 煙突、広告塔、高架水槽、擁壁その他これらに類する工作物で政令で指定するもの及び昇降機、ウォーターシュート、飛行塔その他これらに類する工作物で政令で指定するもの(以下この項において「昇降機等」という。)については、第三条、第六条(第三項、第五項及び第六項を除くものとし、第一項及び第四項は、昇降機等については第一項第一号から第三号までの建築物に係る部分、その他のものについては同項第四号の建築物に係る部分に限る。)、第六条の二(第三項を除く。)、第六条の四(第一項第一号及び第二号の建築物に係る部分に限る。)、第七条から第七条の四まで、第七条の五(第六条の四第一項第一号及び第二号の建築物に係る部分に限る。)、第八条から第十一条まで、第十二条第五項(第三号を除く。)及び第六項から第九項まで、第十三条、第十五条の二、第十八条(第四項から第十三項まで及び第二十四項を除く。)、第二十条、第二十八条の二(同条各号に掲げる基準のうち政令で定めるものに係る部分に限る。)、第三十二条、第三十三条、第三十四条第一項、第三十六条(避雷設備及び昇降機に係る部分に限る。)、第三十七条、第三十八条、第四十条、第三章の二(第六十八条の二十第二項については、同項に規定する建築物以外の認証型式部材等に係る部分に限る。)、第八十六条の七第一項(第二十八条の二(第八十六条の七第一項の政令で定める基準に係る部分に限る。)に係る部分に限る。)、第八十六条の七第二項(第二十条に係る部分に限る。)、第八十六条の七第三項(第三十二条、第三十四条第一項及び第三十六条(昇降機に係る部分に限る。)に係る部分に限る。)、前条、次条並びに第九十条の規定を、昇降機等については、第七条の六、第十二条第一項から第四項まで、第十二条の二、第十二条の三及び第十八条第二十四項の規定を準用する。この場合において、第二十条第一項中「次の各号に掲げる建築物の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める基準」とあるのは、「政令で定める技術的基準」と読み替えるものとする。

2 製造施設、貯蔵施設、遊戯施設等の工作物で政令で指定するものについては、第三条、第六条(第三項、第五項及び第六項を除くものとし、第一項及び第四項は、第一項第一号から第三号までの建築物に係る部分に限る。)、第六条の二(第三項を除く。)、第七条、第七条の二、第七条の六から第九条の三まで、第十一条、第十二条第五項(第三号を除く。)及び第六項から第九項まで、第十三条、第十五条の二、第十八条(第四項から第十三項まで及び第十九項から第二十三項までを除く。)、第四十八条から第五十一条まで、第六十条の二第三項、第六十条の二の二第四項、第六十条の三第三項、第六十八条の二第一項及び第五項、第六十八条の三第六項から第九項まで、第八十六条の七第一項(第四十八条第一項から第十四項まで及び第五十一条に係る部分に限る。)、第八十七条第二項(第四十八条第一項から第十四項まで、第四十九条から第五十一条まで、第六十条の二第三項、第六十条の二の二第四項、第六十条の三第三項並びに第六十八条の二第一項及び第五項に係る部分に限る。)、第八十七条第三項(第四十八条第一項から第十四項まで、第四十九条から第五十一条まで及び第六十八条の二第一項に係る部分に限る。)、前条、次条、第九十一条、第九十二条の二並びに第九十三条の二の規定を準用する。この場合において、第六条第二項及び別表第二中「床面積の合計」とあるのは「築造面積」と、第六十八条の二第一項中「敷地、構造、建築設備又は用途」とあるのは「用途」と読み替えるものとする。

3 第三条、第八条から第十一条まで、第十二条(第五項第三号を除く。)、第十二条の二、第十二条の三、第十三条、第十五条の二並びに第十八条第一項及び第二十五項の規定は、第六十四条に規定する工作物について準用する。

4 第一項中第六条から第七条の五まで、第十八条(第一項及び第二十五項を除く。)及び次条に係る部分は、宅地造成等規制法(昭和三十六年法律第百九十一号)第八条第一項本文若しくは第十二条第一項、都市計画法第二十九条第一項若しくは第二項若しくは第三十五条の二第一項本文又は津波防災地域づくりに関する法律(平成二十三年法律第百二十三号)第七十三条第一項若しくは第七十八条第一項の規定による許可を受けなければならない場合の擁壁については、適用しない。


第二条 (続き) (注:ピンク字は、平成30年4月1日施行。)

 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 十九  都市計画 都市計画法 (昭和四十三年法律第百号)第四条第一項 に規定する都市計画をいう。

 二十  都市計画区域又は準都市計画区域 それぞれ、都市計画法第四条第二項 に規定する都市計画区域又は準都市計画区域をいう。

 二十一  第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域、特別用途地区、特定用途制限地域、特例容積率適用地区、高層住居誘導地区、高度地区、高度利用地区、特定街区、都市再生特別地区、防火地域、準防火地域、特定防災街区整備地区又は景観地区 それぞれ、都市計画法第八条第一項第一号 から第六号 までに掲げる第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域、特別用途地区、特定用途制限地域、特例容積率適用地区、高層住居誘導地区、高度地区、高度利用地区、特定街区、都市再生特別地区、防火地域、準防火地域、特定防災街区整備地区又は景観地区をいう。

 二十二  地区計画 都市計画法第十二条の四第一項第一号 に掲げる地区計画をいう。

 二十三  地区整備計画 都市計画法第十二条の五第二項第一号 に掲げる地区整備計画をいう。

 二十四  防災街区整備地区計画 都市計画法第十二条の四第一項第二号 に掲げる防災街区整備地区計画をいう。

 二十五  特定建築物地区整備計画 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号。以下「密集市街地整備法」という。)第三十二条第二項第一号に規定する特定建築物地区整備計画をいう。

 二十六  防災街区整備地区整備計画 密集市街地整備法第三十二条第二項第二号 に規定する防災街区整備地区整備計画をいう。

 二十七  歴史的風致維持向上地区計画 都市計画法第十二条の四第一項第三号 に掲げる歴史的風致維持向上地区計画をいう。

 二十八  歴史的風致維持向上地区整備計画 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律 (平成二十年法律第四十号。以下「地域歴史的風致法」という。)第三十一条第二項第一号 に規定する歴史的風致維持向上地区整備計画をいう。

 二十九  沿道地区計画 都市計画法第十二条の四第一項第四号 に掲げる沿道地区計画をいう。

 三十  沿道地区整備計画 幹線道路の沿道の整備に関する法律 (昭和五十五年法律第三十四号。以下「沿道整備法」という。)第九条第二項第一号 に掲げる沿道地区整備計画をいう。

 三十一  集落地区計画 都市計画法第十二条の四第一項第五号 に掲げる集落地区計画をいう。

 三十二  集落地区整備計画 集落地域整備法 (昭和六十二年法律第六十三号)第五条第三項 に規定する集落地区整備計画をいう。

 三十三  地区計画等 都市計画法第四条第九項 に規定する地区計画等をいう。

(続く)

2条19号:定義:都市計画 〜 ★2条33号:定義:都市計画等

長い定義の
19号から33号までは、「都市計画法」や他の法律との関係を定義したものです。

  都市計画における規制を行う法令は、都市計画法と建築基準法です。都市計画法によって、規制対象となった地域は、建築基準法によって建築物の仕様・建築可能地域の具体的制限等を受けます。
  建築基準法は都市計画法で定められた規定を補完する関係にあります。

 ★なお、都市計画法と建築基準法との関係は、第3章 41条の2 にもあります。

 一応、以下に定義で参照されている条文を記載します
----------------------------------------------------------

★2条19号:定義:都市計画
 都市計画法 (昭和四十三年法律第百号)第四条第一項 に規定する都市計画をいう。

  <参照> 都市計画法 第4条第1項

 (定義)
第四条 この法律において「
都市計画」とは、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画で、次章の規定に従い定められたものをいう。

  都市計画法の目的は、都市(街)に関する必要な事項を定めて、都市の将来あるべき姿(健全な発展)を計画します。
 そこで必要な、
  ・土地利用の計画と行為規制・・・区域区分、地域地区などを決める
  ・都市施設の整備・・・道路や公園、学校など都市づくりに必要なインフラを整備する
  ・市街地開発事業・・・人家や商店・ビルなどが立ち並んだにぎやかな土地の整備のための開発事業
  を規定します。

  

----------------------------------------------------------

★2条20号:定義:都市計画区域又は準都市計画区域 
  それぞれ、都市計画法第四条第二項に規定する都市計画区域又は準都市計画区域をいう。

<参照> 都市計画法 第4条第2項

2 この法律において「都市計画区域」とは次条の規定により指定された区域を、「準都市計画区域」とは第五条の二の規定により指定された区域をいう。

<参照> 都市計画法 第5条第1項

 
都市計画区域
第五条 都道府県は、市又は人口、就業者数その他の事項が政令で定める要件に該当する町村の中心の市街地を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに人口、土地利用、交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要がある区域を
都市計画区域として指定するものとする。この場合において、必要があるときは、当該市町村の区域外にわたり、都市計画区域を指定することができる。
 (以下、略)

<参照> 都市計画法 第5条の2第1項

準都市計画区域
第五条の二 都道府県は、
都市計画区域外の区域のうち、相当数の建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の建築若しくは建設又はこれらの敷地の造成が現に行われ、又は行われると見込まれる区域を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)その他の法令による土地利用の規制の状況その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、そのまま土地利用を整序し、又は環境を保全するための措置を講ずることなく放置すれば、将来における一体の都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域を、準都市計画区域として指定することができる
(以下、略)

  

