平成14年 管理業務主任者 試験問題 及び 解説
ページ2(問26より問50まで)
ご質問は、 「マンション管理士 香川事務所」へ。
*注: マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)は、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。
また、マンションの管理の適正化に関する指針も、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。
※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部対応していません。
*全体の注意:区分所有法は、平成14年に改正があった。また、マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。
過去の問題を解くときには、最新の法令にあっているかどうか、注意してください。
第26問 |
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【問26】 コンクリートに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1 コンクリートの組成は一般にセメント、水及び混和材料からなり、製法及び成形が容易で、圧縮強度性状及び耐久性に優れている。 →X 不適切。 コンクリートは、一般に@セメント、A水、B「骨材」、C混和材料からなる。なお通常、骨材が7割程度の容積を占める。本肢は、その骨材がないので最も不適切な肢であり、本問の正解肢となる。 2 一般に普通コンクリートより比重の小さいものを総称して軽量コンクリートといい、断熱効果が大きく、間仕切り壁などに用いられる。 →○ 適切。 軽量コンクリートは、主に内部に気泡がある人工軽量骨材などを使ったコンクリートで、普通コンクリートに比べ、比重が小さく、断熱性に優れる。本肢は軽量コンクリートの定義として正しい。 3 コンクリートやモルタルの性質を改良するための材料を総称して混和材料という。 →○ 適切。 コンクリートやモルタルの性質を改良するための材料を総称して混和材料というので、本肢は混和材料の定義として正しい。なお、混和剤として減水剤、AE剤、混和材としてフライアッシュなどがある。(剤と材の違いに注意。) 4 内部に多量の小気泡を含ませて作った多孔質のコンクリートを気泡コンクリートといい、軽量で断熱性に優れている。 →○ 適切。 内部に多量の小気泡を含ませて作った多孔質のコンクリートを気泡コンクリートという。この気泡コンクリートは、内部に多量の小気泡があるため、軽量で断熱性に優れるが、圧縮強度が小さく、吸水性が大きい。よって、本肢は正しい。気泡コンクリートの代表的なものとしてALCなどがある。 正解:1 |
【問27】 建物の劣化現象に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1 タイルの浮きとは、タイルとモルタルの境界面の接着が不良となりすき間が生じ、部分的に分離した状態をいう。 →○ 適切。 このあたりの出題は多い。 平成20年 管理業務主任者 試験 「問26」 、平成19年 マンション管理士 試験 「問37」 など。 2 コンクリートの中性化とは、コンクリートが、空気中の炭酸ガスなどの作用によって酸性を失って中性に近づくことであり、中性化すると鉄筋類への防錆効果を失う。 →X 不適切。 コンクリートの中性化とは、コンクリートが、空気中の炭酸ガス、水中に存在する炭酸、その他の酸性のガスあるいは塩類の作用によって「アルカリ性」を失い、内部の鉄筋類への防錆効果を失う現象である。「酸性」を失うとする本肢は不適切である。 3 白華(はっか)とは、石材、コンクリート及びレンガ目地(めじ)などの表面に浸出して結晶化した白い物質で、エフロレッセンスとも呼ばれている。 →○ 適切。 白華(エフロレッセンス)とは、硬化したコンクリートの表面に出た白色の物質のことである。セメント中の石灰等が水に溶けて表面に染み出し、空気中の炭酸ガスと化合してできたものが主成分である。よって、本肢は適切である。(注:似たような現象として、チョーキングがある。 4 錆(さび)とは、酸素を含む水や湿気と、それに接する金属との化合により生成されるもので、鉄の場合は赤錆が一般的である。 →○ 適切。 錆とは、酸素を含む水や湿気と、それに接する金属との化合により生成されるもので、鉄の場合は赤錆が一般的である。本肢はこのとおりで適切である。なお、赤錆は侵食するため注意が必要である。 正解:2 |
【問28】 マンションの維持管理及び点検に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1 建築基準法第8条により、建築物の所有者等に維持管理の義務が課せられている建築物には、マンションは含まれない。 →X 誤。 建築基準法第8条「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。
2 消防法で定める消防用設備等の点検の結果報告は、マンションにおいては5年に1回行うものとされている。 →X 誤。 消防法施行規則第31条の6第3項第二号によると、点検の結果の報告は「令別表第一(五)項ロ、(七)項、(八)項、(九)項ロ、(十)項から(十五)項まで、(十六)項ロ、(十七)項及び(十八)項までに掲げる防火対象物 三年に一回 」とあり、 3 浄化槽法(昭和58年法律第43号)によれば、浄化槽管理者は、環境省令で定めるところにより、2年に1回、浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃をしなければならない。 →X 誤。 時々、浄化槽法からも出題がある。平成21年管理業務者試験 「問25」 など。 4 建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号)によれば、もっぱら居住の用に供する建築物の給水施設の維持管理については、同法の適用は受けない。 →○ 正。 「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」第2条「この法律において「特定建築物」とは、興行場、百貨店、店舗、事務所、学校、共同住宅等の用に供される相当程度の規模を有する建築物(建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号 に掲げる建築物をいう。以下同じ。)で、多数の者が使用し、又は利用し、かつ、その維持管理について環境衛生上特に配慮が必要なものとして政令で定めるものをいう。」とあり、 正解:4 (こんな設問も、根拠が細かくて不適切だ。) |
