平成20年 マンション管理士 試験問題 及び 解説
ページ2(問26より問50まで)
謝辞:問題文の作成には、taniyan120さまの協力を得ています。
ご質問は、 「マンション管理士 香川事務所」へ。
*注: マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)は、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。
また、マンションの管理の適正化に関する指針も、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。
※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。
※ マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 該当の条文は、必ず改正された標準管理規約で確認のこと。 〔問 26〕 A~Dに必要とされる集会の決議(ア、イ)とA~Dが特別の影響を及ぼすべきときに必要な区分所有者の承諾(①、②)に関する次の組み合わせのうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。 設問が長い。こんな面倒な問いは、本試験では、次の問題に移り、最後に時間があれば、戻ってくること。 1.A 建物の外壁に新たにエレベーターを外付けして設置する工事とアと① 2.B 計画修繕工事に関して行うエレベーター設備の更新工事とイと② 3..C 不要となったダストボックスを撤去する工事とイと① 4.D 非居住用途の専有部分について、居住用途以外の使用を禁止する規約の変更とアと② 答え:2 (これも、単純な解答を求めているのか、他の状況も検討させるのか、出題が明確でない。) |
問27 |
〔問 27〕 規約又は集会の決議の効力に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。 ○ 正しい。 まず、マンションでの規約の性格を理解してください。規約は、マンション内での区分所有者同士(管理組合員だけ)の取り決めであり、マンション内では効力を持ちますが、法律ではないので外部の人たちまでを規約では拘束することはできません。また、外部の人の権利に関する事柄をマンション内で勝手に変更しても、それも外部に対しては、効力がありません。 2 規約を改正し、管理費等の支払義務について、賃借人も区分所有者と連帯してこれを負担しなければならない旨の定めを置いても、賃借人に対する効力は生じない。 ○ 正しい。 選択肢1でも述べたように、規約は基本的には、区分所有者を拘束しますが、建物の管理・使用については、賃借人(占有者)も守る必要があるため、区分所有法第6条3項 3 駐車場使用料を社会的に相当な範囲で値上げすることについて集会で決議したが、駐車場使用契約書に使用料の額が記載されている場合には、これを使用している区分所有者の承諾がなければ決議の効力は生じない。 X 誤っている。 これは、区分所有法第31条(規約の設定、変更及び廃止) 4 広告塔を撤去し屋上を緑化することについて集会で決議したが、その広告塔設置のため屋上を賃借している第三者がいる場合には、その第三者の承諾がなければ決議の効力は生じない。 ○ 正しい? ここは、設問があいまいだ。 答え:3 (4も候補にあがるが、4は設問のまずさがあるだけと考えると、3) |
問28 |
〔問 28〕 集会の招集の通知に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。 X 誤っている。 区分所有法で定める集会の通知規定は、同法第35条3項 2 201号室の区分所有者が長期の海外勤務となり、集会の通知を受ける場所として海外の居所の届出があったが、入居届けの緊急連絡先として兄の住所が記載されていたので、兄の住所あてに招集通知を出した。 X 誤っている。 海外の住所は、平成16年 マンション管理士 試験 「問7」 選択肢3 にもある。 3 301号室は夫婦の共有名義で、議決権行使者は妻であるとの届出があったが、別居して出て行った夫から、集会の通知を受ける場所として自分の住んでいる乙マンションの通知があったので、乙マンションあてに招集通知を出した。 X 誤っている。 専有部分が共有の場合、区分所有法第40条(議決権行使者の指定) 4 401号室の区分所有者から集会の通知を受ける場所として丙マンションであるとの届出があったが、その後、丙マンションから401号室へ転居するとの届出があり、半年前から401号室に居住しているので、401号室あてに招集通知を出した。 ○ 正しい。 まどろこしい設問だけど、要は最終の届け出のある場所の401号に出したのであれば、選択肢1で引用した区分所有法第35条3項により正しい。 答え:4 (余談ですが、問26から問28での出題文章の未熟さ・曖昧さから今年の出題者が、過去の出題者と明らかに違っているのに気がついた。レベルが過去の出題者より低い!) |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 1 専用使用権者がバルコニーへテレビアンテナを設置する場合について、使用細則で事前に管理組合の承認を必要とする等の制約を加えることができる。 ○ 適切である。 バルコニー(ベランダ)は、区分所有法上では、専有部分か共用部分かの争いがあるが、標準管理規約では、8条(別表第2)により、共用部分とされ、同規約14条により、区分所有者の専用使用権を認めている。そして、コメント14条関係 2 バルコニーの漏水の調査のため、管理組合がバルコニーへの立入りを求めた場合、専用使用権者は正当な理由なくこれを拒否する事ができない。 ○ 適切である。 標準管理規約23条(必要箇所への立入り) 3 バルコニーの手すりの経年劣化に対し補修塗装を要する場合、専用使用権者の責任と負担においてこれを行わなければならない。 X 適切でない。 選択肢1で述べたように、バルコニーは共用部分であり、その手すりも共用部分である。共用部分の経年劣化が原因なら、管理組合の責任と負担で行う。標準管理規約21条 4 バルコニーにごみ等を放置し共同生活の秩序を乱すに至っている場合、理事長は、理事会の決議を経て専用使用権者にその是正を勧告することができる。 ○ 適切である。 標準管理規約67条1項 答え:3 (かなり易しい問題。) |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 1 修繕委員会の運営細則の制定が必要な場合であっても、その設置については、理事会で決議すれば足りる。 X 適切でない。 修繕委員会は、専門委員会であることが前提です。 2 修繕委員会は、理事長に代わって、大規模修繕工事の実施に責任を負い、その名において工事請負契約を締結することができる。 X 適切でない。 こんな規約条項は存在しない。選択肢1で引用した標準管理規約55条2項にあるように、専門委員会である修繕委員会は、「調査又は検討した結果を理事会に具申する」だけである。 3 大規模工事と建替のどちらにするのか比較検討させるため、修繕委員会に外部の専門家の参加を求めることができる。 ○ 適切である。 検討する内容が建築や金融、法律など専門的な知識を必要とし、組合員だけで対応ができない場合には、当然、外部の専門家の参加を求めていい。ここに、マンション管理士が参加できれば、最高ですね。 4 修繕委員会は、調査又は検討した結果を総会に具申しなければならない。 X 適切でない。 よく出題される箇所。選択肢1で引用した標準管理規約55条により、専門委員会は理事会のもとに設置される。そして、その結果報告は、理事会に具申される。総会ではない。(規約55条2項) 答え:3 (標準管理規約のコメントを知らなくても、3 だけなら常識の範囲で解答できる?) |
〔問 33〕 甲管理組合の乙管理会社への委託業務費等の支払に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。 (注)マンション標準委託契約書は、平成22年(2010年)5月1日施行で、改正があったので、注意のこと。ここの解説は、一部変更を追記した。本旨は変わりない。 1 甲は、委託業務費のほか、乙が管理事務を実施するのに伴い必要となる水道光熱費等の諸費用を負担しなければならない。 ○ 正しい。 マンション管理士試験では、標準管理委託契約書からは、平成16年、平成17年と出題があったが、平成18年、平成19年は出題がなかった。平成23年 管理業務主任者試験 「問8」 、平成20年 管理業務主任者試験 「問13」 、平成19年 管理業務主任者試験 「問8」 、平成16年 管理業務主任者試験 「問13」 。 2 乙は、甲から支払われる定額委託業務費について、毎月一定の期日までに精算を行わなければならない。 X 誤りである。 こんな規定はない。 3 甲は、定額委託業務費以外の費用については、その概算額について、毎月一定の期日までに、支払わなければならない。 X 誤りである。 こんな規定はない。 4 甲の各組合員は、委託業務費の支払いについて、連帯して弁済の責任を負わなければならない。 X 誤りである? 連帯して弁済の責任とは、少し設問がくだけていますが、通常の連帯債務であれば、各自が全額の弁済義務を負います。民法第432条 (履行の請求) 答え:1 |
