平成19年 マンション管理士 試験問題 及び 解説
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ご質問は、 「マンション管理士 香川事務所」へ。
*注: マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)は、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。
また、マンションの管理の適正化に関する指針も、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 1 理事長は、理事の互選により選任されるが、理事の承認を得ずにいつでも辞任することができる。 →○ 適切である。 このあたりは、よく出る。 平成20年 管理業務主任者 試験 「問29」 など。 2 解任された理事長は、次の理事長が選任されるまでの間、引き続きその職務を行う。 →X 適切でない。 この設問も良く出る問題。鍵は「解任された」です。参考:平成15年マンション管理士 試験 問8 、平成20年 管理業務主任者 試験 「問29」。 3 その所有する住戸を他に売却した理事長は、次の理事長が選任されるまでの間、引き続きその職務を行う。 →X 適切でない。 選択肢2でも述べたように、標準管理規約(単棟型)36条4項では、「役員が組合員でなくなった場合には、その役員はその地位を失う。」とあり、理事長も組合員(区分所有者)でなければならない。所有する住戸を他に売却すると組合員としての資格を失う。また、資格の喪失は、標準管理規約(単棟型)36条3項で規定する「任期の満了又は辞任によって退任する役員は、後任の役員が就任するまでの間引き続きその職務を行う。」には該当しないため、次の理事長が選任されるまでの間、引き続きその職務を行うことはできない。 4 その所有する住戸を配偶者に贈与した理事長は、依然として理事長である。 →X 適切でない。 選択肢3もで述べたように、理事長は組合員(区分所有者)でなければならない。所有する住戸を配偶者に贈与した理事長は、区分所有者(組合員)の資格を失うから、理事長の資格も失う。 答え:1 |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 1 署名押印はあるが、委任の相手方も委任の内容も記載のない委任状が提出された場合は、理事長への有効な委任状として取扱うこと。 →X 適切でない。 いわゆる白紙委任状を理事会でどう取り扱うかの問題である。この設問は、問題があると指摘したが、また平成20年 管理業務主任者 試験 「問30」 選択肢2で出ている。平成21年マンション管理士試験 「問25」 。 まず、白紙委任状が有効か無効かの議論がある。これは、民法の「組合」での議長や理事長に対する白紙委任についても同様の議論があったようだ。 ア.白紙委任状は無効であるという考え方 イ.白紙委任状は有効であるという考え方 私は、白紙委任状を理事長への有効な委任状とすることの弊害の方を重視し、適切でないとする。 2 会議の目的が普通決議事項であっても、議案の要領を通知すること。 →○ 適切である。 標準管理規約(単棟型)43条(招集手続) 3 書面による議決権行使をやめて、電磁的方法による議決権の行使に変更すること。 →○ 適切である? 設問がかなり曖昧である。電磁的方法が利用可能な場合とは、標準管理規約(単棟型)50条(書面又は電磁的方法による決議) →○ 適切である? 単純に、標準管理規約(単棟型)46条(議決権) 〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕 (イ)電磁的方法が利用可能な場合 4 電磁的方法による議決権の行使は、電子メールの送信やウェブサイト(ホームページ)への書込みの利用による方法等とすること。 →○ 適切である。 電磁的な方法としては、選択肢3で述べた、標準管理規約(単棟型)50条2項1号の「一 第44条 第4項各号に定める電磁的方法のうち、送信者が使用するもの」で、44条4号の具体的なコメントとして、第44条 関係 答え:1? または 3? (設問が悪い。白紙委任状の扱いは問題が多く、標準管理規約では、明確にしていないのに取り上げたのはよくない。また、【問 25】の関係で1がX。) マンション管理センターの正解:3 マンション管理センターの解答に納得できない方は、マンション管理センターは回答しませんから、監督官庁の国土交通省に、監督官庁としての、出題の不適正を問い合わせしましょう! 宛先;https://www.mlit.go.jp/hotline/hotline9999.html です。 大原やLECにも問い合わせをしたが、設問の悪さは認めている。 参考:平成16年 マンション管理士 問27 *なお、「マンション管理の知識 平成20年版」は、白紙委任状を、当然には無効と扱わず、議長(理事長がなる)に対する委任と通例取り扱う、と逃げている。(ページ237の中上参照) |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 ア 大規模修繕工事の実施 1 高齢者対策のみでなく、盗難防止対策こそ急を要するものであり、玄関等に防犯カメラを設置すべきであるという意見。 →X この総会では取り上げられない。 まず、総会(集会)は管理組合における最高の意思決定機関であり、そのために招集の通知手続きや決議事項が区分所有法第37条でも定められている。 2 この議題が可決されると修繕積立金が少なくなるから、修繕積立金を1割値上げすべきであるという意見。 →X この総会では取り上げられない。 これも、選択肢1で述べた、標準管理規約(単棟型)47条9項で通知した内容(取崩し)とは異なり、値上げという新しい提案であり、議長が取り上げて決議できない。 3 スロープの併設と手すりの設置によりマンションの形状が変わるし多額の修繕積立金を取崩すのであるから、特別多数決議をすべきであるという意見。 →X この総会では取り上げられない? これは、標準管理規約(単棟型)47条関係のコメント「Dこのような規定の下で、各工事に必要な総会の決議に関しては、例えば次のように考えられる。ただし、基本的には各工事の具体的内容に基づく個別の判断によることとなる。 4 この議題が可決されると修繕積立金が少なくなるから、手すりの設置箇所を半分に減らすべきであるという意見。 →○ 取り上げる。 これは、選択肢1で述べた、「あらかじめ通知した事項」内で(ウ)の具体的な修正意見であるため、議長が取り上げてこの総会に諮らなければならない。 答え:4 (これも3の場合、内容によっては、判断が異なるので、設問が悪い。) マンション管理センターの正解:4 |