  ・都市計画区域”内”は、人が集中しているため計画的に、いろいろな制限をして都市(街)づくりをすすめるエリアです。(都会のイメージ)

   この、都市計画区域内では、さらに細かく
    @市街化区域・・・すでに市街地(街)を形成している区域(既成市街地)、または、今後10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域(エリア)
    A市街化調整区域・・・市街化が進まないよう抑える区域(街をつくる予定がない区域)であるため、人が住むためのまちづくりを行う予定のない区域のことです。
         市街化調整区域は、都市計画区域に含まれてしまったが、農地や森林を守ることに重点が置かれ、許可を得た場合を除き、原則として家を建築することができない
    B非線引区域(区域区分非設定区域)・・・詳細が決められていない区域
    があります。

  ・都市計画区域”外”は、そんなに人が集まっていないので、とりあえず、そのままにしておきます。(田舎のイメージ)

  ・準都市計画区域は、田舎のイメージですが、将来的にみて重要な区域なので、前もって制限しようというエリアです。

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2条21号:定義:

 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、
田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域、特別用途地区、特定用途制限地域、特例容積率適用地区、高層住居誘導地区、高度地区、高度利用地区、特定街区、都市再生特別地区、居住環境向上用途誘導地区、特定用途誘導地区、防火地域、準防火地域、特定防災街区整備地区又は景観地区 
 それぞれ、
 都市計画法第八条第一項第一号から第六号までに掲げる第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、
田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域、特別用途地区、特定用途制限地域、特例容積率適用地区、高層住居誘導地区、高度地区、高度利用地区、特定街区、都市再生特別地区、居住環境向上用途誘導地区、特定用途誘導地区、防火地域、準防火地域、特定防災街区整備地区又は景観地区をいう。

 2条の定義の21号は、用途地域や地区は、都市計画法と同じ定義だといっています。

 注: 平成30年4月1日施行で、都市計画法の用途地域に「田園住居地域」が創設されて、改正があります。

  これらに課される制限は、後に出てきます。

 よく出てきます住居系、商業系、工業系などの建てられる建物の種類を定めている「用途地域」は、地域地区の1つです。

  注:都市計画法第8条 4の2号
    定義の中で注意しなければならないのが、都市計画法第8条4の2号の規定

<参照> 都市計画法第8条

(地域地区)
第八条 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区を定めることができる。

四の二 都市再生特別措置法(平成十四年法律第二十二号)第三十六条第一項の規定による都市再生特別地区、同法第八十九条の規定による居住調整地域、同法第九十四条の二第一項の規定による居住環境向上用途誘導地区又は同法第百九条第一項の規定による特定用途誘導地区

(以下略)

  とあり、地域地区は、多くは都市計画法で定められていますが、最近は、都市再生特別措置法によって、都市計画法で定める「都市計画」の中に、
   
@都市再生特別地区(都市再生特別措置法第36条1項)...都市再生緊急整備地区内で、都市の再生に貢献し、土地の合理的かつ健全な高度利用を図る特別の用途、容積、高さ、配列等の建築物の建築を誘導する必要があると認められる区域
   
A居住調整区域(都市再生特別措置法第89条)...居住誘導区域外で住宅化を抑える
   
B居住環境向上用途誘導地区(都市再生特別措置法第94条の2 1項)...居住誘導区域内で居住環境向上施設を有する建築物の建築を誘導する必要があると認められる区域
   
C特別用途誘導地区(都市再生特別措置法第109条1項)...都市機能誘導区域のうち、当該都市機能誘導区域に係る誘導施設を有する建築物の建築を誘導する必要があると認められる区域
  もあります。

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★2条22号:定義:地区計画 
 
都市計画法第十二条の四第一項第一号に掲げる地区計画をいう。

<参照> 都市計画法 第12条の4第1項

(地区計画等)
第十二条の四 都市計画区域については、
都市計画に、次に掲げる計画を定めることができる。
   
一 地区計画
   二 密集市街地整備法第三十二条第一項の規定による防災街区整備地区計画
   三 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成二十年法律第四十号)第三十一条第一項の規定による歴史的風致維持向上地区計画
   四 幹線道路の沿道の整備に関する法律(昭和五十五年法律第三十四号)第九条第一項の規定による沿道地区計画
   五 集落地域整備法(昭和六十二年法律第六十三号)第五条第一項の規定による集落地区計画

2 
地区計画等については、都市計画に、地区計画等の種類、名称、位置及び区域を定めるものとするとともに、区域の面積その他の政令で定める事項を定めるよう努めるものとする。

 都市全体の計画である「都市計画」のなかで定めることのできる「地区計画」は、その地域の特性に合わせた内容です。
 地区計画は、住民が主体となった地方自治体の条例によって定められ、都市計画として決定されれば、地区計画区域全域に対して強制力を持ち、建築確認でも地区計画に合致することが求められます。

  

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★2条22号:定義:地区整備計画 
  都市計画法第十二条の五第二項第一号に掲げる地区整備計画をいう。

<参照> 都市計画法 第12条の5第2項1号

2 地区計画については、前条第二項に定めるもののほか、都市計画に、第一号に掲げる事項を定めるものとするとともに、第二号及び第三号に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。
  
一 次に掲げる施設(以下「地区施設」という。)及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画(以下「地区整備計画」という。)
   イ 主として街区内の居住者等の利用に供される道路、公園その他の政令で定める施設
   ロ 街区における防災上必要な機能を確保するための避難施設、避難路、雨水貯留浸透施設(雨水を一時的に貯留し、又は地下に浸透させる機能を有する施設であつて、浸水による被害の防止を目的とするものをいう。)その他の政令で定める施設
  二 当該地区計画の目標
  三 当該区域の整備、開発及び保全に関する方針


 地区整備計画は、上の「地区計画」(22号)の内容として定める、道路や公園・建物などの整備や土地利用に関する「具体的な計画」です。
  ・地区施設(道路・公園・緑地・広場などの公共空地)の配置および規模
  ・建物の用途制限
  ・容積率の最高限度または最低限度
  ・建ぺい率の最高限度
  ・敷地面積または建築面積の最低限度
  など、他にも規定ができます。

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★2条24号:定義:防災街区整備地区計画 
  都市計画法第十二条の四第一項第二号に掲げる防災街区整備地区計画をいう。

<参照> 都市計画法 第12条の4第1項

(地区計画等)
第十二条の四 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる計画を定めることができる。
   
一 地区計画
   
二 密集市街地整備法第三十二条第一項の規定による防災街区整備地区計画
   三 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成二十年法律第四十号)第三十一条第一項の規定による歴史的風致維持向上地区計画
   四 幹線道路の沿道の整備に関する法律(昭和五十五年法律第三十四号)第九条第一項の規定による沿道地区計画
   五 集落地域整備法(昭和六十二年法律第六十三号)第五条第一項の規定による集落地区計画

2 地区計画等については、都市計画に、地区計画等の種類、名称、位置及び区域を定めるものとするとともに、区域の面積その他の政令で定める事項を定めるよう努めるものとする。


  密集市街地整備法(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律)第三十二条第一項の規定

<参照>密集市街地整備法(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律)第三十二条

(防災街区整備地区計画)
第三十二条 次に掲げる条件に該当する密集市街地内の土地の区域で、当該区域における特定防災機能の確保と土地の合理的かつ健全な利用を図るため、当該区域の各街区を防災街区として一体的かつ総合的に整備することが適切であると認められるものについては、都市計画に防災街区整備地区計画を定めることができる。
   一 当該区域における特定防災機能の確保を図るため、適正な配置及び規模の公共施設を整備する必要がある土地の区域であること。
   二 当該区域における特定防災機能に支障を来している土地の区域であること。
   三 都市計画法第八条第一項第一号に規定する用途地域(第三十二条の三において単に「用途地域」という。)が定められている土地の区域であること。
(以下、略)

 「防災街区整備地区計画」も、都市計画内に含めることができる「火事・地震が発生した場合に延焼防止及び避難確保のために支障をきたしている地区について、公共施設などの防災機能を整備しようとする計画」です。
 防災街区整備地区計画を定めるための条件は、
  ・特定防災機能(火事または地震が発生した場合に延焼防止・避難確保のために必要とされる機能)を確保するだけの公共施設がないこと、
  ・特定防災機能に支障をきたしていること、
  ・用途地域が定められていること、
 です。

 これも、市町村の地区の状況に応じて設定できます。

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★2条25号:定義:特定建築物地区整備計画 
  
密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号。以下「密集市街地整備法」という。)第三十二条第二項第一号に規定する特定建築物地区整備計画をいう。

 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律 第32条については、上の24号も参照のこと。 

<参照> 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(密集市街地整備法) 第32条第2項1号

(防災街区整備地区計画)

2 
防災街区整備地区計画については、都市計画法第十二条の四第二項に定める事項のほか、都市計画に、第一号及び第二号に掲げる事項を定めるものとするとともに、第三号に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。
   一 当該区域における特定防災機能を確保するための防災公共施設(都市計画施設を除く。以下「地区防災施設」という。)の区域(地区防災施設のうち建築物等と一体となって当該特定防災機能を確保するために整備されるべきもの(以下「特定地区防災施設」という。)にあっては、当該特定地区防災施設の区域及び当該建築物等の整備に関する計画(以下
「特定建築物地区整備計画」という。))
   二 主として街区内の居住者等の利用に供される道路、公園その他の政令で定める施設(都市計画施設及び地区防災施設を除く。以下「地区施設」という。)及び建築物等(特定建築物地区整備計画の区域内の建築物等を除く。)の整備並びに土地の利用に関して、地区防災施設の区域以外の防災街区整備地区計画の区域について定める計画(以下
「防災街区整備地区整備計画」という。)
   三 当該防災街区整備地区計画の目標その他当該区域の整備に関する方針
(以下、略)