【問29】 マンションの長期修繕計画に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1 昇降機の保守契約をフルメンテナンス契約とした場合でも、長期修繕計画に昇降機の交換費用を見込んでおくことが望ましい。 →○ 適切。 昇降機の保守契約は、よく出題される。 平成13年 管理業務主任者試験 「問22」 、 平成23年 マンション管理士試験 「問45」 選択肢3 でも 出ている。 2 長期修繕計画の見直しに当たっての各部位の工事時期は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)で定める耐用年数表に基づいて計画することが望ましい。 →X 不適切。 減価償却資産の耐用年数はあくまでも目安でしかない。実際にマンションを調査して、各マンションごとに建物の立地や、使用部材、施工方法などを考慮して計画することが必要である。長期修繕計画の見直しに当たっての各部位の工事時期は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)で定める耐用年数表に基づいて計画することが望ましいとする本肢は、不適切である。 3 長期修繕計画の作成の決議は、建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。以下「区分所有法」という。)の規定によれば、規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要である。 →X 不適切。 長期修繕計画の作成にあたっては、建物の区分所有等に関する法律第39条第1項により、規約に別段の定めがない限り、集会の普通決議すなわり、区分所有者及び議決権の各過半数による決議が必要となる。区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要とする本肢は不適切である。
4 長期修繕計画は、計画策定時に予測した工事費の変動が見込まれない限り、計画内容を見直す必要はない。 →X 不適切。 長期修繕計画は、工事費以外にも修繕周期や施工方法などにも変更が生ずるため、定期的に見直すことが必要となる。長期修繕計画は、計画策定時に予測した工事費の変動が見込まれない限り、計画内容を見直す必要はないとする本肢は、不適切である。 正解:1 |
第30問 |
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【問30】 マンションの大規模修繕に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1 大規模修繕工事を実施するに際し、マンションの組合員間の合意形成を容易に行うため、工事仕様、工事価格、工事業者の選定について客観的判断材料となる建物及び設備についての調査及び診断を実施することが望ましい。 →○ 適切。 大規模修繕工事を実施する際、マンション組合員間の合意形成を容易に行うためには、工事仕様、工事価格、工事業者の選定についての客観的な判断材料が必要となる。そのためにも「調査」及び「診断」を実施することが望ましい。よって、本肢は大規模修繕工事におけるマンション組合員間の合意形成の方法として正しく、本肢は適切である。 2 建物のタイル外壁及びモルタル塗り外壁の定期的な仕上診断は、肉眼や双眼鏡の利用により目視で判断する外観目視診断の方法により行い、パールハンマーやテストハンマーにより外壁を打撃し、その打音により判断する打撃診断の方法は通常行わない。 →X 不適切。 建物のタイル外壁などの場合、「外観目視診断」で剥落、ひび割れ、汚れなどを診断し、ハンマーなどを使った「打撃診断」で浮きなどを診断する。通常併用して行う。よって、本肢は最も不適切であり、本問の正解肢となる。 3 大規模修繕の目的は、外壁の剥落防止等安全の確保及び鉄部塗装や防水の更新等機能回復などであるが、バリアフリー対策その他居住性や機能の向上など改良の要素を加味していることがある。 →○ 適切。 大規模修繕の目的は、いわゆる「修繕」の他に、「改良」の要素を加味している。よって、本肢は適切である。 4 建物劣化には、雨水や空気中の炭酸ガス等の化学的要因又は継続使用による減耗などによる物理的劣化、建物の建設後の技術の向上や法的規制の変化により当初設置された機器が陳腐化してしまう機能的劣化及び社会的要求水準や要求内容が変化したことによって生じる社会的劣化がある。 →○ 適切。 建物の劣化には、「物理的劣化」、「機能的劣化」、「社会的劣化」がある。「物理的劣化」とは、雨水や空気中の炭酸ガス等の化学的要因又は継続使用による減耗などによる劣化である。また、「機能的劣化」とは、建物の建設後の技術の向上や法的規制の変化により当初設置された機器が陳腐化してしまう劣化をいう。さらに、社会的劣化とは、社会的要求水準や要求内容が変化したことによって生じる劣化である。以上により、本肢は適切である。 正解:2 |
【問31】 共用部分に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。 1 一団地内の土地又は附属施設たる建物は、規約により団地共用部分とすることができる。 →X 誤。 建物の区分所有者等に関する法律(以下、区分所有法という。)第67条第1項前段は、「一団地内の附属施設たる建物(第1条に規定する建物の部分を含む。)は、前条において準用する第30条第1項の規約により団地共用部分とすることができる。」と定める。しかし、「一団地内の土地」を規約により団地共用部分とする規定はなく、本肢は誤り。(規約敷地=区分所有法5条)の規定は団地には準用されていない。) 2 建物の附属物は共用部分に属し、専有部分に属することはない。 →X 誤。 建物の附属物が、建物の専有部分の内部にあり、かつ、その専有部分の利用のために設置されている場合には、その附属物は専有部分に属する。よって、専有部分に属する附属物も存在するので、本肢は誤り。 3 専有部分以外の建物の部分が、共用部分であるとは限らない。 →X 誤。 区分所有法第2条第4項は、「この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第四条第二項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。」と定める。専有部分以外の建物の部分(廊下や階段等)は、法定共用部分として、当然に共用部分とされる。したがって、専有部分以外の建物の部分は共用部分となり、共用部分であるとは限らないとする本肢は誤り。 4 規約共用部分とは、専有部分とすることができる建物の部分及び附属の建物で、規約により共用部分としたものをいう。 →○ 正。 区分所有法第2条第4項は、「この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第四条第二項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。」と定める。そして、同法第4条2項「第一条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。この場合には、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。」とあり、