問29 |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 1 組合員が、標準管理規約第44条の規定に基づき、理事長の解任を目的とする臨時総会の招集を請求したにもかかわらず、理事長が応じないときは、その者が臨時総会を招集して、その総会において理事長の解任の決議を行う方法。 →○ 適切である。 まず、管理者(理事長)の解任については、区分所有法第25条(選任及び解任) 2 理事会が、理事会決議により、理事長の職を解任し、かつ、理事としての資格を失わせ、改めて理事の互選により新たな理事長を選任する方法。 →X 適切でない。 区分所有法では、理事会に関する規定がなく、標準管理規約で定められた機関であることに注意。 3 監事が、臨時総会を招集して、理事長の不正について報告し、その総会において理事長の解任の方法について検討すること。 →○ 適切である。 区分所有法では、管理組合が法人組織でなければ、監事は必須なものではないことに注意のこと。 4 一人の区分所有者が、裁判所に対し、理事長に不正な行為があるとしてその解任を請求する方法。 →○ 適切である。 選択肢1で述べたように、区分所有法第25条2項により、「一人の区分所有者が、裁判所に対し、理事長に不正な行為があるとしてその解任を請求する方法」は適切である。 答え:2 |
問30 |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 1 理事会活動に認められている経費以上の費用が必要な特定事項の調査を行わせるために設置する場合 →○ 総会の決議を必要とする。 標準管理規約からの出題は、規約本文だけでなく、それらに対する「コメント」からの出題が多くなっているので、コメントもあわせて読んでおくこと。 2 区分所有者から提出された専有部分修繕等工事申請書を審査させるために設置する場合 →X 総会の決議は不要。 専有部分の修理は、標準管理規約(単棟型)17条(専有部分の修繕等) 3 規約等に違反している区分所有者等に対する勧告又は指示等を行うための調査をさせるために設置する場合 →X 総会の決議は不要。 規約等に違反している区分所有者等に対する勧告又は指示等を行うことは、標準管理規約(単棟型)67条1項 (理事長の勧告及び指示等) 4 専門委員会の委員として組合員以外の第三者を参加させて設置する場合 →X 総会の決議は不要。 選択肢1で述べた標準管理規約(単棟型)55条のコメントにもあるように、専門的知識を有する区分所有者(組合員)がいればいいが、いない場合には、外部の人を専門委員会の委員とすることは、妥当である。 答え:1 |
問31 |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 1 総会において、楽器の演奏時間等を制限する使用細則を制定すること。 →○ 適切である。 マンションのある居住者が他の居住者に迷惑行為をすると、その行為は、「共同の利益に反する行為」として、標準管理規約(単棟型)66条(義務違反者に対する措置) 2 理事長が、理事会の決議を経て、Bに対し、周囲に迷惑をかけないよう音量、演奏時間等に配慮するよう警告すること。 →○ 適切である。 ここは、同居人Bに対しても、管理組合が対処できるかが問われている。 3 理事長が、理事会の決議を経て、Aに対し、周囲に迷惑をかけないよう防音の措置を講ずるよう勧告すること。 →○ 適切である。 ここは、今度は、問題を直接起していないが、区分所有者Aにも対処できるかが問われている。 4 理事会の決議を経て、監事がBに対し、当該行為の差止めの訴訟を提起すること。 →X 適切でない。 選択肢2で述べた、標準管理規約(単棟型)67条の規定は、理事長の権限であり、理事会の決議を経て「監事」ができる規定ではない。(監事の役職をまとめておくこと。) 答え:4 |
問32 |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 1 組合員から組合員名簿の閲覧を請求された場合、理由を付した書面を求める必要がある。 →○ 適切である。 管理組合の書類等の保管・閲覧については、あちらこちらに規定がある。組合員名簿については、標準管理規約(単棟型)64条(帳票類の作成、保管) 2 組合員の専有部分に対する担保権者から総会議事録の閲覧を書面により請求された場合であっても、これを閲覧させる必要はない。 →X 適切でない。 総会の議事録の保管・閲覧は、標準管理規約(単棟型)49条(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合(議事録の作成、保管等) 3 組合員からの媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者から現に有効な規約の内容を記載した書面の閲覧を請求された場合、理由を付した書面を求める必要がある。 →X 適切でない。 規約をだれが閲覧できるかであるが、規約の保管・閲覧は、標準管理規約(単棟型)72条(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合(規約原本等) 4 組合員の専有部分の賃借人から理事会の議事録の閲覧を書面により請求された場合であっても、これを閲覧させる必要はない。 →X 適切でない。 こんどは、総会の議事録よりも、扱う範囲が狭いと考えられる「理事会の議事録」までを占有者(賃借人)が閲覧できるかである。理事会の議事録の保管・閲覧は、標準管理規約(単棟型)53条2項(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合 答え:1 |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、複合用途型を含め、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 1 規約の対象物件のうち共用部分については、全体共用部分、住宅一部共用部分及び店舗一部共用部分に区分しますが、一部共用部分も含めて全体を管理組合が一元的に管理します。 →○ 適切である。 平成27年 マンション管理士試験 「問33」 標準管理規約(複合用途型)8条(共用部分の範囲) 2 全体共用部分は区分所有者全員の、住宅一部共用部分は住戸部分の区分所有者のみの、店舗一部共用部分は店舗部分の区分所有者のみの共有として、それぞれの共有持分を定めます。 →○ 適切である。 共用部分の共有は、標準管理規約(複合用途型)9条(共有) 3 店舗の前面の敷地については、当該店舗の区分所有者に専用使用権を設定しますが、使用料については、その管理に要する費用に充てるほか、店舗一部修繕積立金として積み立てます。 →X 適切でない。 専用使用権については、標準管理規約(複合用途型)14条(バルコニー等の専用使用権) 4 住宅部分について住戸部分の区分所有者で構成する住宅部会を設け、店舗部分について店舗部分の区分所有者で構成する店舗部会を設けることとします。 →○ 適切である。 標準管理規約(複合用途型)60条(住宅部会及び店舗部会) 答え:3 (ついに、複合用途型からの出題。) |
〔問 34〕甲マンション管理組合の理事会において、会計担当理事が平成18年度(平成18年4月1日〜平成19年3月31日)決算の管理費会計の収支報告書案について行った次の説明のうち、収支報告書又は貸借対照表作成の考え方として適切なものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、資金の範囲は、現金預金、未収金、未払金、前受金及び前払金とする。 1 3月分の管理費の一部に未収金が発生したため、管理費収入が当初の予算を下回っています。 →X 適切でない。 初めてマンションの会計処理の設問を読むと、戸惑うが、キーワードは、「発生主義ということ」 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。これには、注意が必要です。 管理費の未収金があっても、収支報告書での、管理費収入には影響がない。 2 管理費の前受金が前期に比べて増加したことは、当期収支差額の減少要因となっています。 →X 適切でない。 貸借対照表の勘定である前受金(負債勘定)が増加(平成19年度の管理費が平成18年度に入金があったこと)しても、発生主義により、この前受金は、平成19年度の管理費収入となるので収支報告書には影響がない。 3 収支報告書上の当期収支差額がマイナスになった場合は、次期繰越収支差額は前期繰越収支差額より必ず減少します。 →○ 適切である。 どうして、必ず減少するのか? 収支報告書(管理費会計と修繕積立金会計は別々に管理する)の構成の概要は、次のようになっている。(詳細項目は省略してある。)
この構成から分かるように、次期繰越収支差額(C)は、当期収支差額(A)から前期繰越収支差額(B)を±するため、当期収支がマイナスになると、当然に次期繰越収支差額(C)は、前期繰越収支差額より、減少する。 4 5年満期の積立型の損害保険料を一括払いしているが、これは5年後には戻ってくるので、貸借対照表には記載されるが、収支報告書には記載されません。 →X 適切でない。 5年満期の積立型の損害保険料の一括払いは、 ★会計は、曖昧な部分が多くて、検討に時間がかかる。だれか代わりにやって!解答は、http://plaza.rakuten.co.jp/honki4982/ の「コメントを書く」を利用してください。 答え: 3 (しかし、難しい! 3のこれだけの記述だけで、すぐに「当然」と分かる人が何人いるやら。) |
問35 |
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〔問 35〕甲マンション管理組合の平成18年度(平成18年4月1日〜平成19年3月31日)の決算に当たって、次のア及びイの事実が判明したため、適切な会計処理を行った。この処理を行ったことによる、甲マンション管理組合の収支報告書又は貸借対照表に与える影響について、適切でないものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、資金の範囲は、現金預金、未収金、未払金、前受金及び前払金とする。 ア 平成19年3月に実施された修繕工事に係る費用100,000円については、平成19年3月に未払金が計上されているが、当該工事は業者の都合で平成19年4月に実施されたことが判明した。 イ 前会計期問の決算において前払金として処理されてきた修繕工事の代金100,000円については、当該工事が本会計年度の平成18年4月に実施されているが、前払金残高がそのまま残っていることが判明した。 ★発生主義ということ 全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。 *仕訳は以下のようになる。 ア.修正仕訳 平成19年3月(平成18年度)に計上した修繕費の未払金仕訳が、発生主義により、行っていないために、逆の仕訳で、取り消され、訂正される。次期(平成19年度)の4月には、別途新しく、計上される。