〔問 34〕 理事会において、会計担当理事が平成19年度(平成19年4月1日~平成20年3月31日)決算の管理費会計の収支報告書案について行った次の説明のうち、収支報告書又は貸借対照表に関する説明として適切なものは、次のうちどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、資金の範囲は、現金預金、未収金、未払金、前受金及び前払金とする。 X 適切でない。 会計も毎年、マンション管理士試験・管理業務主任者試験でも各2問程度出題がありますが、会計処理基準があいまいで疑問がある出題があります。この設問と近いのは、平成21年マンション管理士試験 「問34」 毎年説明していますが、会計での「発生主義」は、重要な単語です。 全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。 ★設問について、 ○ 適切である。 当期の保険料は費用(支出の発生)となり、翌期以降の保険料分は、前払金となり、積立部分は、資産となります。
3 3年後に満期返戻のある積立保険料がありますが、正しく決算を行えば、次期繰越収支差額と貸借対照表案の正味財産金額は一致することになります。 X 適切でない? 設問の「正しく決算を行えば」とは、この出題される会計処理の問題が、杜撰で、また適当ってことです。これは、平成16年 マンション管理士 試験 「問34」 選択肢4 からの出題だ。 <参考>平成21年マンション管理士試験 「問34」 4 管理費収入には、滞納管理費の未収分は計上されていませんが、これは未収金として貸借対照表に資産に計上されることになります。 X 適切でない。 管理組合会計での「発生主義」の重要なポイントです。管理費などの未収金があれば、それはすでに発生していますから、貸借対照表では資産に計上されています。ここは、一般の組合員から分からない点として、質問の多い項目ですから、注意してください。 答え:2 (毎年会計の出題は、ひどい内容だ。この程度なら、もう出題は止めたらいいのに。参考になるかな? 「マンション管理の知識 平成20年版 ページ570~」) なお、解説は、http://plaza.rakuten.co.jp/honki4982/ にお願いします。 |
〔問 35〕 甲マンション管理組合の平成19年度(平成19年4月1日~平成20年3月31日)の決算に当たって、未収金の内訳を検証したところ、平成20年3月分の管理費の未収分を未収金計上して管理費収入を計上した中に、平成20年4月分の管理費の未収分が含まれていることが判明した。この場合の修正仕訳として適切なものは、次のうちどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとする。(xxxは、金額を表す。)
平成19年度である平成20年3月に未収金処理をした仕訳けは、通常 (借 方) | (貸 方) 普通預金 XXX | 管理費収入 XXX 未収金 XXX | と考えられる。 この中に、翌期分(平成20年4月分)が入っていたのなら、それを修正で戻せばいい。 (借 方) | (貸 方) 管理費収入 XXX | 未収金 XXX 答え:3 ? (そんな、単純な答えでいいのかな?) (財)マンション管理センターの発表:3) |
〔問 36〕 マンションの維持管理に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 ○ 適切である。 管理組合が行う維持管理に関する業務として、必要である。(参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ760) 2 消防用設備の法定点検は、法令で定める資格者が定期的に点検を実施し、点検の都度、管理者が消防長又は消防署長に報告する事が必要である。 X 適切でない。 ここは、過去にも、平成19年 マンション管理士 試験 「問44」 、や 平成13年 マンション管理士 試験 「問24」 などでお馴染み。 3 計画修繕工事の実施の時期や内容は、長期修繕計画で設定した時期や内容を目安として、専門家に調査・診断を依頼し、その結果に基づいて検討することが必要である。 ○ 適切である。 (参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ798~) 4 計画修繕工事の施工会社の選定に当たって、工事費見積書を提出させる際には、参加資格を定めたうえで、修繕工事の仕様書及び設計図を配布し、現場説明を行うことが望ましい。 ○ 適切である。 (参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ804~) 答え:2 |