正解:4 (団地で準用されていない条文に注意。) 参照:平成20年 マンション管理士 試験 「問11」 |
第32問 |
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【問32】 敷地利用権に関する次の記述のうち、区分所有法及び不動産登記法(明治32年法律第24号)の規定によれば、誤っているものはどれか。 (注:不動産登記法は、平成16年に大幅に改正された。ここは、旧法のままです。しかし、ここの主旨は、変更がない。) 1 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、原則としてその有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権を分離して処分することができない。 →○ 正。 建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法という。)第22条第1項本文は、「敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、規約に別段の定めがあるときを除いて、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することはできない。」と定める。本肢はそのとおりであり、正しい。 2 敷地利用権は敷地権として専有部分の登記簿に表示されるので、登記されない敷地利用権はない。 →X 誤。 不動産登記法での「敷地権登記」は、強制されるものではないため、敷地権登記のない敷地利用権も存在する(不動産登記法第91条第2項第四号参照)。また、不動産登記法第1条によると、敷地利用権が「使用借権」であるときは、そもそも登記することができないため、この場合も登記されない敷地利用権となる。よって、登記されない敷地利用権はないとする本肢は誤り。 3 敷地利用権に対する区分所有者の持分割合については、区分所有法に直接の定めがない。 →○ 正。 区分所有法第2条第6項は、「この法律において「敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう。」と定めるが、敷地利用権に対する区分所有者の持分の割合につき、直接、建物の区分所有等に関する法律に定めはない。よって、本肢は正しい。敷地利用権については、所有する専有部分の持分に応じて敷地利用権を有することになる。 4 敷地利用権の対象となるものには、区分所有建物が所在する土地のほか、その土地と一体として管理又は使用する土地で規約に定めたものがある。 →○ 正。 区分所有法第2条第5項は、「この法律において「建物の敷地」とは、建物が所在する土地及び第5条第1項の規定により建物の敷地とされた土地をいう。」と定める。その第5条第1項は、「区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができる。」と定める。したがって、敷地利用権の対象となるものには、建物が所在する土地と区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用する庭、通路その他の土地について、規約により建物の敷地(規約敷地)とすることができるものがあるとする、本肢は正しい。 正解:2 |
【問33】 管理者に関する次の記述のうち、区分所有法の規定よれば、誤っているものはどれか。 (注:区分所有法のIT化により、電磁的方法が平成14年から追加されていて、条文が変更になっている。) 1 管理者は、規約、集会議事録、集会決議に代わる区分所有者全員の合意書面を保管する義務がある。 →○ 正。 区分所有法第33条第1項本文は、「規約は、管理者が保管しなければならない。」と定める。また、第42条第3項(新->5項)は、「第33条の規定は、議事録に準用する。」と定める。そして、第45条第2項(新->4項)によると、第33条の規定は、区分所有者全員の合意によって集会の決議があったものとみなされる場合のその書面に準用される。以上より、管理者は、「規約」、「集会の議事録」及び「書面決議の書面」を保管する義務がある。よって、本肢は正しい。 2 管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理するので、この代理権に制限を加えることはできない。 →X 誤。 平成27年 管理業務主任者試験 「問1」 3 区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、株式会社を管理者に選任することができる。 →○ 正。 区分所有法第25条第1項は、「区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によつて、管理者を選任し、又は解任することができる。」と定めるが、管理者の資格につきとくに制限がない。よって、区分所有者以外の第三者や株式会社などの法人も、管理者になることができると解される。 4 管理者が、必ず集会における議長になるとは限らない。 →○ 正。 区分所有法第41条は、「集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる。」と定める。よって、規約に別段の定めがある場合と別段の決議をした場合、管理者以外の者を議長にすることもできる。必ず管理者が議長になるとは限らないとする本肢は正しい。 正解:2 |
第34問 |