イ.前年度(平成17年度)の修繕費が前払処理されていて、今年度(平成18年4月実施で)は修繕費として、計上される。
1 修繕費は増減がない。 →○ 適切である。 仕訳(1)と、仕訳(2)により、修繕費勘定は、±0 となり増減しない。 2 未払金は100,000円減少する。 →○ 適切である? 仕訳(1)により、未払金は -100,000円の減少とする。 3 前払金は100,000円減少する。 →○ 適切である。 仕訳(2)により、前払金は未処理から、処理に変更となり、100,000円減少する。 4 収支報告書の当期収支差額は200,000円増加する。 →X 適切でない ? 増加しない? 収支報告書に影響する収入に変動はなく、支出として影響するのは、修繕費であるが、修繕費は±0で、収支報告書には影響がない。 ★会計は、曖昧な部分が多くて、検討に時間がかかる。だれか代わりにやって!解答は、http://plaza.rakuten.co.jp/honki4982/ の「コメントを書く」を利用してください。(2011年11月28日:追記したが、どうも自分でもすっきりしない。) 答え: 2 または 4 ? (いつも、会計の設問はよくない。専門家でもできない。また、資格校の解説もバラバラで、おかしい。正解は4としながら、一致していない。) マンション管理センターの正解:4 |
〔問 36〕マンションの修繕工事のための一般的な調査・診断に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 1 長期修繕計画による大規模修繕工事の実施予定時期のおよそ1年半前になったので、専門家を選定して調査・診断を依頼することとした。 →○ 適切である? このあたりになると、根拠・理由が不明です。設問は、1年半前と、かなり具体的である。2年前とか、1年前ではいけないのか? 2 建物や設備の現状を把握するため、設計図書や過去の修繕等の履歴の調査、現地の目視調査及び居住者に対するアンケート調査を行うこととした。 →○ これは適切。 妥当な行為です。 3 調査・診断において、詳細な調査が必要な劣化症状があったので、劣化症状に応じたサンプリング試験等を行い、その原因を推定し、修繕の要否を判断することとした。 →○ これは適切。 妥当な行為です。 4 調査・診断により修繕工事が必要となったので、修繕工事の詳細な仕様・工法、修繕工事費の積算価額等について記載した修繕基本計画書を作成することとした。 →X 適切でない? ここまで、詳細に作成するのか? 答え:4? (どこに、解答があるのか、根拠が分かりません。つまり、設問がよくないということです。) マンション管理センターの正解:4 |
〔問 37〕マンションの建物(鉄筋コンクリート造)の劣化の原因と症状に関する次の組合せのうち、適切でないものはどれか。 1 コンクリートのアルカリ骨材反応 ----------- エフロレッセンス →X これは不適切。 この辺りは、平成20年 管理業務主任者 試験 「問26」 や、 平成16年 マンション管理士 試験 「問37」 など。 一方、 エフロレッセンス(efflorescence=開花)とは、白華現象ともよばれ、コンクリート中の可溶性物質やコンクリート周辺に存在する可溶性物質が、水分とともに貫通したひび割れを通ってコンクリート表面に移動し、水分の逸散や空気中の炭酸ガスとの反応によって析出したものある。エフロレッセンスの発生そのものが、コンクリート構造物の耐荷力などの信頼性を大きく低下させるものではないが、エフロレッセンスは水分が移動した結果として現れるため、水密性が求められる構造物ではその性能が低下していることを示していると思われる。 2 コンクリート内部の部分的な膨張圧---------- ポップアウト →○ これは適切。 コンクリート内部の部分的な膨張圧によって、コンクリートの表面の小部分が円錐状のくぼみ上に破壊された状態が、ポップアウトと呼ばれる。原因と症状が結びつく。 3 コンクリートの乾燥収縮 ------------------- ひび割れ →○ これは適切。 コンクリートが乾燥収縮すると、ひび割れが発生する。原因と症状が結びつく。 4 コンクリートの中性化による鉄筋の腐食 ------ 剥落 →○ これは適切。 コンクリートの中性化による鉄筋の腐食により鉄筋が膨張し、浮いていたコンクリートは剥落(はくらく、はがれおちること)する。原因と症状が結びつく。 答え:1 |
問38 |
〔問 38〕マンションの標準的な長期修繕計画に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 1 平成18年9月に閣議決定された住生活基本計画(全国計画)では、計画期間が25年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額を設定している分譲マンション管理組合の割合を、平成27年度において50%に引き上げることを目標としている。 →○ これは適切。 住生活基本計画(全国計画)の適切な維持管理(長寿命化)D25年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額を設定している分譲マンション管理組合の割合 [20%(H15)→50%(H27)]とある。 2 鉄部の塗装工事の修繕周期について、雨掛り部分は4年、非雨掛り部分は6年とした。 →○ これは適切。 鉄部改修と塗装工事の修繕周期は、開放廊下の手すり、バルコニーの手すりなど雨がかかる部分(雨掛り部)は4年、住戸の玄関扉など雨がかららない部分(非雨掛り部)は6年である。 3 修繕工事のために行う調査・診断、修繕設計及び工事監理に係る費用については、管理費を充当することとした。 →X これは不適切。 標準管理規約(単棟型)28条(修繕積立金) 4 長期修繕計画について、前回の見直しから5年経過したが、現在大規模修繕の工事中であるため、この工事が完了する翌年3月に見直しを行うこととした。 →○ これは適切。 原則として、長期修繕計画は5年ごとに見直しをおこなう。しかし、現在大規模修繕の工事中であれば、工事が完了するまでまち、その完了具合により見直す方が適切である。 答え:3 |