〔問 37〕 マンションの打放しコンクリートの外壁のひび割れの調査と補修に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 ○ 適切である。 ひび割れは各種の原因が考えられるため、分布状態や各形状も共に調べることが必要である。その原因により、補修方法も変わってきます。(参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ769) 2 ひび割れは、幅が0.3mm以下であっても、コンクリート内部に雨水等が侵入し、漏水の原因になる場合がある。 ○ 適切である。 ここは、過去、 平成14年 マンション管理士 試験 「問37」 選択肢4 。 ○ 適切である。 ここは、平成16年 マンション管理士 試験 「問39」 選択肢1 でも出ている。また、平成21年マンション管理士試験 「問39」 もあり。 4 ひび割れを樹脂注入工法により補修する場合は、確実に樹脂を注入するため、高圧高速で注入する方法が一般的である。 X 適切でない。 高速高圧で注入したら、ひび割れの箇所に確実に入って行かない。エポキシ樹脂をゴムの圧力で注入し、まんべんなく隙間を埋める、自動低圧注入工法がある。 答え:4 |
〔問 38〕 マンションの長期修繕計画の作成に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 ○ 適切である。 工事を集約すれば、全体の経費は軽減できるが、当然一時金も多くかかる。 2 新築時の長期修繕計画は、20年程度の計画期間において見込まれる修繕工事の内容、おおよその期間、概算の費用、収支計画等に関して定めることが望ましい。 X 適切でない。 ここは、少し古いが、平成15年 管理業務主任者 試験 「問29」 もある。 ○ 適切である。 玄関扉、窓サッシなど住戸の建具は、補修は入っているが普通、取替えまでは、新築時での長期修繕計画では入れていない。マンションの状況に応じて計画に入れればいい。 4 長期修繕計画の見直しは、大規模修繕工事の実施の直前又は直後に行うほか、大規模修繕工事の実施予定時期までの中間の時点に行うことが望ましい。 ○ 適切である。 通常、長期修繕計画の見直しは、5年程度で行うのが望ましいが、実際の工事により、修繕計画を調整し、また内容も精度の高い計画とすることができる。 答え:2 |
〔問 39〕 マンションの環境等に配慮した改修工事に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 X 適切でない。 さらっと読むと、これでいいと思うが、コンクリートを打っただけでは、コンクリートに根が入る。コンクリートの上に防根シートを張って層を造りその上に土と芝生を植えるんだってさ。そこまでやるとは知らなかった。 2 室内の結露と熱損失を軽減するため、外装材と断熱材が一体化した断熱複合パネルを、外壁の外側に密着するように取り付けた。 ○ 適切である? 結露防止に外断熱材の取り付けは有効である。平成16年 マンション管理士 試験 「問42」 選択肢4 。 3 雨水を地中に還元し、下水への排水量を軽減するため、歩道、車路及び駐車場を透水性アスファルト舗装にした。 ○ 適切である。 透水性アスファルト舗装は、大粒径の骨材を使用した空隙のあるアスファルト舗装です。アスファルト舗装の空隙から雨水を浸透させ、舗装体を通して地中に浸透させる機能があります。 4 夏期の日射熱による冷房負荷を軽減するため、窓のサッシをかぶせ工法により取り換え、遮熱断熱複層ガラスをはめ込んだ。 ○ 適切である。 アルミサッシの交換工事の1つが「かぶせ工法」という既存サッシ枠の上に新しいサッシ枠をかぶせる方法。 また、遮熱断熱複層ガラスは、ペアガラスともいい、ガラスとガラスの間に乾燥空気の層を封入した、熱の伝導が少ないガラスで、日射熱も防げる。冷暖房・結露対策として適切である。 答え:1 |