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【問34】 集会において次の事項を決議する場合、区分所有法の規定によれば、議案の要領の通知を要しないものはどれか。 (注:区分所有法は平成14年に改正があった。ここは旧のまま。特に、第17条の重大変更は要件が変ったので、注意。) 1 マンションの階段室をエレベーター室に改造する工事をすること。 →X 要する。 建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法という。)第35条第5項は、「第1項の通知をする場合において、会議の目的たる事項が第17条第1項、第31条第1項、第61条第5項、第62条第1項又は第68条第1項に規定する決議事項であるときは、その議案の要領をも通知しなければならない。」と定める。マンションの階段室をエレベーター室に改造する工事をすることは、第17条第1項本文にいう、改良を目的とし、かつ、著しく多額の費用を要しないものを除く共用部分の変更(重大変更)にあたる。したがって、集会の招集にあたり、議案の要領の通知が必要となる。(ここは、変更があったので、注意。) 2 議決権を、各区分所有者の所有する住戸数に応じて有するという規約の内容を、各区分所有者の所有する専有部分の床面積の割合に応じて有するという内容に変更すること。 →X 要する。 区分所有法第35条第5項は、「第1項の通知をする場合において、会議の目的たる事項が第17条第1項、第31条第1項、第61条第5項、第62条第1項又は第68条第1項に規定する決議事項であるときは、その議案の要領をも通知しなければならない。」と定める。本肢は、第31条第1項にいう「規約の変更」であるから、集会の招集にあたっては、議案の要領の通知が必要となる。 3 徴収する修繕積立金の額を現在の1.5倍に値上げすること。 →○ 要しない。 区分所有法第35条第5項は、「第1項の通知をする場合において、会議の目的たる事項が第17条第1項、第31条第1項、第61条第5項、第62条第1項又は第68条第1項に規定する決議事項であるときは、その議案の要領をも通知しなければならない。」と定める。徴収する修繕積立金の額を現在の1.5倍に値上げすることを決議をすることは、第35条第5項のいずれにもあたらないので、集会の招集にあたり議案の要領の通知は必要ない。 4 マンションを建て替えること。 →X 要する。 区分所有法第35条第5項は、「第1項の通知をする場合において、会議の目的たる事項が第17条第1項、第31条第1項、第61条第5項、第62条第1項又は第68条第1項に規定する決議事項であるときは、その議案の要領をも通知しなければならない。」と定める。第62条第1項の建替え決議をするにつき、集会の招集にあたり、議案の要領の通知が必要となる。 正解:3 |
第35問 |
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【問35】 あるマンションの管理規約の定めに関する次の記述のうち、区分所有法の規定に違反するものはどれか。 (注:区分所有法は平成14年に改正があった。ここは旧のまま。特に、第17条の重大変更は要件が変ったので、注意。) 1 共用部分の変更は、組合員総数の過半数及び議決権総数の4分の3以上の多数による集会の決議で決する。 →○ 違反しない。 建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法第17条第1項は、「共用部分の変更(改良を目的とし、かつ、著しく多額の費用を要しないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。」と定める。よって、変更が「重大変更」であっても、区分所有法に違反しない。 2 理事は、現に居住する組合員及びその組合員と同居する親族のうちから、監事は、組合員以外の税理士、公認会計士等の有資格者のうちから、集会の決議により選任する。 →○ 違反しない。 区分所有法第49条、第50条において、理事及び監事の資格について、とくに制限を設けていない。したがって、本肢のような資格制限を設けても区分所有法には違反しない。ちなみに、中高層共同住宅標準管理規約(単棟型)第33条第2項においては、役員(理事・監事)の資格について、現に居住する組合員でなければならない旨の制限を加えられている。 3 建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧は、出席組合員の議決権の過半数による集会の決議で決する。 →○ 違反しない。 建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失した場合の滅失した場合は、小規模滅失である。区分所有法第61条第3項並びに第39条第1項により、その共用部分の復旧は、本来、集会の普通決議、すなわち、区分所有者及び議決権の各過半数による集会の決議により決することになろう。しかし、第61条第4項は、この決議条件は、規約で別段の定めをすることができるとするので、本肢の規約の規定は区分所有法に違反しない。 4 規約の設定、変更又は廃止は、組合員総数の過半数及び議決権総数の4分の3以上の多数による集会の決議で決する。 →X 違反する。 区分所有法第31条第1項本文は、「規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。」と定める。そして、この決議条件につき、規約で別段の定めをすることは認められていない。よって、本肢のような「組合員総数の過半数」の規約を定めることは、区分所有法に違反する。本問の正解肢となる。 正解:4 |
【問36】 管理組合法人に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。 (平成20年12月施行の「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」により、区分所有法の法人の規定も改正があったが、この出題は影響がない。) 1 理事は、各自管理組合法人を代表する権限を有するので、理事数人が共同して管理組合法人を代表する旨を規約で定めることはできない。 →X 誤。 建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法という。)第49条第3項(新→4項)は、「理事が数人あるときは、各自管理組合法人を代表する。」と定めるので、本肢前段は正しい。しかし、同条第4項(新→5項)は、「前項の規定は、規約若しくは集会の決議によつて、管理組合法人を代表すべき理事を定め、若しくは数人の理事が共同して管理組合法人を代表すべきことを定め、又は規約の定めに基づき理事の互選によつて管理組合法人を代表すべき理事を定めることを妨げない。」と定めるので、規約又は集会の決議によって、数人の理事が共同して管理組合法人を代表する旨を定めることもできる。よって、本肢は誤りで、本問の正解肢となる。 