〔問 39〕マンションの大規模修繕工事に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 1 工事中の煙や臭いの発生を少なくするため、溶融温度が低いタイプの防水工事用アスファルトを用いた。 →○ これは適切。 建物は経年により必ず劣化し、不都合な箇所が出て来ますから、マンションでは、外壁の修理や防水工事は避けられません。重要な工事です。 2 工事による騒音が、室内において40dB程度になると、不快感を訴える人が多くなる。 →X これは不適切。 音に関しては、個人差があるが、一般に室内において40dB(デシベル)程度では、不快感にならないようだ。普通、生活騒音の音の強さは、掃除機をかける音60〜70デシベル、子供の騒ぐ音50〜66デシベル、電話のベル64〜70デシベル、目覚ましの音64〜75デシベル、音楽70〜86デシベル、人の話し声88〜99デシベルだそうです。 第1 環境基準
(注)1 時間の区分は、昼間を午前6時から午後10時までの間とし、夜間を午後10時から翌日の午前6時までの間とする。 3 新築後12年目に行う外壁塗装工事においては、既存の塗膜の全面除去を行わないことが多い。 →○ これは適切。 外壁塗装工事は、10年〜15年を目安に行うが、最初の塗装工事では、まだ下地が使用可能な場合が多く、既存の塗膜を全部取らなくてもいいようだ。 4 窓のアルミサッシの交換工事において、工期を短縮するためにかぶせ工法を採用した。 →○ これは適切。 ここは、平成20年 マンション管理士 試験 「問39」 選択肢4 、平成21年管理業務主任者試験 「問27」 も参照。 もう一つが「撤去工法」で、文字通り既存サッシを枠ごと外す方法。 答え:2 (だけど、個人差がある、音を設問として出すことは、不適切である。) |
〔問 40〕マンションの建物(鉄筋コンクリート造)の一般的な耐震改修工法とその目的に関する次の組合せのうち、適切でないものはどれか。 1 外付け鉄骨フレームによる柱・梁の補強 --------- 地震力の低減 →X これは不適切。 建物の構造ついては、専門用語の勉強も必要。 耐震は、よく出題される。平成22年 管理業務主任者試験 「問26」 、平成21年 マンション管理士試験 「問41」 など。
2 枠付き鉄骨ブレースによる柱・梁の補強 --------- 構造耐力の向上 →○ 適切である。 ブレースとは、軽量鉄骨構造などにおける対角線状の筋かいのことで、これを補強すると、建築物の構造耐力の向上になる。この工法の利点は、採光、通風を阻害することが少なく、軽量であるため建物への影響も少ない。 3 鋼板巻き立てによる柱の補強 ----------------- 柱のじん性(粘り強さ)の向上 →○ 適切である。 柱に鋼板や炭素繊維のシートを巻くことにより、柱のじん性(粘り強さ)は向上する。この工法の利点は、柱を鋼板で包み込むので、強度がでやすく、安価であること。 4 鉄筋コンクリート造耐震壁の増設 --------------- 構造上のバランスの改善 →○ 適切である。 耐震壁の増設は、建物の構造上バランスが良くなる。これにより、偏心や高さの方向の耐力や剛性の不均衡が改善される。 答え: 1 (だけど、限られた時間内で、地震力の低減まで理解できない? 4も迷う? ) |
〔問 41〕マンションの大規模の修繕の工事を行う場合の石綿対策に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 1 平成18年9月1日以降、石綿及び石綿をその重量の0.1%を超えて含有する建築材料の製造等は禁止されている。 →○ 適切である。 石綿(アスベスト)については、平成18年度の「管理業務主任者試験 問19」でも出題されているので、参考のこと。 2 既存建築物に使用されている石綿の種類は、一般的にクリソタイル、アモサイト、クロシドライトである。 →○ 適切である。 石綿の種類としては、 クロシドライト(青石綿)やアモサイト(茶石綿)は先カンブリア紀の縞状鉄鉱層中に生成、クリソタイル(白石綿)はかんらん石等の起塩基性岩が変性作用をうけ蛇紋岩化、また石灰岩-苦灰岩の蛇紋岩化したものである。 3 大規模の修繕の工事都分において、吹付け石綿が使用されているときは、当該吹付け石綿について、可能な限り除去し、除去が困難な部分は封じ込め又は囲い込みの措置を行わなければならない。 →X 適切でない? 選択肢4の工事部分以外とも絡めた、面倒な出題である。具体的な、法律(建築基準法、石綿障害予防規則、大気汚染防止法など)や、厚生労働省、国土交通省告示など時間をかけて調べたが、該当の項目がない。しかし、吹付け石綿についての工法のまとめとしては、次のものがあった。
そこで、設問での検討だが、「当該吹付け石綿について、可能な限り除去し、除去が困難な部分は封じ込め又は囲い込みの措置を行わなければならない。」とあり、石綿の危険性から工事部分では「可能な限り」が間違いであると思われる。除去が基本だろう。 その後も、適正な法文を探しましたよ。そして、建築基準法施行令137条の4の3(石綿関係) 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第137条の4の3第三号の規定に基づき、建築材料から石綿を飛散させるおそれがないものとして石綿が添加された建築材料を被覆し又は添加された石綿を建築材料に固着する措置について国土交通大臣が定める基準は、建築基準法(昭和25年法律第201号)第28条の2第一号及び第二号に適合しない建築材料であって、人が活動することが想定される空間に露出しているもの(以下「対象建築材料」という。)に対して、次の各号のいずれかに掲げる措置を講じるものとする。 一 次のイからヘに適合する方法により対象建築材料を囲い込む措置 4 大規模の修繕の工事部分以外の部分において、吹付け石綿が使用されているときは、当該吹付け石綿について、除去又は封じ込め若しくは囲い込みの措置を行わなければならない。 →○ 適切である。 選択肢3からも分かるように、石綿の危険性から、工事部分以外でも除去又は封じ込め若しくは囲い込みの措置が基本だろう。 答え:3 (設問が、細かい。石綿の概要は知っていても、ここまで、出題するか! 根拠となっている(多分、告示?)が探せない。) マンション管理センターの正解:3 |