〔問 40〕 マンションの外壁等の断熱に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 X 適切でない。 熱については、平成17年 マンション管理士 試験 「問42」 でも出た。平成21年マンション管理士試験 「問40」 も。また、平成21年管理業務主任者試験 「問28」 も参考にしてください。 2 窓のサッシの二重化は、窓の熱貫流抵抗を大きくし、熱の損失を軽減する効果が大きい。 ○ 適切である。 窓のサッシの二重化については、前問「39」の選択肢4も参照。 3 外壁は、同じ厚さであれば熱貫流率が大きい方が、結露が発生する可能性が大きくなる。 ○ 適切である。 結露発生の原因としては、温度差によることが多い。熱貫流率は、選択肢2で述べたように、熱の通り貫けであるから、熱貫流率が大きいと、室温と外気温との差が大きくなるため、結露の発生の可能性も大きくなる。 4 既存の外壁に、同じ厚さの同じ断熱材を、室外側に取りつけた場合でも室内側に取りつけた場合でも、断熱材と外壁を合わせた熱伝導抵抗は等しい。 ○ 適切である。 熱伝導抵抗とは、選択肢1で述べた「熱伝導率」の逆数に材料の厚さをかけたものです。熱の伝わりにくさを示します。単なる数字上での値ですから、既存の外壁に、同じ厚さの同じ断熱材を、室外側に取りつけた場合でも室内側に取りつけた場合でも、断熱材と外壁を合わせた熱伝導抵抗は等しいことになります。 答え:1 (熱伝導とか、抵抗とか、設問を読んだだけで分かるかな? さらに勉強の好きな人は、マンション管理の知識 平成20年版 ページ701~) |
〔問 41〕 マンションの駐車場に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 ○ 適切である。 これは、平成19年 管理業務主任者 試験 「問25」 で出ているのですぐに分かる。 2 自動二輪車1台当たりの駐車スペースは、直角駐車の場合、幅1.0m×奥行2.3m程度である。 ○ 適切である? 大体こんな程度です。程度で、設問するとは、あまりにも受験生を馬鹿にしていますけど。 3 車いすを使用している者が利用する駐車スペースは、車いすが回転することができるようにするため、普通乗用車1台当たりの幅を3.0m以上とする。 X 適切でない。 これは、選択肢1を知っていると、類推できる。車椅子が、普通自動車の幅、 2.3mにプラス 0.7mではいくらなんでも回転できない。最低 3.5mは必要。(参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ676)。 4 車いすを使用している者が利用する駐車スペースから建物の出入口までの通路は、駐車スペースとの間に段を設けず、幅を1.2m以上とする。 ○ 適切である。 まず、通路の段については、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)施行令18条2項 答え:3 (参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ669~) |
〔問 42] マンションの防犯に配慮した改修計画・設計に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 ○ 適切である。 これに似たのは、平成18年 マンション管理士 試験 「問41」 にある。 2 自転車置場やオートバイ置場は、道路、共用玄関又は居室の窓等からの見通しが確保されたものとすることが望ましい。 ○ 適切である。 国土交通省の「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」によると、 3 エレベーターのかご内の照明設備は、床面においておおむね20ルクス以上の平均水平面照度を確保することが望ましい。 X 適切でない。 国土交通省の「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」によると、 4 ゴミ置場は、他の部分と塀、施錠可能な扉等で区画されたものとするとともに、照明設備を設置したものとすることが望ましい。 ○ 適切である。 国土交通省の「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」(12)その他 によると、 答え:3 (過去問から、選択肢3の20ルクスは変と感じれば、楽だけど、知らないと全部正しくなる。) (参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ672~) |
〔問 43] マンションの給水設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 ○ 適切である。 ここは、平成18年 管理業務主任者 試験 「問22」 選択肢1 のまま。 X 適切でない。 サラット読むとここも、○になる。参照:平成14年 マンション管理士 試験 「問43」。 3 専有部分の一般給水栓において、給水に支障が生じないようにするため、給水圧力を30kPaとした。 ○ 適切である。 まず、kPaはキロ・パスカルと読みます。普通の受験生でこれが読めれば、偉い? 似たような出題は、平成21年マンション管理士試験 「問43」 にもある。 4 給水設備の計画において、居住者1人当たりの1日の使用水量を250ℓとした。 ○ 適切である。 これは、平成19年 マンション管理士 試験 「問45」 などでお馴染み。 答え:2 (選択肢2 で気づけば楽だが、選択肢3の30kPaに惑わされる。) |