2 理事の任期は原則として2年であるが、規約で3年と定めることもできる。 →○ 正。 区分所有法第49条第5項(新→6項)は、「理事の任期は、2年とする。ただし、規約で3年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とする。」と定める。理事の任期は原則として2年であるが、規約で3年と定めることもでき、よって、本肢は正しい。 3 管理組合が法人格を取得する前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、管理組合法人につき効力を生ずる。 →○ 正。 区分所有法第47条第5項は、「管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、管理組合法人につき効力を生ずる。」と定める。よって、本肢は正しい。(参照:平成20年 マンション管理士 試験 「問8」 でも出た。) 4 管理組合法人には、必ず理事及び監事を置かなければならない。 →○ 正。 区分所有法第49条第1項は、「管理組合法人には、理事を置かなければならない。」とし、同第50条第1項は、「管理組合法人には、監事を置かなければならない。」と定める。よって、本肢は正しい。 正解:1 |
第37問 |
【問37】 義務違反者に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。 1 義務違反者である区分所有者に対し、他の区分所有者の全員が訴えをもって義務違反行為の停止を請求する場合、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の集会の決議を要する。 →X 誤。 義務違反行為の停止を請求場合には、建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法という。)第57条第2項によれば、行為の停止等の請求するにつき訴えを提起する場合は、集会の普通決議(区分所有者及び議決権の各過半数による集会の決議、同法第39条第1項)による。義務違反者である区分所有者に対し、他の区分所有者の全員が訴えをもって義務違反行為の停止を請求する場合、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の集会の決議を要するとする本肢は誤り。 2 義務違反者である区分所有者に対し、他の区分所有者の全員が訴えをもって当該区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求する場合、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の集会の決議を要する。 →○ 正。 区分所有権と敷地利用権の競売を請求する場合には、区分所有法第59条第2項によると、区分所有権の競売請求について訴えを提起するためには、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の特別決議が必要となる。よって、本肢は正しく、本問の正解肢となる。 3 義務違反者である区分所有者に対し、他の区分所有者の全員が訴えをもって義務違反行為の停止を請求する場合、義務違反者である当該区分所有者に対し、集会において弁明の機会を与えなければならない。 →X 誤。 区分所有法第57条に、行為の停止等の請求については、義務違反者に弁明の機会を与えるべきとの規定はない。(同法第58条第3項、第59条第2項、第60条第2項参照:これには弁明が必要) 4 義務違反者である区分所有者に対し、他の区分所有者の全員が区分所有者に対する義務違反行為の停止を請求する場合、これを議案とする集会において、義務違反者である当該区分所有者は、議決権を行使することができない。 →X 誤。 義務違反者である区分所有者に対し、他の区分所有者の全員が区分所有者に対する義務違反行為の停止を請求する場合、これを議案とする集会において議決権を行使することができる。義務違反者といえども、区分所有者でもあるからである。 正解:2 |
【問38】 管理組合の成立に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。 1 一戸建住宅で構成する団地には、団地管理組合が成立することはない。 →X 誤。 団地での管理組合の成立は、建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法という。)第65条によると、(1)一団地内に数棟の建物(区分所有建物だけでなく、戸建住宅を含む)があること、及び(2)団地内の建物の所有者が、団地内の土地又は附属施設を共有する場合に、団地管理組合が成立することになる。従って、一戸建住宅で構成する団地にも団地管理組合は成立するので、本肢は誤り。 2 区分所有建物数棟で構成する団地には、団地管理組合が成立することはあるが、棟ごとの管理組合が成立することはない。 →X 誤。 団地管理組合が成立したとしても、各棟ごとの管理組合と団地管理組合は併存すると解されている。従って、団地管理組合が成立したとしても、各棟ごとの管理組合も存続するので、区分所有建物数棟で構成する団地には、棟ごとの管理組合が成立することはないとの本肢は誤りである。 3 一棟の区分所有建物で下層階と上層階の用途が分かれている場合、棟の管理組合が成立し、加えて下層階の管理組合と上層階の管理組合が成立することがある。 →○ 正。 区分所有法第3条後段によると、構造上一部の区分所有者のみの共用に供せられるべきことが明らかな共用部分(一部共用部分)をそれらの区分所有者が管理するときは、当該区分所有者全員で一部共用部分の管理組合を構成することができるとされる。区分所有建物で下層階と上層階の用途が分かれている、いわゆる複合用途型の区分所有建物においては、各層ごとに一部共用部分を管理する管理組合が成立しうる。よって、本肢は正しく、本問の正解肢となる。 4 一戸建住宅と区分所有建物で構成する団地には、団地管理組合が成立することはない。 →X 誤。 選択肢1でも述べたように、建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法という。)第65条によると、(1)一団地内に数棟の建物(区分所有建物だけでなく、戸建住宅を含む)があること、及び(2)団地内の建物の所有者が、団地内の土地又は附属施設を共有する場合に、団地管理組合が成立することになる。従って、一戸建住宅と区分所有建物で構成する団地にも、団地管理組合は成立するので、本肢は誤り。 正解:3 |
第39問 |