問42 |
〔問 42〕エネルギーの使用の合理化に関する法律に基づく「住宅に係るエネルギーの使用の合埋化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」において、特定建築物の所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。)が配慮する必要がある事項に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 1 外壁、屋根、床、窓及び開口部の清掃、補修等により、これらの断熱性の維持保全をすること。 →○ 適切である。 「エネルギーの使用の合理化に関する法律」は改正され、「住宅に係るエネルギーの使用の合埋化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」も、平成18年に改正されている。 2 受変電設備の制御システムの点検等により、採用した制御システムのエネルギーの利用効率を維持すること。 →X 適切でない。 選択肢1で述べたように、建築設備(以下「空気調和設備等」という。)は、 3 空気調和設備の熱源システムの点検等により、採用した熱源システムのエネルギーの利用効率を維持すること。 →○ 適切である。 選択肢1で述べた、平成18年経済産業省・国土交通省告示第5号によると、 4 昇降機の駆動装置の点検等により、採用した駆動装置のエネルギーの利用効率を維持すること。 →○ 適切である。 選択肢1で述べた、平成18年経済産業省・国土交通省告示第5号によると、 答え:2 (こんな細かなところまで、出題されていいのか? 実に、紛らわしい選択肢だ。根拠を探すのだけでも、時間がムチャクチャかかった。参照:「マンション管理の知識 平成20年版 ページ702) |
〔問 43〕マンションの設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 1 地上デジタルテレビ放送を受信するため、UHF対応のアンテナを新設した。 →○ 適切である。 ここは、平成21年管理業務主任者試験 「問22」 でも出ている。 2 土中に埋設されていたガス管が腐食したため、白ガス管(亜鉛めっき鋼管)に交換して再び埋設した。 →X 不適切である。 ガス管の白ガス管は埋設後20年ほどが経過すると腐食が発生する可能性があるため、埋設部に新設することは禁止されている。 3 地震時のエレベーター内への閉じ込めの防止策の一つとして、初期微動(P波)感知型地震時管制運転装置を設置した。 →○ 適切である。 地震は、初期にかすかな微動があり、その後に大きな揺れがきます。「P波感知器付地震時管制運転装置」は、地震の初期微動(P波=Primary wave(最初の波))を感知することで、地震の本震(S波=Secondary wave(二番目の波))が到達する前に地震時管制運転を開始し、乗りかごを最寄階に退避させる機能です。一般的なS波感知器付地震時管制運転に比べ、より早い退避運転とエレベーター内の閉じ込め防止を行うことができます。 なお、地震とエレベーターの関係は、2005年7月、千葉県北西部を震源とする地震が発生し、首都圏を中心に約64,000台のエレベーターが安全確保のため運転休止し、このうち78台において閉じ込めが発生しました。これらのエレベーターの7割以上は市町村震度4以下の地域に存していたものであり、比較的震度が小さかったにも関わらず、多くの閉じ込めや運転休止を生じたことが、大きな社会問題となりました。こうした中で、国土交通省の諮問機関である社会資本整備審議会建築分科会建築物等事故・災害対策部会において、エレベーターの地震防災対策の推進について議論が行われ、「閉じ込めの発生」「閉じ込めからの救出の遅れ」「運転休止からの復旧の遅れ」「適時適切な情報の不足」などの課題抽出やエレベーターにおける地震防災対策が検討されてきた。 4 省エネルギーのため、外気に開放された共用廊下、階段等の照明器具に、人感センサー及び照度センサーを組み合せた制御装置を取り付けた。 →○ 適切である。 ここは、平成20年 マンション管理士 試験 「問45」 で出た。 答え:2 |
〔問 44〕消防法に基づくマンションの消防用設備等に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 1 消火器で対応する火災の種類には、普通火災、油火災及び電気火災があるが、消火器には、いずれの種類の火災にも有効なものがある。 →○ 適切である。 ここらは、過去にも出題されたものである。(平成17年 マンション管理士試験 「問45」) 2 屋内消火栓設備は、居住者による初期消火に使用されるものであり、2号消火栓は1人でも操作することができる。 →○ 適切である。 屋内消火栓は、居住者による初期消火に使用され、1号消火栓より、2号消火栓は小型で、1人でも操作することができるように作られている。
3 連結送水管は、送水口、配管、放水口等から構成され、消防ポンプ自動車から送水口に送水し、消防隊が放水口に放水用器具を接続して消火活動を行うものである。 →○ 適切である。 記述の通りで、1階に設けた送水口、耐水圧の配管、そして、3階以上の各階に放水口が設けられる。 4 消防用設備等は、消防設備士等の資格者により、6カ月に1回の機器点検及び1年に1回の総合点検を行い、その都度、消防長又は消防署長に報告しなければならない。 →X 適切でない。 ここは、平成20年 マンション管理士 試験 「問36」 でもでた。 答え:4 (参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ752〜) |