 「特定建築物地区整備計画」は、上の24号で規定された「防災街区整備地区計画」として、これも都市計画に定めます。
 建築物等が特定地区防災施設と一体となって防災街区整備地区計画の区域に おける特定防災機能を確保するとともに、適切な構造、高さ、配列等を備えた建築物等が整備されること により当該区域内の土地が合理的かつ健全な利用形態となるように定めることが望ましい、とされます。

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★2条26号:定義:防災街区整備地区整備計画
 
 密集市街地整備法第三十二条第二項第二号に規定する防災街区整備地区整備計画をいう。

<参照> 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(密集市街地整備法) 第三十二条第二項第二号 

 条文は、上記、25号を参考にしてください。

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*以下、定義の27号から33号までは、省略です。

★2条27号:定義:歴史的風致維持向上地区計画 都市計画法第十二条の四第一項第三号に掲げる歴史的風致維持向上地区計画をいう。

★2条28号:定義:歴史的風致維持向上地区整備計画 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成二十年法律第四十号。以下「地域歴史的風致法」という。)第三十一条第二項第一号に規定する歴史的風致維持向上地区整備計画をいう。
 地区計画があって、その整備計画もあります。

★2条29号:定義:沿道地区計画 都市計画法第十二条の四第一項第四号に掲げる沿道地区計画をいう。

★2条30号:定義:沿道地区整備計画 幹線道路の沿道の整備に関する法律(昭和五十五年法律第三十四号。以下「沿道整備法」という。)第九条第二項第一号に掲げる沿道地区整備計画をいう。
  地区計画があって、その整備計画もあります。

★2条31号:定義:集落地区計画 都市計画法第十二条の四第一項第五号に掲げる集落地区計画をいう。

★2条32号:定義:集落地区整備計画 集落地域整備法(昭和六十二年法律第六十三号)第五条第三項に規定する集落地区整備計画をいう。
  地区計画があって、その整備計画もあります。

★2条33号:定義:地区計画等 都市計画法第四条第九項に規定する地区計画等をいう。


第二条 (続き)

 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 三十四  プログラム 電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。

(続く)

★2条34号:定義:プログラム
 古い歴史を持つ建築基準法でも、時代の流れで定義の中でもカタカナが出る時代になりました。

プログラム(34号)とは...「電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたもの」をいいます。

 分かりますか。新しく設けられた規定です。
  最近のAI(人口知能)を持ったコンピュータは別として、基本的にコンピューター(電子計算機)は、それだけでは動きません。コンピュター用の言語を使用し、加減乗除や比較など一連の指令を行い、結果がでます。その全体の作業がプログラムと呼ばれます。

 この定義が新設されたのは、構造計算ツールとしてのコンピューター・プログラムの存在を追認したものと考えられます。
そして、このプログラムの規定に関し、建築確認申請の構造計算書を作成する大臣認定プログラムがあります。

大臣認定構造計算プログラムとは...建築基準法に基づいて構造計算を行うコンピューター・ソフトで、民間のソフトウエア会社が開発したソフトのうち、改ざん防止機能など一定の要件を満たすものに対して、国土交通大臣が認定するものです。

それは、建築基準法 第6 条「建築物の建築に関する申請及び確認」で使用されます。この 5項に「構造計算適合性判定」という言葉の定義があり、以下のようになっています。
(改正有 建築基準法第6条5項 → 第6条の3 )

<参照) 建築基準法 第6条(旧) 

5  建築主事は、前項の場合において、申請に係る建築物の計画が第二十条第二号又は第三号に定める基準(同条第二号イ又は第三号イの政令で定める基準に従つた構造計算で、同条第二号イに規定する方法若しくはプログラムによるもの又は同条第三号イに規定するプログラムによるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。
次条第三項及び第十八条第四項において同じ。)に適合するかどうかを審査するときは、都道府県知事の構造計算適合性判定(第二十条第二号イ又は第三号イの構造計算が同条第二号イに規定する方法若しくはプログラム又は同条第三号イに規定するプログラムにより適正に行われたものであるかどうかの判定をいう。以下同じ。)を求めなければならない。

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改正 建築基準法 第6条の3

(構造計算適合性判定)
第六条の三 建築主は、第六条第一項の場合において、申請に係る建築物の計画が第二十条第一項第二号若しくは第三号に定める基準(同項第二号イ又は第三号イの政令で定める基準に従つた
構造計算で、同項第二号イに規定する方法若しくはプログラムによるもの又は同項第三号イに規定するプログラムによるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。以下「特定構造計算基準」という。)又は第三条第二項(第八十六条の九第一項において準用する場合を含む。)の規定により第二十条の規定の適用を受けない建築物について第八十六条の七第一項の政令で定める範囲内において増築若しくは改築をする場合における同項の政令で定める基準(特定構造計算基準に相当する基準として政令で定めるものに限る。以下「特定増改築構造計算基準」という。)に適合するかどうかの確認審査(第六条第四項に規定する審査又は前条第一項の規定による確認のための審査をいう。以下この項において同じ。)を要するものであるときは、構造計算適合性判定(当該建築物の計画が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するかどうかの判定をいう。以下同じ。)の申請書を提出して都道府県知事の構造計算適合性判定を受けなければならない。ただし、当該建築物の計画が特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分のうち確認審査が比較的容易にできるものとして政令で定めるものに限る。)又は特定増改築構造計算基準(確認審査が比較的容易にできるものとして政令で定めるものに限る。)に適合するかどうかを、構造計算に関する高度の専門的知識及び技術を有する者として国土交通省令で定める要件を備える者である建築主事が第六条第四項に規定する審査をする場合又は前条第一項の規定による指定を受けた者が当該国土交通省令で定める要件を備える者である第七十七条の二十四第一項の確認検査員に前条第一項の規定による確認のための審査をさせる場合は、この限りでない。

2 都道府県知事は、前項の申請書を受理した場合において、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて当該都道府県に置かれた建築主事が第六条第一項の規定による確認をするときは、当該建築主事を当該申請に係る構造計算適合性判定に関する事務に従事させてはならない。

3 都道府県知事は、特別な構造方法の建築物の計画について第一項の構造計算適合性判定を行うに当たつて必要があると認めるときは、当該構造方法に係る構造計算に関して専門的な識見を有する者の意見を聴くものとする。

4 都道府県知事は、第一項の申請書を受理した場合においては、その受理した日から十四日以内に、当該申請に係る構造計算適合性判定の結果を記載した通知書を当該申請者に交付しなければならない。

5 都道府県知事は、前項の場合(申請に係る建築物の計画が特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。)に適合するかどうかの判定の申請を受けた場合その他国土交通省令で定める場合に限る。)において、前項の期間内に当該申請者に同項の通知書を交付することができない合理的な理由があるときは、三十五日の範囲内において、同項の期間を延長することができる。この場合においては、その旨及びその延長する期間並びにその期間を延長する理由を記載した通知書を同項の期間内に当該申請者に交付しなければならない。

6 都道府県知事は、第四項の場合において、申請書の記載によつては当該建築物の計画が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その旨及びその理由を記載した通知書を同項の期間(前項の規定により第四項の期間を延長した場合にあつては、当該延長後の期間)内に当該申請者に交付しなければならない。

7 建築主は、第四項の規定により同項の通知書の交付を受けた場合において、当該通知書が適合判定通知書(当該建築物の計画が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するものであると判定された旨が記載された通知書をいう。以下同じ。)であるときは、第六条第一項又は前条第一項の規定による確認をする建築主事又は同項の規定による指定を受けた者に、当該適合判定通知書又はその写しを提出しなければならない。ただし、当該建築物の計画に係る第六条第七項又は前条第四項の通知書の交付を受けた場合は、この限りでない。

8 建築主は、前項の場合において、建築物の計画が第六条第一項の規定による建築主事の確認に係るものであるときは、同条第四項の期間(同条第六項の規定により同条第四項の期間が延長された場合にあつては、当該延長後の期間)の末日の三日前までに、前項の適合判定通知書又はその写しを当該建築主事に提出しなければならない。

9 第一項の規定による構造計算適合性判定の申請書及び第四項から第六項までの通知書の様式は、国土交通省令で定める。

★以前は、大型コンピューターでなければ出来なかった「構造計算」が、コンピューターの小型化・高性能化がすすみ、パソコン(パーソナルコンピューター)でもできるようになったことが背景にあります。

★大臣認定プログラムを使うと、一般的に審査期間が短くなるなどの効果があります。
 大臣認定を受けたプログラムは、構造計算適合性判定機関にも配備されますので入力データが提出されれば、審査側で構造計算の結果が正しいかどうかを迅速に検証できます。それに比べて、一般の構造計算ソフトの場合は、入力条件と計算結果が正しいかどうか、計算過程も含めて検証するのに時間がかかります。

★しかし、「構造計算の偽造事件」も起きた。

 申請者が大臣認定プログラムを使用した場合は、その原データ(何らかの媒体に収納された「データファイル」)を適合性判定機関に提出し、審査官はそれを使って判定していましたが、そこに2005年末の姉歯(元)1級建築士などの「構造計算書偽造問題=耐震偽装」があった。

★プログラムは人間が変更できる。
 大臣認定プログラムは、人が作ったものです。これは、プログラム知識があれば変更可能であることは、いうまでもありません。

 


第二条 (続き)

 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

  三十五  特定行政庁 建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長をいい、その他の市町村の区域については都道府県知事をいう。ただし、第九十七条の二第一項又は第九十七条の三第一項の規定により建築主事を置く市町村の区域内の政令で定める建築物については、都道府県知事とする。

(第2条 終わり)

★2条35号:定義:特定行政庁
 長かった2条の定義の最後は、「特定行政庁」です。

特定行政庁(35号)とは...その市町村に建築主事が置かれていれば、その市町村の長(東京なら区長)であるし、その市町村に建築主事が置かれていなければ、都道府県知事のこと。(分かる?)