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*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注:標準管理規約は大幅に改正されている。また、平成23年7月には小幅に改正があった。ここは、旧のままです。主旨は変っていない。) 1 区分所有者は、占有者を自己の代理人として総会に出席させることができる。 →○ 反しない。 中高層共同住宅標準管理規約(以下、標準管理規約という。)(単棟型)第44条第5項は、「組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合において、その代理人は、その組合員と同居する者、他の組合員若しくはその組合員と同居する者又はその組合員の住戸を借り受けた者でなければならない。」と定める。よって、区分所有者は、占有者を自己の代理人として総会に出席させることができるので、本肢は、標準管理規約に反しない。 2 区分所有者は、占有者をして貸借に係る契約書の写しを管理組合に提出させる義務を負う。 →X 反する。 標準管理規約(単棟型)第19条第2項は、「前項の場合において、区分所有者は、その貸与に係る契約にこの規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の条項を定めるとともに、契約の相手方にこの規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の誓約書を管理組合に提出させなければならない。」と定める。区分所有者が自ら契約書の写しを管理組合に提出することで、提出は占有者からではないため、本問記述は、標準管理規約に反する。 3 占有者は、マンションの使用方法について、区分所有者が規約に基づいて負う義務と同一の義務を負う。 →○ 反しない。 標準管理規約(単棟型)第5条第2項は、「占有者は、対象物件の使用方法につき、区分所有者がこの規約に基づいて負う義務と同一の義務を負う。」と定める。本肢記述は、このとおりであり、標準管理規約には反しない。 4 占有者は、管理組合の役員になることはできない。 →○ 反しない。 標準管理規約(単棟型)第33条第2項は、「理事及び監事は、○○マンションに現に居住する組合員のうちから、総会で選任する。」と定める。したがって、組合員(区分所有者)でない占有者は、管理組合の役員になることはできない。よって、本肢は、標準管理規約に反しない。(注:ここは、平成23年の改正で、「理事及び監事は、○○マンションに現に居住する組合員のうちから、総会で選任する。」が、「理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。」に変わったので注意のこと。) 正解:2 |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注:標準管理規約は平成16年に大幅に改正されている。また、平成23年7月には小幅に改正があった。ここは、旧のままです。) 1 理事長は、所定の掲示場所に、総会議事録のほか会計帳簿についても、その保管場所を掲示しなければならない。 →X 不適切。 平成26年マンション管理士試験 「問32」 。 2 理事長は、組合員又は利害関係人から理由を付した書面による請求があったときは、総会議事録及び総会決議に代わる組合員全員の合意書面の写しを交付しなければならない。 →X 不適切。 標準管理規約(単棟型)第48条第3項は、「理事長は、議事録及び前条の書面を保管し、組合員又は利害関係人の書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。」と定める。しかし、当該書面の「写しの交付義務」までは負わせていない。よって、本肢は不適切である。 3 理事長は、組合員又は利害関係人から理由を付した書面による請求があったときは、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を閲覧させなければならない。 →○ 適切。 標準管理規約(単棟型)第61条前段は、「理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。」と定める。本肢は、このとおりであり適切である。 4 理事長は、理事会の議事録について、その保管場所を掲示しなければならない。 →X 不適切。 標準管理規約(単棟型)第48条第4項は、「理事長は、所定の掲示場所に、議事録及び前条の書面の保管場所を掲示しなければならない。」と定める。また、同第51条第2項は、「議事録については、第48条(第4項を除く。)の規定を準用する。」と定める。しかし、「理事会の議事録」については、このような規定は、特に存在しない。よって、本肢は不適切である。 正解:3 (選択肢4で悩む? 少し難問か。) |
【問41】 マンションの規約改正に関する次の記述のうち、区分所有法及び判例によれば、最も不適切なものはどれか。 1 専有部分の用途につき何ら定めがない場合において、その用途を住居専用とする旨を定めるときは、専有部分を事務所として使用している区分所有者の承諾が必要である。 →○ 適切。必要である。 どのような場合が、建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法という。)第31条第1項で定める「特別の影響」に該当するかである。区分所有法第31条第1項は、「規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。」と定める。本肢の規約改正は、専有部分を事務所として使用している区分所有者の権利に特別の影響を与える。そのため、その区分所有者の承諾が必要となる。本肢は適切である。 2 ペットの飼育につき何ら定めがない場合において、ペットの飼育を制限する旨を定めるときは、既にペットを飼育している区分所有者の承諾は不要である。 →○ 適切。不要である。 区分所有法第31条第1項後段は、「この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。」と定める。東京高判平6・8・4は、ペットの飼育につき何ら定めがない場合において、ペットの飼育を制限する旨を定めるときは、既にペットを飼育している区分所有者の権利に特別の影響を与えるものではなく、その区分所有者の承諾は不要であるとする。よって、本肢は適切である。 3 ピアノ演奏につき何ら定めがない場合において、夜間のピアノ演奏を制限する旨を定めるときは、ピアノ演奏を行う区分所有者の承諾は不要である。 →○ 適切。不要である。 