〔問 45〕マンションの設備計画に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 1 1住戸(4人家族〉の1日の使用水量を約1m3程度とした。 →○ 適切である。 この設問に近いものは、過去にも、出題されている。平成20年 マンション管理士 試験 「問43」 でも出た。 2 高層マンションにおける排水立て管の通気方式について、排水を管壁に沿って旋回させて排水の流下速度を抑え管の中心に通気を確保する機能を持つ排水用特殊継手を用いた、伸頂通気方式とした。 →○ 適切である。 この方式は伸頂通気方式のうち、特殊継ぎ手方式とよばれ、系統別に複数の排水管を1本の立て管に集約することができ、主に高層マンションや超高層マンションで採用される。この方式は、配管スペースの縮小もできる。 3 中層マンションにおける給水方式について、水道本管から分岐した水を受水槽を用いず増圧給水ポンプにより直接各住戸に給水する、増圧直結給水方式とした。 →○ 適切である。 まず、給水方法には、次の3種類がある。 (1)配水管からの水圧で給水する直圧直結給水方式 選択肢3は、(2)に該当し、正しい。この方式は、受水槽(タンク)や高置水槽(タンク)が不要で設置場所が省ける。また、空気に開放されないので、水質も低下し難い。 平成22年 管理業務主任者試験 「問23」 も参考に。 4 100V用の照明器具やコンセントのほか200V用の暖冷房機器に対応するため、住戸内配線を単相2線方式とした。 →X 適切でない。 単相3線方式は、平成20年 マンション管理士 試験 「問45」 選択肢1 でも出た。平成22年 管理業務主任者試験 「問21」 もあり。200V用の電気器具に対応するには、単相2線方式ではだめです。単相3線方式とします。電柱から各家庭に電気を引き込む方法には「単相2線方式」と「単相3線方式」があります。単相2線方式とは電柱から2本線で引き込む方式で、100V機器しか使えません。単相3線方式は3本線で構成され、100Vと200Vを併用できる方式です。3本の線のうち、1本はアース、残る2本のうち1本は +100V、もう1本は−100Vです。+100Vと−100の電位差は200V、従ってこの結線を使えば200V機器は簡単に使うことができるのです。これは分電盤で確認できます。分電盤に引き込まれている線が3本あれば単相3線方式です。単相3線方式は、IHクッキング・ヒーターやエアコンで採用されています。(参考 単相3線 :平成14年 マンション管理士 試験 「問45」) 答え:4 |
問46 |
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〔問 46〕次の記述は、「マンションの管理の適正化に関する指針」において定められている「マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項」に関するものである。空自となっているA〜Dに下欄のア〜クの語句を選んで文章を完成させた場合において、正しい組合せは、どれか。 *注:問46から問50までは、マンション管理士試験か管理業務主任者試験の合格者には免除される部分 です。また、この問46から問50は、「マンション管理適正化法」と同指針からの出題と決まっていますので、出題は似たような内容となります。過去問題は やっておくと楽です。 管理規約は、マンション管理の{A}であることから、その作成にあたっては、管理組合は、{B}に則り、(中略)、当該マンションの実態及びマンションの区分所有者等の意向を踏まえ、適切なものを作成し、{C}、その改正を行うことが重要である。さらに、{D}を目指し、マンションの区分所有者等間のトラブルを末然に防止するために、使用細則等マンションの実態に即した具体的な住まいのルールを定めておくことが肝要である。
1 Aはア Bはエ Cはク Dはイ *「マンションの管理の適正化に関する指針」からの出題は久し振り。もう、出題の種が切れたと思っていたら、出された。 答え:2 (Aはキ Bはオ Cはウ Dはカ) |
〔問 47〕マンション管理士登録証に関する次の記述のうち、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「マンション管理適正化法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録講習機関」という。)にマンション管理士の講習に関する事務を行わせているものとする。 1 マンション管理士は、その業務を行うに際し、マンションの区分所有者等その他関係者からの請求の有無にかかわらず、マンション管理士登録証を提示しなければならない。 →X 誤。 管理業務主任者の登録と管理業務主任者証、そして、マンション管理士の登録証は、「平成19年 管理業務主任者 試験 問47」と比べておくこと。 2 マンション管理士は、5年ごとに登録講習機関が行う講習を受けて、マンション管理士登録証を更新しなければならない。 →X 誤。 マンション管理士は、マンション管理適正化法第41条(講習) なお、登録の取り消しは、同法第33条(登録の取消し等) 3 マンション管理士は、住所を移転した場合は、遅滞なくマンション管理士登録証を添えて国土交通大臣に届け出て、その訂正を受けなければならない。 →○ 正。 マンション管理適正化法第32条(登録事項の変更の届出等) 4 マンション管理士は、マンション管理士登録証を亡失した場合においては、国土交通大臣にすみやかに再交付の申請をしなければならない。 →X 誤。 マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則29条(登録証再交付の申請等) 答え:3 (少しばかり、とまどう人もいるか?) |