★それでは、建築主事とは...建築の確認についての事務を行う人(公務員)です。また、建築確認のほか、違反建築物への是正命令、斜線制限、絶対高さの制限などの各制限などを、建築基準法に基づいて行います。 一級建築士でないと建築主事にはなれません。建築に関する専門家です。(詳細は4条を参照

  建築主事は、都道府県や人口が25万人以上の市ではを置くことが義務づけられており、人口が25万人に満たないその他の市町村では建築主事を置くかどうかは任意です。


 そこで、特定行政庁は、
  @人口25万人以上の市 → 建築主事の設置は必須 市長
  A人口25万人未満の都市
    ・建築主事はいるか 
      ・ いる  → その市町村長
      ・ いない → 都道府県知事(建築申請業務を都道府県知事が代行する)
   となります。

  

★特定行政庁が規定されるわけ
 建築基準法では、建築物の構造や技術的基準は具体的に定められていて、それらを設計者や工事施工者が遵守し、建築主事などが建築確認や検査を行うことにより、内容をチェックするやり方を採用しています。

 しかし、建築基準法の一部の規定は、「交通上、安全上、防火上または衛生上の立場」から裁量や判断を行う必要があります。このような行政上の裁量や判断をするのに、建築だけについての専門家である「建築主事」の職務は適していません。
 そこで、この裁量や判断は、地方自治体の長でもある特定行政庁(知事または市町村長)の許可や認定にまかせています。

 政治的な判断をそこの建築審査会の同意により、特定行政庁として、都道府県知事または市町村長の責任で行います。

{例} 建築基準法第43条

(敷地等と道路との関係)
 第四十三条  建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りでない。

{例} 建築基準法第44条1項2号

二  公衆便所、巡査派出所その他これらに類する公益上必要な建築物で特定行政庁が通行上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの



★その他の定義  建築基準法施行令

過去出題 マンション管理士  
管理業務主任者 H29年、H25年、H24年、H23年、H21年、H20年、H17年、H16年、

 建築基準法での定義は、以上で終わりですが、建築基準法施行令でも定義があります。
 施行令での定義も重要で、試験によくでます。

心して、読んでおいてください。

<参照> 建築基準法施行令第1条

用語の定義
第一条  この政令において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

   一  敷地 一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。

   二  地階 床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの三分の一以上のものをいう。

   三  構造耐力上主要な部分 基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。

   四  耐水材料 れんが、石、人造石、コンクリート、アスファルト、陶磁器、ガラスその他これらに類する耐水性の建築材料をいう。

   五  準不燃材料 建築材料のうち、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後十分間第百八条の二各号(建築物の外部の仕上げに用いるものにあつては、同条第一号及び第二号)に掲げる要件を満たしているものとして、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

   六  難燃材料 建築材料のうち、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後五分間第百八条の二各号(建築物の外部の仕上げに用いるものにあつては、同条第一号及び第二号)に掲げる要件を満たしているものとして、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

★建築基準法施行令1条1号:敷地とは・・・一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。

   そこで、敷地となると、
   ・接道義務
   ・容積率、建蔽率
   ・斜線制限(隣地斜線、北側斜線)
   ・日影規制
   ・都市計画上における開発行為の判断
  が関係します。

   ◎用途上不可分の関係にある2以上の建築物・・・敷地は、原則:1つの建築物に対して1つの敷地であることですが、1つの敷地に複数の建築物を建築する場合でも、その建築物の用途が、車庫・離れ・倉庫・機械室など付属の関係にあれば、1つの敷地とされますが、判断が難しい時もあります。

  

★建築基準法施行令1条2号:
地階とは・・・床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの三分の一以上のものをいう。

 地階は、通常、地下室とも呼ばれます。

 文字通り地下にあるため、年間を通して温度変化が少なく、断熱性や遮音性に優れていますが、夏の気温が高い時期には、結露が発生することもあり、防湿の措置が必要な場合もあります。

 採光のためにドライエイリア(空堀)を設けると、リビングや寝室などに利用できますが、開口部のない地下室の場合は、納戸やオーディオルームなどの用途でつくられることが多くあります。

 なお、建築基準法では、天井が地盤面から1m以下にある地階のうち住宅の用途に供する部分については、延床面積の1/33以下までなら、地階(地下室)をつくっても延床面積には算入されないという規定があります。

 

★建築基準法施行令1条3号:
構造耐力上主要な部分とは・・・ 基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。

 3号での「
構造耐力上主要な部分」と建築基準法第2条5号の「主要構造部」の違いは、出題の対象にされやすいので、注意のこと。



★建築基準法施行令1条4号:耐水材料とは・・・ れんが、石、人造石、コンクリート、アスファルト、陶磁器、ガラスその他これらに類する耐水性の建築材料をいう。

 とあり、レンガ、コンクリートやガラス等耐水性の建築材料です。

 耐水材料は、
  ・水に耐えること(長時間水につけても壊れないこと)
  ・水に濡れても裏まで染みないこと
  です。


 注:レンガは水を吸収しますが、長時間、水につけていても溶けたり、形が変形したり、壊れたりすることがないので、「耐水材料」とされます。
  

★建築基準法施行令1条5号:準不燃材料とは・・・建築材料のうち、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後十分間第百八条の二各号(建築物の外部の仕上げに用いるものにあつては、同条第一号及び第二号)に掲げる要件を満たしているものとして、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

★建築基準法施行令1条6号:難燃材料とは・・・建築材料のうち、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後五分間第百八条の二各号(建築物の外部の仕上げに用いるものにあつては、同条第一号及び第二号)に掲げる要件を満たしているものとして、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

 5号の「準不燃材料」と6号の「難燃材料」は、建築基準法第2条9号の防火材料である「不燃材料」を補った規定です。温度が上がった時の発火までの時間で区別されます。
 その関係は、
  ・不燃材料  : 加熱開始後20分 (コンクリート、レンガ、瓦など)
  ・準不燃材料: 加熱開始後10分 (9mm以上のせっこうボード、厚さが15mm以上の木毛セメント板など)
  ・難燃材料  : 加熱開始後 5分 (厚さが7mm以上のせっこうボード、難燃合板で厚さが5.5mm以上のもの、など)

  

 詳細は、建築基準法第2条9号 も参考にしてください。


★また、建築基準法施行令の第2条の「建築 面積」、「建築物の高さ」もよく出題されます。(2015年7月1日:改正に合わせた)

<参照>建築基準法 施行令 (改正有:平成30年9月25日施行)

(面積、高さ等の算定方法)
第二条  次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

   一  敷地面積 敷地の水平投影面積による。ただし、建築基準法 (以下「法」という。)第四十二条第二項 、第三項又は第五項の規定によつて道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、算入しない。

   二  建築面積 建築物(地階で地盤面上一メートル以下にある部分を除く。以下この号において同じ。)の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出し縁その他これらに類するもので当該中心線から水平距離一メートル以上突き出たものがある場合においては、その端から水平距離一メートル後退した線)で囲まれた部分の水平投影面積による。ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、その端から水平距離一メートル以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない。

   三  床面積 建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。

   四  延べ面積 建築物の各階の床面積の合計による。ただし、法第五十二条第一項に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率の算定の基礎となる延べ面積を除く。)には、次に掲げる建築物の部分の床面積を算入しない。
     イ 自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む。)の用途に供する部分(第三項第一号及び第百三十七条の八において「自動車車庫等部分」という。)
     ロ 専ら防災のために設ける備蓄倉庫の用途に供する部分(第三項第二号及び第百三十七条の八において「備蓄倉庫部分」という。)
     ハ 蓄電池(床に据え付けるものに限る。)を設ける部分(第三項第三号及び第百三十七条の八において「蓄電池設置部分」という。)
     ニ 自家発電設備を設ける部分(第三項第四号及び第百三十七条の八において「自家発電設備設置部分」という。)
     ホ 貯水槽を設ける部分(第三項第五号及び第百三十七条の八において「貯水槽設置部分」という。)
     ヘ 宅配ボックス(配達された物品(荷受人が不在その他の事由により受け取ることができないものに限る。)の一時保管のための荷受箱をいう。)を設ける部分(第三項第六号及び第百三十七条の八において「宅配ボックス設置部分」という。)

建築物の各階の床面積の合計による。ただし、法第五十二条第一項 に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率の算定の基礎となる延べ面積を除く。)には、自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む。)の用途に供する部分の床面積を算入しない。


   五  築造面積 工作物の水平投影面積による。ただし、国土交通大臣が別に算定方法を定めた工作物については、その算定方法による。

   六  建築物の高さ 地盤面からの高さによる。ただし、次のイ、ロ又はハのいずれかに該当する場合においては、それぞれイ、ロ又はハに定めるところによる。

    イ 法第五十六条第一項第一号 の規定並びに第百三十条の十二 及び第百三十五条の一九 十八 の規定による高さの算定については、前面道路の路面の中心からの高さによる。
    ロ 法第三十三条 及び法第五十六条第一項第三号 に規定する高さ並びに法第五十七条の四第一項 及び法第五十八条 に規定する高さ(北側の前面道路又は隣地との関係についての建築物の各部分の高さの最高限度が定められている場合におけるその高さに限る。)を算定する場合を除き、階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の八分の一以内の場合においては、その部分の高さは、十二メートル(法第五十五条第一項 及び第二項 、法第五十六条の二第四項 、法第五十九条の二第一項 (法第五十五条第一項 に係る部分に限る。)並びに法別表第四(ろ)欄二の項、三の項及び四の項ロの場合には、五メートル)までは、当該建築物の高さに算入しない。
    ハ 棟飾、防火壁の屋上突出部その他これらに類する屋上突出物は、当該建築物の高さに算入しない。