区分所有法第31条第1項後段は、「この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。」と定める。しかし、夜間のピアノ演奏は、区分所有者の共同の利益に反する行為(第6条第1項)であるため、これを制限する旨の規約の改正にあたり、ピアノ演奏を行う区分所有者の承諾は不要と解される。よって、本肢は適切である。ここは、平成22年 管理業務主任者試験 「問35」 でも出ている。 4 バルコニーは通常の用法に従って使用しなければならないと定められている場合において、サンルームヘの改造を禁止する旨を明定するときは、既にサンルームを設置している区分所有者の承諾が必要である。 →X 不適切。不要である。 区分所有法第31条第1項後段は、「この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。」と定める。しかし、サンルームの設置行為は、区分所有者の共同の利益に反する行為(第6条第1項)であるため、サンルームへの改造を禁止する旨の規約改正にあり、サンルームを設置している区分所有者の承諾は不要と解される。本肢は不適切であり、本問の正解肢となる。 正解:4 |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注:標準管理規約は平成16年に大幅に改正されている。また、平成23年7月には小幅に改正があった。ここは、旧のままです。) 1 共用部分につき損害保険契約をすることは、規約に別段の定めがない限り、集会の決議で決する。 →○ 適切。 建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法という。)第18条第1項は、「共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。」と定める。そして、同条第4項は、「共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。」と定める。共用部分について損害保険契約をすることは、共用部分の「管理」に関する事項とみなされ、集会の普通決議で決するので、本肢は適切である。 2 共用部分に係る損害保険料は、規約に別段の定めがない限り、区分所有者の専有部分の床面積の割合により負担する。 →○ 適切。 区分所有法第19条は、「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。」と定める。また、各区分所有者の共用部分の持分の割合も、規約に別段の定めがない限り、その有する専有部分の床面積の割合によるとされているので(第14条第1項)、共用部分に係る損害保険料も、この割合に従うことになる。よって、本肢は適切である。 3 理事長は、共用部分に係る損害保険契約に基づく保険金の請求及び受領を行う。 →○ 適切。 中高層共同住宅標準管理規約(以下、標準管理規約という。)(単棟型)第23条は、第1項において、「区分所有者は、共用部分等に関し、管理組合が火災保険その他の損害保険の契約を締結することを承認する。」と定め、同条第2項は、「理事長は、前項の契約に基づく保険金額の請求及び受領を行う。」と定める。本肢は、このとおりであり、適切である。 4 共用部分に係る損害保険料は、管理費又は特別修繕費のいずれからも充当することができる。 →X 不適切。 標準管理規約(単棟型)第26条は、「管理費は、次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。」としたうえで、その第五号において、「共用部分等に係る火災保険料その他の損害保険料」を挙げる。そして、標準管理規約第27条第2項によると、修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。よって、共用部分に係る損害保険料は、管理費から充当することとされ、特別修繕費から充当することはできない。共用部分に係る損害保険料は、管理費又は特別修繕費のいずれからも充当することができるとする本肢は、不適切であり、本問の正解肢となる。 正解:4 |
第43問 |
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【問43】 マンションの賃貸借の契約に当たって、当該賃貸借を媒介する宅地建物取引業者(宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第2条第3号に規定するものをいう。以下同じ。)が、賃借人になろうとする者に対し、宅地建物取引業法第35条の規定により当該契約が成立するまでの間に説明しなければならない事項は、次のうちどれか。 1 専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めがあるときは、その内容 →○ 説明すべき事項である。 なお、設問は、賃貸借契約であることに注意すること。 2 通常の管理費用の額 →X 説明すべき事項でない。 宅建業法施行規則第16条の2第四号によると、通常の管理費用の額は、マンションの取引であっても、「貸借」の場合には、説明不要となる。 3 専用使用権に関する規約の定めがあるときは、その内容 →X 説明すべき事項でない。 宅建業法施行規則第16条の2第一号によると、専用使用権に関する規約の定めがあるときは、その内容は、マンションの取引であっても、「貸借」の場合には、説明不要となる。 4 敷地に関する権利の種類及び内容 →X 説明すべき事項でない。 宅建業法施行規則第16条の2第一項によると、敷地に関する権利の種類及び内容は、マンションの取引であっても、「貸借」の場合には、説明不要となる。 正解:1 |