〔問 44〕 マンションの設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 X 適切でない。 ここも、一度読んだだけで、適切でないと、分かった人は、建築のプロです。 2 室内外の温度差による自然換気の換気量は、温度差の平方根及び開口部の面積に比例する。 ○ 適切である。 こんなの知りません。勉強です。 3 閉鎖型予作動式スプリンクラーヘッドのスプリンクラー設備は、火災感知器等の作動とスプリンクラーヘッドの作動により放水を開始する。 ○ 適切である。 スプリンクラー設備の出題は、平成19年 管理業務主任者 試験 「問22」 にもある。 4 ガス設備のマイコンメーターは、計量器としての機能のほか、ガスが異常に多量又は長時間流れたり、震度5弱程度以上の大きな地震があると、自動的にガスを遮断し、警報を表示する機能がある。 ○ 適切である。 ここは、平成18年 管理業務主任者 試験 「問23」 選択肢2 のまま。 答え:1 (選択肢1 で気が付かないと、2 を選ぶ。) 設問43の「受水槽」やこの設問44「負圧」の出題は、本当に言葉遊びだ。マンション管理士としての力量を試すのに適切な出し方ではない。 |
〔問 45〕 マンションの電気設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 ○ 適切である。 電気の配線の単相3線式は、平成19 マンション管理士 試験 「問45」、平成14年 マンション管理士 試験「問45」 にもある。
2 共用部分の照明設備の省エネルギーのため、照明器具を高周波点灯方式の蛍光灯に取り替え、人感センサーと照度センサーを取り付けた。 ○ 適切である。 高周波点灯方式は、平成18年 マンション管理士 試験 「問45」 で、 人感センサーは、平成19年 マンション管理士 試験 「問43」 で出た。 3 小規模のマンションで、各住戸の契約電力と共用部分の契約電力の総量が50kW未満の場合には、低圧引込みにより電気が供給される。 ○ 適切である。 ここは、平成18年 マンション管理士 試験 「問44」 にある。 4 インターネットに接続するため、光ファイバーを住棟内へ引き込み、各住戸まで新たにLANケーブルを設置するVDSL方式による住棟内ネットワークを構築した。 X 適切でない。 この設問だけ、過去問からでていない。新しい。 答え:4 (ネットワークを知らなくても、過去問題から解ける。) |
〔問 46〕 次の記述は、「マンションの管理の適正化に関する指針」において定められている「マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項」に関するものである。空欄となっている A ~ D に下欄のア~クの語句を選んで文章を完成させた場合において、正しい組合せは、次のうちどれか。(注:本試験ではA~Dは□(四角)ですが、WEBでは、表現できないため。下線にしています。) 毎年、「問46」から「問50」は、マンション管理士試験か管理業務主任者試験に合格した場合には免除される「マンションの管理の適正化の推進に関する法
律」及び本問の「マンションの管理の適正化に関する指針」から出題される。ここは、ほとんど過去にも、同じ問題がでているので、過去の年の「問46」から
「問50」はやっておくと楽。 管理組合の自立的な運営は、マンションの区分所有者等の全員が参加し、その意見を反映することにより成り立つものである。そのため、管理組合の運営は、情報の開示、 A 等、開かれた民主的なものとする必要がある。また、集会は、管理組合の B である。したがって、管理組合の管理者等は、その意思決定にあたっては、事前に必要な資料を整備し、 C において適切な判断が行われるよう配慮する必要がある。
1 Aはア、Bはウ、Cはカ、Dはキ *指針からの出題は、平成21年管理業務主任者試験 「問46」 にもある。 答え:2 (Aはイ、Bはウ、Cはオ、Dはク) |