   七  軒の高さ 地盤面(第百三十条の十二第一号イの場合には、前面道路の路面の中心)から建築物の小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁、敷桁 げた又は柱の上端までの高さによる。

   八  階数 昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分又は地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の八分の一以下のものは、当該建築物の階数に算入しない。また、建築物の一部が吹抜きとなつている場合、建築物の敷地が斜面又は段地である場合その他建築物の部分によつて階数を異にする場合においては、これらの階数のうち最大なものによる。

2  前項第二号、第六号又は第七号の「地盤面」とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する位置の高低差が三メートルを超える場合においては、その高低差三メートル以内ごとの平均の高さにおける水平面をいう。

3  第一項第四号ただし書の規定は、次の各号に掲げる建築物の部分の区分に応じ、当該敷地内の建築物の各階の床面積の合計(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それらの建築物の各階の床面積の合計の和)に当該各号に定める割合を乗じて得た面積を限度として適用するものとする
     一 自動車車庫等部分 五分の一
     二 備蓄倉庫部分 五十分の一
     三 蓄電池設置部分 五十分の一
     四 自家発電設備設置部分 百分の一
     五 貯水槽設置部分 百分の一
     六 宅配ボックス設置部分 百分の一


 第一項第四号ただし書の規定は、同項に規定する専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設の用途に供する部分の床面積については、当該敷地内の建築物の各階の床面積の合計(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それらの建築物の各階の床面積の合計の和)の五分の一を限度として適用するものとする。


4  第一項第六号ロ又は第八号の場合における水平投影面積の算定方法は、同項第二号の建築面積の算定方法によるものとする。


建築基準法施行令2条1号:
敷地面積とは・・・敷地の水平投影面積による。ただし、建築基準法 (以下「法」という。)第四十二条第二項 、第三項又は第五項の規定によつて道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、算入しない。

建築基準法施行令2条2号:
建築面積とは・・・建築物(地階で地盤面上一メートル以下にある部分を除く。以下この号において同じ。)の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出し縁その他これらに類するもので当該中心線から水平距離一メートル以上突き出たものがある場合においては、その端から水平距離一メートル後退した線)で囲まれた部分の水平投影面積による。ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、その端から水平距離一メートル以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない。

 参考:敷地面積や建築面積は、建蔽率や容積率ともからみ建物の基本となっています。
  ★
建蔽率とは・・・建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建築基準法第53条)
  ★
容積率とは・・・建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(建築基準法第52条)
  この詳細については、別途、建蔽率や容積率の解説をみてください。

 算入するとか、しないとか、このあたりは、建物の構造が変わるたびに、改正になりますので、注意が必要です。


★施行令第2条1項8号の「階数」の数え方は、吹抜けがある場合、斜面などの注意が必要です。
   また、塔屋(ペントハウスともいう)や、地階の倉庫などは、特定の場合は、階数に数えなくても、容積率の延べ面積の床面には算入されます。(建築基準法第52条参照)

★建築基準法施行令第2条4号「延べ面積には、次に掲げる建築物の部分の床面積を算入しない」と、同第2条3項の「面積を限度として適用する」について

 *容積率(建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合)不算入の特例
  建築基準法施行令第2条4号では、以下の部分は、建物の規模を制限する「容積率」の算出方法に算入しないとなっていますが、同2条3項では、その部分の全てではなく、算入しない限度が定めれていますので、注意してください。
この限度を超えた部分は、延べ面積に算入されますよ。

 容積率に不算入の特例-その1
 No.  該当の部分  算入しない限度(延べ面積の) 
 1  自動車車庫等部分  1/5
 2  備蓄倉庫部分  1/50
 3  蓄電池設置部分  1/50
 4  自家発電設備設置部分  1/100
 5  貯水槽設置部分  1/100
 6  宅配ボックス設置部分  1/100

  
 また、延べ面積から、除外される床面積には、以下のものもありますので、これも注意してください。(建築基準法第52条(容積率))

  容積率に不算入の特例-その2
No.   対象の部分  算入条件
 1  地階の住宅・老人ホーム等  当該建物の住宅部分の床面積の1/3まで算入しない
 2  共同住宅・老人ホーム等の共用廊下・階段部分  全て算入しない
 3  昇降機(エレベーター)の昇降路  全て算入しない


 敷地内の建築物に上記の用途があれば、それぞれの「床面積不算入となる限度」まで、容積率の算定から除くことが可能です。


{設問}平成23年 管理業務主任者試験 「問17」

【問 17】 建築基準法(昭和25年法律第201号)及び同法施行令(昭和25年政令第338号)に規定される面積の算定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


1 特定行政庁が指定する幅員4m未満の道路の中心線からの水平距離が2mまでの部分は、敷地面積に算入しない。

○ 正しい。  ここは、平成21年 管理業務主任者試験 「問17」 、や 平成19年 管理業務主任者試験 「問18」 も参考に。
敷地面積とは、敷地の水平投影面積のことです。(建築基準法施行令2条1項1号)
  都市計画区域で建築物を建てる際に、敷地は幅員が4m(または6m)以上ある道路に2m以上接していなければなりません。
道路の幅員が4mに満たない場合には、道路の中心線から2mまでの部分(後退部分=セットバック)は、自分の敷地であっても建築基準法では「敷地面積」として扱われません。また、建物も建築できません。この部分は、除外されますので、注意してください。(建築基準法施行令2条1項1号-->建築基準法第42条に規定される道路の境界線とみなされる線と道との間の部分)


参考 :建築基準法施行令第2条1項1号
 「(面積、高さ等の算定方法)
  第二条  次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
   一  敷地面積 敷地の水平投影面積による。ただし、建築基準法 (以下「法」という。)第四十二条第二項 、第三項又は第五項の規定によつて道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、算入しない。」
そして、引用されています、建築基準法第42条(道路の定義)
 「第四十二条  この章の規定において「道路」とは、次の各号の一に該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
     一  道路法 (昭和二十七年法律第百八十号)による道路
     二  都市計画法 、土地区画整理法 (昭和二十九年法律第百十九号)、旧住宅地造成事業に関する法律(昭和三十九年法律第百六十号)、都市再開発法 (昭和四十四年法律第三十八号)、新都市基盤整備法 (昭和四十七年法律第八十六号)、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 (昭和五十年法律第六十七号)又は密集市街地整備法 (第六章に限る。以下この項において同じ。)による道路
     三  この章の規定が適用されるに至つた際現に存在する道
     四  道路法 、都市計画法 、土地区画整理法 、都市再開発法 、新都市基盤整備法 、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 又は密集市街地整備法 による新設又は変更の事業計画のある道路で、二年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの
     五  土地を建築物の敷地として利用するため、道路法 、都市計画法 、土地区画整理法 、都市再開発法 、新都市基盤整備法 、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 又は密集市街地整備法 によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの
   2  この章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(前項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満でがけ地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該がけ地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。
   3  特定行政庁は、土地の状況に因りやむを得ない場合においては、前項の規定にかかわらず、同項に規定する中心線からの水平距離については二メートル未満一・三五メートル以上の範囲内において、同項に規定するがけ地等の境界線からの水平距離については四メートル未満二・七メートル以上の範囲内において、別にその水平距離を指定することができる。
   4  第一項の区域内の幅員六メートル未満の道(第一号又は第二号に該当する道にあつては、幅員四メートル以上のものに限る。)で、特定行政庁が次の各号の一に該当すると認めて指定したものは、同項の規定にかかわらず、同項の道路とみなす。
     一  周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認められる道
     二  地区計画等に定められた道の配置及び規模又はその区域に即して築造される道
     三  第一項の区域が指定された際現に道路とされていた道
   5  前項第三号に該当すると認めて特定行政庁が指定した幅員四メートル未満の道については、第二項の規定にかかわらず、第一項の区域が指定された際道路の境界線とみなされていた線をその道路の境界線とみなす。
   6  特定行政庁は、第二項の規定により幅員一・八メートル未満の道を指定する場合又は第三項の規定により別に水平距離を指定する場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。」


2 建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線から水平距離1m 以上突き出た軒、ひさ しなどの部分は、その先端から水平距離1m 後退した線から建物側を建築面積に算入する。

○ 正しい。 建築面積とは...建築物の外壁・柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積です。ただし、軒、ひさし、バルコニー等でこの中心線より1m以上突き出た所があるときは、先端より1m後退した部分までは建築面積に算入されます。
建築基準法施行令2条1項2号
 「(面積、高さ等の算定方法)
 「第二条  次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
     二  建築面積 建築物(地階で地盤面上一メートル以下にある部分を除く。以下この号において同じ。)の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出し縁その他これらに類するもので当該中心線から水平距離一メートル以上突き出たものがある場合においては、その端から水平距離一メートル後退した線)で囲まれた部分の水平投影面積による。ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、その端から水平距離一メートル以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない。 」


3 床面積は、建築物の各階又はその一部で、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。

○ 正しい。 床面積とは、建築基準法施行令2条1項3号
 「(面積、高さ等の算定方法)
  第二条  次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
     三  床面積 建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。」とあります。