〔問 48〕マンション管理業者の業務に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか。 1 マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務の一部を、他人に委託することができる。 →○ 正。 よく出る問題です。 平成19年管理業務主任者 「問48」。 平成21年管理業務主任者試験 「問49」 選択肢2 でも出ている。 2 マンション管理業者は、あらかじめ国土交通大臣に届け出れば、マンションの区分所有者等に対して、管理業務主任者をしてする重要事項説明を、当該事務所に所属するマンション管理士にさせることができる。 →X 誤。 まず、マンション管理士と管理業務主任者の役割の違いは、理解しておくこと。 3 マンション管理業者は、管理事務の委託を受けたマンションの住戸の数にかかわらず、全ての事務所に専任の管理業務主任者を置かなければならない。 →X 誤。 専任の管理業務主任者については、マンション管理適正化法第56条(管理業務主任者の設置) 4 マンション管理業者は、自社に所属する管理業務主任者が居住するマンションの管理組合から、管理事務の委託を受けてはならない。 →X 誤。 こんな規定はない。現実には、どこかのマンションでは設問の事態があって、マンション管理業者が好き勝手にやって問題になったようだ。 答え:1 |
〔問 49〕マンション管理業者が、管理組合と管理受託契約を締結又は更新しようとする場合の重要事項説明に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか。 1 管理受託契約を締結しようとする場合、区分所有者等全員に対して、管理業務主任者をして重要事項の説明をさせ、重要事項を記載した書面に区分所有者等全員に記名押印させなければならない。 →X 誤。 重要事項の説明は、平成20年 管理業務主任者 試験 「問49」 、 平成19年 管理業務主任者 試験 「問49」 など。 2 従前の管理受託契約に比して更新後の契約期間を伸長しようとする場合の区分所有者等全員に対する重要事項の説明会は、開催日の3日前までに重要事項を記載した書面を交付して行わなければならない。 →X 誤。 ここは、従前の管理受託契約に比して更新後の契約期間を「伸長しようとする場合」がマンション管理適正化法第72条2項の「マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件」に該当するかどうかをも訊いている。 3 重要事項の説明は、管理事務の委託を受けた事務所に所属する管理業務主任者にさせなければならない。 →X 誤。 この設問も、良く出る問題。宅地建物取引主任者でも考え方は同じ。 4 従前の管理受託契約と同一の条件で契約を更新しようとする場合、あらかじめ区分所有者等全員に対し重要事項を記載した書面を交付するとともに、管理業務主任者をして、管理者等に対し重要事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならない。 →○ 正。 選択肢1で述べた、マンション管理適正化法第72条2項及び3項 答え:4 |
問50 |
〔問 50〕Aマンション管理業者が、B管理組合から委託を受けて区分所有者等から徴収した修繕積立金等金銭をA名義の口座に預入し、当該口座から払出した金銭により管理事務を行っている場合に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか。 (注:平成22年5月1日施行で、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則87条は、大幅に改正がなされた。ここは、もうやらない方がいいかも。) 1 この方法は、収納代行方式である。 →○ 正。 まず、管理費や修繕積立金などの管理組合財産を、マンション管理業者が自己の財産と区分せずに一緒に混ぜて管理していたために、マンション管理業者が勝手に運用したり倒産などで問題が発生した。これを受け、業者の財産と委託を受けているマンション管理組合財産との分別管理が、建設省(当時)からマンション管理業者に指導された。それが、マンションの管理の適正化の推進に関する法律第76条と施行規則87条に規定され、@原則方式(2項および4項)、A収納代行方式(3項)、B支払一任方式(5項) と呼ばれる。 2 この方法は、Bに管理者が選任されるまでの比較的短い期間に限られる。 →X 誤。 収納代行方式に限らず、分別管理の方式は、特に管理者が選任されるまでの比較的短い期間に限らない。(選択肢1でのべた、マンション管理適正化法施行規則第87条4項の「ただし書き」との混同を狙っている。) 3 この方法による場合、Aは保証契約を締結しなければならない。 →○ 正。 選択肢1で述べた、マンション管理適正化法施行規則第87条3項「マンション管理業者が保証契約を締結した場合において」により、正しい。 4 この方法による場合、Aは、管理事務に要した費用を控除した残額を、徴収後1月以内にB名義の口座へ移し換えなければならない。 →○ 正。 選択肢1で述べた、マンション管理適正化法施行規則第87条3項「マンション管理業者がマンションの区分所有者等から当該修繕積立金等を徴収してから一月以内に、当該一月以内の期間に管理事務に要した費用を当該修繕積立金等金銭から控除した残額を、管理組合等を名義人とする口座に移し換える」とあり、正しい。 答え:2 |
終わり |
最終更新日:
2012年 5月 9日:正解肢をピンク・太字に統一。平成23年7月の標準管理規約の改正を、「問26」〜「問33」に入。
2011年11月28日:問35を追記。
2011年 2月15日:再チェック
2011年 1月15日:ちょろちょろと。
2010年11月 3日:問50に規則87条の改正を追記。
2010年1月30日:問34補説
2009年3月15日