〔問 47〕 マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「マンション管理適正化法」という。)の適用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 X 誤っている。 似たような出題は、平成16年 管理業務主任者 試験 「問46」 、 平成15年 マンション管理士 試験 「問47」 にもある。また、平成20年 管理業務主任者 試験 「問47」。 2 管理組合から委託を受けて、基幹事務の一部を行う行為で業として行うものはマンション管理業である。 X 誤っている。 マンション管理業とは、マンション管理適正化法第2条7号 3 実際に人の住居の用に供される専有部分が1戸であるが、他の専有部分は別の区分所有者が事務所として使用している建物は、マンションである。 ○ 正しい。 選択肢1で述べたように、マンション管理適正化法での適用があるマンションの要件としては、①2人以上の区分所有者 がいて、 ②人の居住用の専有部分が1つでもあればいい である。 4 マンションの管理事務のうち基幹事務とは、管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(専有部分を含む。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整である。 X 誤っている。 設問を丁寧に読むこと。 答え:3 |
〔問 48〕 マンション管理士の登録、義務等に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか。 ○ 正しい。 2 国土交通大臣は、マンション管理士が被補助人となった場合、その登録を取り消さなければならない。 X 誤りである。 似たような出題は、平成14年 マンション管理士 試験 「問47」 にもある。 3 マンション管理士試験に合格した者が執行猶予付きの禁固の刑に処せられ、執行猶予が取り消されることなく猶予期間が満了した場合、その満了の日から2年を経過しないと登録を受けることができない。 X 誤りである。 執行猶予期間が満了すれば、その刑(禁固刑)は、なかったことになるので、執行猶予期間が満了していれば、執行猶予期間が満了した日から2年を経過しなくても、登録を受けられる。 4 マンション管理士に合格した者は、その合格後5年以内に、国土交通大臣の登録を受けなければならない。 X 誤りである。 これは、平成15年 マンション管理士 試験 「問48」 でもでた。 答え:1 |
〔問 49〕 マンション登録業者に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか。 ○ 正しい。 平成26年マンション管理士試験 「問49」。 2 マンション管理業者は、登録申請書の内容に変更があったときは、その日から30日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。 ○ 正しい。 登録申請書の内容に変更があったときには、マンション管理適正化法第48条 (登録事項の変更の届出) 3 国土交通大臣は登録申請書又はその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。 ○ 正しい。 この場合には、マンション管理適正化法第47条1項 (登録の拒否) 4 マンション管理業者は破産手続開始の決定があった場合、30日以内に当該業者を代表する役員によりその旨を国土交通大臣に届け出なければならない。 X 誤っている。 廃業や破産の場合には、届け出をするのは、役員ではなく、マンション管理適正化法第50条 (廃業等の届出) 答え:4 |
〔問 50〕 法人であるマンション管理業者の甲事務所では、166の管理組合の管理事務を受託しようと考えている。甲事務所には、未成年である管理業務主任者が2人と自ら主として業務に従事していない役員である管理業務主任者が1人置かれている場合において、マンション管理適正化法の規定によれば、当該管理業務主任者3人のほかにあと最低限何人の専任の管理業務主任者を置かなければならないか。ただし、当該受託管理組合数166のうち、20は居住の用に供する独立部分の数が5以下のものとする。 *何と、読むだけでも面倒な設問。 参考は、平成17年 マンション管理士 試験 「問48」 にもある。 答え:3 (5人。設問の役員が面倒。) |
ここまで、問50 |
最終更新日:
2022年8月23日:「問48」選択肢3にリンク入。
2012年 6月22日:正解肢をピンク・太字で統一。
「問29」、「問30」、「問31」、「問32」に平成23年7月の標準管理規約の改正入。
2011年 2月 8日:法改正など再確認した。
2009年4月10日
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