4 延べ面積は、建築物の各階の床面積の合計であり、共同住宅の容積率の算定においても、共用の廊下及び階段の用に供する部分の面積を含む。

X 誤っている。 含まない。  共同住宅の共用廊下・階段部分の全部不算入...共同住宅(マンションなど)の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、全部算入されません。 (建築基準法52条6項)
 これは、公共の道路と同じとみて、限度がなく全てが算入されません。ただし、エレベーター室は除外されていないため、算入されます。
 具体的には、延べ面積とは、建築基準法施行令第2条4号
 「(面積、高さ等の算定方法)
  第二条  次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
     四  延べ面積 建築物の各階の床面積の合計による。
  ただし、法第五十二条第一項 に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率の算定の基礎となる延べ面積を除く。)には、自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む。)の用途に供する部分の床面積を算入しない。」とあり、
引用されています、建築基準法第52条1項6号
 「6  第一項、第二項、次項、第十二項及び第十四項、第五十七条の二第三項第二号、第五十七条の三第二項、第五十九条第一項及び第三項、第五十九条の二第一項、第六十条第一項、第六十条の二第一項及び第四項、第六十八条の三第一項、第六十八条の四、第六十八条の五、第六十八条の五の二、第六十八条の五の三第一項、第六十八条の五の四(第一号ロを除く。)、第六十八条の五の五第一項第一号ロ、第六十八条の八、第六十八条の九第一項、第八十六条第三項及び第四項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には、共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、算入しないものとする。」


答え:4 

 



(適用の除外)
第三条

 この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
   一 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)の規定によつて国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物又は史跡名勝天然記念物として指定され、又は仮指定された建築物

   二 旧重要美術品等の保存に関する法律(昭和八年法律第四十三号)の規定によつて重要美術品等として認定された建築物

   三 文化財保護法第百八十二条第二項の条例その他の条例の定めるところにより現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物(次号において「保存建築物」という。)であつて、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したもの

   四 第一号若しくは第二号に掲げる建築物又は保存建築物であつたものの原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得てその原形の再現がやむを得ないと認めたもの

(続く)

 

過去出題 マンション管理士  
管理業務主任者  

3条:適用の除外
 3条
は建築基準法が適用されない、建築物を規定しています。

 防火や災害などの観点から建築物を規制するのが、建築基準法の主旨ですが、歴史的に価値のある建物は、規制が及びません。

★建築基準法が適用されないのは 〜国宝や名勝など〜

 1.国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物又は史跡名勝天然記念物として指定され、又は仮指定された建築物 (1項1号)

 2.重要美術品等として認定された建築物 (1項2号)

 3.条例その他の条例の定めるところにより現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物 (1項3号)

 4.第一号若しくは第二号に掲げる建築物又は保存建築物であつたものの原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得てその原形の再現がやむを得ないと認めたもの(1項4号)

 です。

 


(適用の除外)
第三条 (続き)  (改正有:平成30年4月1日施行。)

 この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。

 2  この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際現に存する建築物若しくはその敷地又は現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の建築物若しくはその敷地がこれらの規定に適合せず、又はこれらの規定に適合しない部分を有する場合においては、当該建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、当該規定は、適用しない。

 3  前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、適用しない。
  一  この法律又はこれに基づく命令若しくは条例を改正する法令による改正(この法律に基づく命令又は条例を廃止すると同時に新たにこれに相当する命令又は条例を制定することを含む。)後のこの法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用の際当該規定に相当する従前の規定に違反している建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分

  二  都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域若しくは工業専用地域若しくは防火地域若しくは準防火地域に関する都市計画の決定若しくは変更、第四十二条第一項、第五十二条第二項第二号若しくは第三号若しくは第八項、第五十六条第一項第二号イ若しくは別表第三備考三の号の区域の指定若しくはその取消し又は第五十二条第一項第六号、第二項第三号若しくは第八項、第五十三条第一項第六号、第五十六条第一項第二号ニ若しくは別表第三(に)欄の五の項に掲げる数値の決定若しくは変更により、第四十三条第一項、第四十八条第一項から第十四項まで、第五十二条第一項、第二項、第七項若しくは第八項、第五十三条第一項から第三項まで、第五十四条第一項、第五十五条第一項、第五十六条第一項、第五十六条の二第一項、若しくは 第六十一条 若しくは第六十二条 に規定する建築物、建築物の敷地若しくは建築物若しくはその敷地の部分に関する制限又は第四十三条第 二項、第四十三条の二、第四十九条から第五十条まで若しくは第六十八条の九の規定に基づく条例に規定する建築物、建築物の敷地若しくは建築物若しくはその敷地の部分に関する制限に変更があつた場合における当該変更後の制限に相当する従前の制限に違反している建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分

  三  工事の着手がこの法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の後である増築、改築、移転、大規模の修繕又は大規模の模様替に係る建築物又はその敷地

  四  前号に該当する建築物又はその敷地の部分

  五  この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に適合するに至つた建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分

(3条終わり)

★建築基準法3条2項:適用の除外 (続き)

★法律不遡及の原則と既存不適格建築物

 法律には「不遡及の原則」があり、その法律の規定を、法律が規定していない以前に遡っては適用ができません。

 そこで、3条2項の規定があります。

既存不適格建築物とは...法令が新しく制定されたり、改正された場合に、それ以前から存在または着工している建築物で、新しい規定に適合しなくなった建築物です。
  「既存不適格建築物」 では、現況のまま使用する限り是正命令等の対象外ですが、建替えの際に現況の建物と同規模のものが建てられないことでは 「違反建築物」 も 「既存不適格建築物」 も同じになります。
  特に、一戸建住宅の中古市場には、当然のように違反が行なわれていた頃の建物が数多く出回っていますので注意が必要です。

 例えば、居室の換気、地階の居室の防湿、昇降機など法律が変わっています。

違反建築物既存不適格建築物の法律での扱いは違う
  違反建築物は、最初から、建築基準法やこれに基づく命令・条例などの許可に違反している建築物です。
  違反にも2種類あり、ひとつは手続きに問題があるもの、2つ目は建築物そのものに違反が認められるものです。なお、建築当初は違反でなくても、その後の増築・改築・修繕などによって違反建築物になるものもあります。

  具体的には、建ぺい率超過、容積率超過、各種斜線制限の違反、用途制限違反、接道義務違反などのほか、建築基準法上の手続き (建築確認申請等) を行なわずに建築されたもの (無確認建築) も 「違反建築物」 とされます。
  建築確認を受け付ける特定行政庁は、違反建築物を発見した場合には、建物の取り壊し、改築、修繕、使用禁止などの是正命令を出し、違反事実を公示できます。また緊急の場合は、特定行政庁が任命した建築監視員が工事施工の停止を求められます。

★しかし、違反建築物や適用後の場合は、不遡及も打ち切りになるのを定めたのが、3条3項です。


(建築主事)
第四条

 政令で指定する人口二十五万以上の市は、その長の指揮監督の下に、第六条第一項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。

2 市町村(前項の市を除く。)は、その長の指揮監督の下に、第六条第一項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置くことができる。

3 市町村は、前項の規定により建築主事を置こうとする場合においては、あらかじめ、その設置について、都道府県知事に協議しなければならない。

4 市町村が前項の規定により協議して建築主事を置くときは、当該市町村の長は、建築主事が置かれる日の三十日前までにその旨を公示し、かつ、これを都道府県知事に通知しなければならない。

5 都道府県は、都道府県知事の指揮監督の下に、第一項又は第二項の規定によつて建築主事を置いた市町村(第九十七条の二を除き、以下「建築主事を置く市町村」という。)の区域外における建築物に係る第六条第一項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。

6 第一項、第二項及び前項の建築主事は、市町村又は都道府県の職員で第七十七条の五十八第一項の登録を受けた者のうちから、それぞれ市町村の長又は都道府県知事が命ずる。

7 特定行政庁は、その所轄区域を分けて、その区域を所管する建築主事を指定することができる。

過去出題 マンション管理士  
管理業務主任者  

★建築基準法4条:建築主事 の規定です。

「建築主事」とは...「第六条第一項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるため」に置かれる自治体の機関です。

 引用されている6条1項の規定は、建築に際して、建築主がその建築計画が適法であるかどうかを確認を申請するものです。

<参照> 建築基準法 第6条

第六条 建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。当該確認を受けた建築物の計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をして、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合も、同様とする
   一 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が二百平方メートルを超えるもの
   二 木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの
   三 木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの
   四 前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法(平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物

2 前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。

3 建築主事は、第一項の申請書が提出された場合において、その計画が次の各号のいずれかに該当するときは、当該申請書を受理することができない。
   一 建築士法第三条第一項、第三条の二第一項、第三条の三第一項、第二十条の二第一項若しくは第二十条の三第一項の規定又は同法第三条の二第三項の規定に基づく条例の規定に違反するとき。
   二 構造設計一級建築士以外の一級建築士が建築士法第二十条の二第一項の建築物の構造設計を行つた場合において、当該建築物が構造関係規定に適合することを構造設計一級建築士が確認した構造設計によるものでないとき。
   三 設備設計一級建築士以外の一級建築士が建築士法第二十条の三第一項の建築物の設備設計を行つた場合において、当該建築物が設備関係規定に適合することを設備設計一級建築士が確認した設備設計によるものでないとき。

4 建築主事は、第一項の申請書を受理した場合においては、同項第一号から第三号までに係るものにあつてはその受理した日から三十五日以内に、同項第四号に係るものにあつてはその受理した日から七日以内に、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査し、審査の結果に基づいて建築基準関係規定に適合することを確認したときは、当該申請者に確認済証を交付しなければならない。

5 建築主事は、前項の場合において、申請に係る建築物の計画が第六条の三第一項の構造計算適合性判定を要するものであるときは、建築主から同条第七項の適合判定通知書又はその写しの提出を受けた場合に限り、第一項の規定による確認をすることができる。

6 建築主事は、第四項の場合(申請に係る建築物の計画が第六条の三第一項の特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。)に適合するかどうかを審査する場合その他国土交通省令で定める場合に限る。)において、第四項の期間内に当該申請者に第一項の確認済証を交付することができない合理的な理由があるときは、三十五日の範囲内において、第四項の期間を延長することができる。この場合においては、その旨及びその延長する期間並びにその期間を延長する理由を記載した通知書を同項の期間内に当該申請者に交付しなければならない。

7 建築主事は、第四項の場合において、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないことを認めたとき、又は建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その旨及びその理由を記載した通知書を同項の期間(前項の規定により第四項の期間を延長した場合にあつては、当該延長後の期間)内に当該申請者に交付しなければならない。

8 第一項の確認済証の交付を受けた後でなければ、同項の建築物の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事は、することができない。

9 第一項の規定による確認の申請書、同項の確認済証並びに第六項及び第七項の通知書の様式は、国土交通省令で定める。

6条の解説の詳細は、6条にありますが、要約すると、
  建築主が建築物を、
   1.建築(新築、増築、移築、移転すること。)(2条13号参照
   2.大規模の修繕(2条14号参照
   3.大規模の模様替(2条15号参照
   4.特殊建築物への用途変更
  をするときには、建築主事(または指定確認検査機関)へのその計画が適法であるかどうかの確認申請書を提出して、確認済証の交付を受けなければなりません。

★建築主事はどこにおかれるのか
  1.政令で指定する人口25万人以上の市では必須です。(1項)
  2.市町村は任意です。(2項)
  3.都道府県は、建築主事がいない区域を担当する建築主事をおきます。(5項) これは、2項で建築主事がいない市町村を補完するためです。

  

★どんな人が建築主事になれるのか(6項)...建築主事になるには大変
 建築主事は市町村又は都道府県の職員(地方公務員です)で、建築基準適合判定資格者検定(受験の要件は、1級建築士で、2年以上の建築行政・建築確認業務に関する実務経験者)に合格し、かつ国土交通大臣の登録を受けた者です。市町村の長又は都道府県知事が命じます。

 注:なお、後で出てきます、民間の「確認検査機関」で建築主事のような審査や検査を担当する職員は、「確認検査員」と呼ばれます。特定行政庁で働く「建築主事」ではありません。
 確認検査員も「建築基準適合判定資格者」の検定に合格していますし、検定を受けるための条件として一級建築士資格が必要です。

<参照>建築基準法第77条の58、1項

(登録)
第七十七条の五十八  建築基準適合判定資格者検定に合格した者は、国土交通大臣の登録を受けることができる。

2 前項の登録は、国土交通大臣が建築基準適合判定資格者登録簿に、氏名、生年月日、住所その他の国土交通省令で定める事項を登載してするものとする。

★建築主事の仕事は
 特定行政庁に置かれる建築主事は、新しく建てられる建物に対する申請内容が建築基準法をはじめとする各種法規に適合しているかどうかを設計図面なども含めて確認する作業を行い、その後、計3回の審査を行います。
  @初めは建築計画が完成した時点(建築確認)、
  Aつぎは着工後完成までの間(中間検査)、
  B最後は完成直後(完了検査)です。

  建築主は、工事完了後4日以内に建築主事に完了届けを提出し、建築主事はその届出から7日以内に検査を行わなければなりません(7条参照)。その結果、建物が建築基準法その他の法令に合致していると認められたときは、検査済証を交付します。
  建築主事は、建築技術、建築法規に関する専門家ですが、その権限の内容は、建築計画が法令に適合しているかどうかを判断するにとどまり、裁量の余地はないとされています。

★建築主事がおかれると、特定行政庁となる
  2条35号でも説明しましたが、建築主事は、一級建築士であり、建築法規についての専門家ですが、地方行政の長ではありません。

  建築基準法では、「交通上、安全上、防火上または衛生上の立場」から裁量や判断を行う必要があります。このような行政上の裁量や判断をするのに、建築のプロである「建築主事」は適していません。
 そこで、特定行政庁(知事または市町村長)の許可や認定にまかせています。

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★完了検査後に、建物を変更する例が多い!
  ビルの屋上やひどいときにはベランダに、以前はなかった物置や人が住めそうな小屋ができていることに気がつきましたか?
  完了検査を受ける前は、建築基準法の容積率や建ぺい率などの規定に従った建物ですが、完了検査をパスすれば、もう建築主事も建物を検査しません。

  それを知っている、建築主と施工業者が、完了検査が終わるとすぐに、増築してます。


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建築基準適合判定資格者検定
第五条 

 建築基準適合判定資格者検定は、建築士の設計に係る建築物が第六条第一項の建築基準関係規定に適合するかどうかを判定するために必要な知識及び経験について行う。

2  建築基準適合判定資格者検定は、国土交通大臣が行う。

3  建築基準適合判定資格者検定は、一級建築士試験に合格した者で、建築行政又は第七十七条の十八第一項の確認検査の業務その他これに類する業務で政令で定めるものに関して、二年以上の実務の経験を有するものでなければ受けることができない。

4  建築基準適合判定資格者検定に関する事務をつかさどらせるために、国土交通省に、建築基準適合判定資格者検定委員を置く。ただし、次条第一項の指定建築基準適合判定資格者検定機関(旧:指定資格検定機関)が同項の建築基準適合判定資格者検定事務(旧:資格検定事務)を行う場合においては、この限りでない。

5  建築基準適合判定資格者検定委員は、建築及び行政に関し学識経験のある者のうちから、国土交通大臣が命ずる。

6  国土交通大臣は、不正の手段によつて建築基準適合判定資格者検定を受け、又は受けようとした者に対しては、合格の決定を取り消し、又はその建築基準適合判定資格者検定を受けることを禁止することができる。

7  国土交通大臣は、前項又は次条第二項の規定による処分を受けた者に対し、情状により、二年以内の期間を定めて建築基準適合判定資格者検定を受けることができないものとすることができる。

8  前各項に定めるものを除くほか、建築基準適合判定資格者検定の手続及び基準その他建築基準適合判定資格者検定に関し必要な事項は、政令で定める。
 

過去出題 マンション管理士  
管理業務主任者  

★5条(建築基準適合判定資格者検定)と 次の 5条の2(建築基準適合判定資格者検定事務を行う者の指定)及び5条の3(受検手数料)は、以前は地方自治体の「建築主事」だけが行っていた建築確認業務が、民間の「指定確認機関」でも行えるようになったために、建築主事と同様の能力を有するかどうかを決める「建築基準適合判定資格者検定」についての規定です。

★建築主事の業務が、民間の機関でもできるようになった。

 「建築基準適合判定資格者検定」に合格して、国土交通大臣の登録を受けると、建築基準適合判定資格者となり、建築確認や、中間検査、確認済証の交付ができます。(77条の5の58以下参照

★しかし、受験資格が厳しい(3項)

  1.一級建築士試験に合格した者 で
  2.建築行政又は第七十七条の十八第一項の確認検査の業務その他これに類する業務で政令で定めるものに関して、二年以上の実務の経験を有するものでなければ受けることができない。


建築基準適合判定資格者検定事務(旧:資格検定事務)を行う者の指定)  
第五条の二 

 国土交通大臣は、第七十七条の二から第七十七条の五までの規定の定めるところにより指定する者(以下「指定建築基準適合判定資格者検定機関」(旧:指定資格検定機関)という。)に、建築基準適合判定資格者検定の実施に関する事務(以下「建築基準適合判定資格者検定事務」(旧:資格検定事務」)という。)を行わせることができる。

2  指定建築基準適合判定資格者検定機関(旧指定資格検定機関)は、前条第六項に規定する国土交通大臣の職権を行うことができる。

3  国土交通大臣は、第一項の規定による指定をしたときは、建築基準適合判定資格者検定事務(旧資格検定事務)を行わないものとする。

過去出題 マンション管理士  
管理業務主任者  

★5条の2:建築基準適合判定資格者検定事務を行う者の指定 は資格検定事務を行う者の指定です。

★これらは、説明を省きます。読んでおいてください。

(受検手数料) 
第五条の三

 建築基準適合判定資格者検定を受けようとする者(市町村又は都道府県の職員である者を除く。)は、政令で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額の受検手数料を、国(指定建築基準適合判定資格者検定機関(旧:指定資格検定機関)が行う建築基準適合判定資格者検定を受けようとする者にあつては、指定建築基準適合判定資格者検定機関(旧:指定資格検定機関)に納めなければならない。

2  前項の規定により指定建築基準適合判定資格者検定機関(旧:指定資格検定機関)に納められた受検手数料は、当該指定建築基準適合判定資格者検定機関(旧:指定資格検定機関)の収入とする。

過去出題 マンション管理士  
管理業務主任者  

5条の3:受検手数料 の受検手数料は、3万円です。

★これらは、説明を省きます。読んでおいてください。

<参照>建築基準法施行令第8条の3 (受検手数料)

第八条の三  法第五条の三第一項 の受検手数料の額は、三万円とする。

2 前項の受検手数料は、これを納付した者が検定を受けなかつた場合においても、返還しない。

3 建築基準適合判定資格者検定の受検手数料であつて指定建築基準適合判定資格者検定機関に納付するものの納付の方法は、法第七十七条の九第一項の建築基準適合判定資格者検定事務規程の定めるところによる。

 (構 造 計 算 適 合 判 定 資 格 者 検 定 )
第五条の四 (新設

 構造計算適合判定資格者検定は、建築士の設計に係る建築物の計画について第六条の三第一項の構造計算適合性判定を行うために必要な知識及び経験について行う。

2 構造計算適合判定資格者検定は、国土交通大臣が行う。

3 
構造計算適合判定資格者検定は、一級建築士試験に合格した者で、第六条の三第一項の構造計算適合性判定の業務その他これに類する業務で政令で定めるものに関して、五年以上の実務の経験を有するものでなければ受けることができない。

4 構造計算適合判定資格者検定に関する事務をつかさどらせるために、国土交通省に、構造計算適合判定資格者検定委員を置く。ただし、次条第一項の指定構造計算適合判定資格者検定機関が同項の構造計算適合判定資格者検定事務を行う場合においては、この限りでない。

5 第五条第五項の規定は構造計算適合判定資格者検定委員に、同条第六項から第八項までの規定は構造計算適合判定資格者検定について準用する。この場合において、同条第七項中「次条第二項」とあるのは、「第五条の五第二項において準用する第五条の二第二項」と読み替えるものとする。 

過去出題 マンション管理士  
管理業務主任者  

5条の4:構造計算適合判定資格者検定
 
平成27年6月1日施行で新しく設けられた規定です。

 5条の2 により、旧:指定資格検定機関が指定建築基準適合判定資格者検定機関に変更されています。
 それに伴う改正です。

* どうして、構造計算が問題になったのか?

★構造計算書偽装事件(姉歯建築士事件)
 憶えていますか。
 平成17年(2005年)国土交通省が、千葉県の姉歯秀次一級建築士が一定規模以上の建物の構造設計に必要な国土交通大臣認定構造計算ソフトウェアの計算結果を改ざんした「偽装した構造計算書」を作成していたと公表し、関係のマンションで耐震性が問題となり大騒動となった事件を。

 この事件を反省して、平成18年(2006年)12月の建築基準法の改正で、一級建築士の中に
  @設備設計一級建築士制度(階数が3以上かつ床面積の合計5,000平方メートル超の建物の設計は設備設計一級建築士の資格保持者が設計するか、資格保持者に確認する) こと

  A構造設計一級建築士制度(高さ60m超の建築物については構造設計一級建築士の資格保持者が設計するか、資格保持者に適応性の確認をする) こと

  が創設され、平成21年(2009年)5月27日以降の建築確認申請から各々義務付けが開始されました。

 設備設計一級建築士・構造設計一級建築士となるには、一級建築士として5年以上、設備設計や構造設計に従事した後に、講習(設備設計・構造設計や法適合確認に関する講義・修了考査を終了すること)が必要です。


★構造計算適合判定資格者制度もある

 平成27年(2015年)6月1日施行の建築基準法の改正で、構造計算適合性判定は建築主事等の建築確認から独立し、建築主が別途指定構造計算適合性判定機関に申請する仕組みになりました。
 そこで生まれたのが、構造計算適合判定資格者です。

 構造計算適合判定資格者は、建築基準法に基づく構造計算適合性判定業務を行うために必要な資格で、構造計算適合性判定は、高度な構造計算を要する鉄筋コンクリート造の建築物などに義務付けられている建造物審査です。

 試験は3年に一度実施されて、平成27年度(2015年)、平成30年度(2018年)、令和3年度(2021年)です。
 受験料は、35,000円

 受験資格は、一級建築士試験に合格した者で、以下の業務に関して、合計5年以上の実務の経験を有する者に限ります。
 受験資格として認められる業務経験は分かりやすくまとめると以下になります。
 ・構造計算適合性判定の補助員としての業務
 ・通常の構造設計業務(規模は問わず)
 ・建築主事または確認検査員として建築物の確認のための構造審査業務(補助員を含む)
 ・住宅性能評価における構造の安定に関する評価業務

 (構造計算適合判定資格者検定事務を行う者の指定等)
第五条の五 (新設)
 国土交通大臣は、第七十七条の十七の二第一項及び同条第二項において準用する第七十七条の三から第七十七条の五までの規定の定めるところにより指定する者(以下「指定構造計算適合判定資格者検定機関」という。)に、構造計算適合判定資格者検定の実施に関する事務(以下「構造計算適合判定資格者検定事務」という。)を行わせることができる。

2 第五条の二第二項及び第五条の三第二項の規定は指定構造計算適合判定資格者検定機関に、第五条の二第三項の規定は構造計算適合判定資格者検定事務に、第五条の三第一項の規定は構造計算適合判定資格者検定について準用する。この場合において、第五条の二第二項中「前条第六項」とあるのは「第五条の四第五項において準用する第五条第六項」と、同条第三項中「第一項」とあるのは「第五条の五第一項」と、第五条の三第一項中「者(市町村又は都道府県の職員である者を除く。)」とあるのは「者」と読み替えるものとする。

過去出題 マンション管理士  
管理業務主任者  

5条の5:構造計算適合判定資格者検定事務を行う者の指定等
 
 平成27年6月1日施行で新しく設けられた規定です。

 5条の2 により、旧:指定資格検定機関が指定建築基準適合判定資格者検定機関に変更されています。
 それに伴う改正です。



(建築物の設計及び工事監理)  
第五条の六(旧:の四)

 建築士法第三条第一項(同条第二項の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)、第三条の二第一項(同条第二項において準用する同法第三条第二項の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)若しくは第三条の三第一項(同条第二項において準用する同法第三条第二項の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)に規定する建築物又は同法第三条の二第三項(同法第三条の三第二項において読み替えて準用する場合を含む。以下同じ。)の規定に基づく条例に規定する建築物の工事は、それぞれ当該各条に規定する建築士の設計によらなければ、することができない。

2 建築士法第二条第七項に規定する構造設計図書による同法第二十条の二第一項の建築物の工事は、構造設計一級建築士の構造設計(同法第二条第七項に規定する構造設計をいう。以下この項及び次条第三項第二号において同じ。)又は当該建築物が構造関係規定に適合することを構造設計一級建築士が確認した構造設計によらなければ、することができない。

3 建築士法第二条第七項に規定する設備設計図書による同法第二十条の三第一項の建築物の工事は、設備設計一級建築士の設備設計(同法第二条第七項に規定する設備設計をいう。以下この項及び次条第三項第三号において同じ。)又は当該建築物が設備関係規定に適合することを設備設計一級建築士が確認した設備設計によらなければ、することができない。

4 建築主は、第一項に規定する工事をする場合においては、それぞれ建築士法第三条第一項、第三条の二第一項若しくは第三条の三第一項に規定する建築士又は同法第三条の二第三項の規定に基づく条例に規定する建築士である工事監理者を定めなければならない。

5 前項の規定に違反した工事は、することができない。

過去出題 マンション管理士  
管理業務主任者  

5条の6:建築物の設計及び工事監理(旧:の4) は、平成27年の改正により、5条の4 及び 5条の5 が追加されたことにより繰り下がったものです。、

 5条の6 は、一級建築士、構造設計一級建築士、設備設計一級建築士でなければできない設計または確認そして工事監理を規定しています。

 これらに違反する工事は、当然、できません。(5項)

★建築士の種類(建築士法 第10条の3,同2条)

  「耐震偽装問題」で、建築士法の改正があり、平成21年5月27日以降の建築確認申請から、建築物の設計図書の作成またはその確認は、以下の有資格者が行います。

建築士の種類
 No.  名称  免許 業務・資格など 
 1  構造設計一級建築士  国土交通大臣  構造設計が高度になる大規模な建築物において、自らその資格者として構造設計するか、他の一級建築士が設計した建物の構造設計を確認する。原則として、一級建築士として5年以上構造設計の業務に従事要
 2  設備設計一級建築士  国土交通大臣  一定規模(階数3以上かつ床面積の合計5,000u超)の建築物の設備設計については、設備設計一級建築士が自ら設計を行うか若しくは設備設計一級建築士に設備関係規定への適合性の確認する。一級建築士として5年以上構造設計の業務に従事要)
 3  一級建築士  国土交通大臣  すべての構造、規模、用途の建築物の設計・工事監理を行う
 4  二級建築士  都道府県知事  比較的小規模の建築物の設計・工事監理を行う
 5  木造建築士  道府県知事  2階建て以下、延べ床面積300平方メートル以下の木造建築の設計・工事監理を行う)

 
 


ページ終わり

最終更新日:
2022年 4月30日:「建築」の新築等の図、再作成して入れ替えた。
2022年 4月10日:第8条に都市再生特別措置法からも都市計画の地区があると加筆。
2022年 3月10日:再度、見直した。
2022年 3月 3日:5条関係(建築士)を大幅に加筆した。
図も入れた。
2022年 3月 1日:定義(2条19号〜33号)を参照条文(都市計画法など)も追加した。
2022年 2月23日:第2条17号:建築士に構造設計一級建築士と設備設計一級建築士を追加した。
2021年 4月20日:2条16号〜18号の「余談・・・業種「28種」を「29種に改正した。
建設業法の平成28年6月1日施行。
2021年 2月 6日:施行令を見直した。
2021年 1月31日:見直した。
2019年 8月12日:施行:令和元年6月25日に対応した。
2018年 3月19日:「田園住居地域」を入れた。
2018年 3月17日:平成29年と平成28年の出題年を入れた。
2016年 3月 5日:平成27年の出題年を入れた。
2015年 4月15日:平成27年6月1日施行の法改正と、平成25年の出題年を入れた。
2014年 2月23日:平成25年の出題年を入れた。
2013年 3月24日:平成24年の出題年を入。
2012年 4月 1日:法改正:平成23年12月14日で、第2条23号、25号、28号、30号を改正を入
2012年 3月21日:平成23年の出題年記入。
2011年 5月 8日:改正 5条の2 を追加。
2010年1月24日:H21年の出題年記入
2008年10月26日  

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