【問44】 Aが売主として自己の所有するマンションについて、Bと売買契約を締結した場合における瑕疵担保責任に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、AとBは、ともに宅地建物取引業者ではないものとする。 1 マンションの瑕疵が、売買契約締結の前にAが依頼したハウスクリーニング業者の過失によって生じたものであるときは、Aは瑕疵担保責任を負わない。 →X 誤。 瑕疵担保責任は、よく出題される。民法・宅地建物取引業法、また下の住宅の品質確保の促進等に関する法律、さらにアフターサービスともからめてまとめておくこと。平成20年 管理業務主任者 試験 「問41」 、平成18年 管理業務主任者 試験 「問41」 、平成17年 管理業務主任者 試験 「問41」 平成13年 マンション管理士 試験 「問16」 など。 2 「Aは、瑕疵担保責任を負わない」との特約をAB間でしても、Aが知りながら告げなかった瑕疵については、その責任を免れることはできない。 →○ 正。 民法第572条「売主は、第五百六十条から前条までの規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。 」によると、Aが瑕疵担保責任を負わないとする旨の特約があったとしても、Aが知りながら告げなかった瑕疵については、Aは、その責任を負わなければならない。本肢は正しく、本問の正解肢である。 3 Bは、マンションの引渡しを受けた時から2年を経過した場合、Aに対して瑕疵担保責任を追及することができなくなる。 →X 誤。 民法第570条並びに同第566条第3項によると、当事者間に別段の定めがない場合、買主は、瑕疵を発見したときから1年以内に限り売主に対して瑕疵担保責任を追及しうる。マンションの引渡しを受けた時から2年を経過した場合であっても、Bが瑕疵を知ってから1年以内であれば、Aに対して瑕疵担保責任を追及できることになるので、本肢は誤り。 4 AB間の売買契約が、宅地建物取引業者の媒介により成立したものであるときは、瑕疵担保責任について民法に規定するものよりBに不利となる特約をしても、その特約は無効である。 →X 誤。 宅地建物取引業法第40条は、「宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法第570条 において準用する同法第566条第3項に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から2年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。」と定めている。しかし、ABはともに宅地建物取引業者ではないため、宅地建物取引業法による制限を受けることはない。従って、民法に規定するものよりBに不利となる特約をしても、その特約は有効である。 正解:2 (参考:瑕疵担保責任のまとめ) |
第45問 |
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【問45】 新築の分譲マンションの売買契約における瑕疵担保責任に関する次の記述のうち、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号。以下本問において「品確法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。 (注:「品確法」も改正があった。条文変更した。) 1 品確法が適用される売買契約については、宅地建物取引業法第40条(瑕疵担保責任についての特約の制限)の規定の適用はない。 →X 誤。 住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、品確法という。)第88条(新->第95条)における民法の瑕疵担保責任の特例の規定は、宅地建物取引業法第40条における民法の瑕疵担保責任の特例の規定を排除するものではない。よって、品確法が適用される売買契約については、宅地建物取引業法第40条の規定の適用はないとする本肢は誤り。本問の正解肢となる。 2 新築の分譲マンションでも、売買契約締結時において建設工事が完了した日から1年を経過したものは、品確法上の新築住宅に該当しない。 →○ 正。 品確法第2条第2項は、「この法律において「新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く。)をいう。」と定める。新築の分譲マンションでも、売買契約締結時において建設工事が完了した日から1年を経過したものは、品確法上の新築住宅に該当しないとの本肢は正しい。 3 売主が、品確法上の特例によって、買主に引渡した時から10年間、瑕疵担保責任を負うべき部位は、住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定められたものである。 →○ 正。 品確法第88条(新->第95条)第1項前段は、「新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、民法第570条において準用する同法第566条第1項並びに同法第634条第1項及び第2項前段に規定する担保の責任を負う。」と定める。そして、新第94条で、住宅の構造耐力上主要な部分等は、住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるもの、とある。 4 買主が新築の分譲マンションの引渡しを受けたのち、当該マンションを第三者に転売した場合、元の売主はその第三者に対して直接に瑕疵担保責任を負うものではない。 →○ 正。 品確法第88条(新->第95条)第1項前段は、「新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、民法第570条において準用する同法第566条第1項並びに同法第634条第1項及び第2項前段に規定する担保の責任を負う。」と定める。このように、売主が瑕疵担保責任を負うのは、買主に対してであり、第三者に対して負うのではない。 正解:1(参考:瑕疵担保責任のまとめ) |
第46問 |
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【問46】 マンション管理士(マンション管理適正化法第2条第5号に規定するものをいう。以下同じ。)が、国土交通大臣により、期間を定めてマンション管理士の名称の使用の停止を命ぜられることがある場合は、マンション管理適正化法の規定によれば、次のうちどれか。 *注:問46から問50までは、マンション管理士試験か管理業務主任者試験の合格者には免除される部分 です。また、この問46から問50は、「マンション管理適正化法」と同指針からの出題と決まっていますので、出題は似たような内容となります。過去問題は やっておくと楽です。 1 禁錮以上の刑に処せられた場合 →X ない。 マンション管理士の登録の取消と名称の使用停止は、マンションの管理の適正化の推進等に関する法律(以下、適正化法という。)第33条は、 2 偽りの手段により管理業務主任者証の交付を受け、管理業務主任者の登録を取り消された場合 →X ない。 偽りの手段により、管理業務主任者証の交付を受け、管理業務主任者の登録を取消された場合は、適正化法第33条第1項五号での 3 不正の手段によりマンション管理士の登録を受けた場合 →X ない。 選択肢1で引用した適正化法第33条第1項2号に該当し、登録の取消である。 4 マンション管理士の信用を傷つけるような行為をした場合 →○ ある。 選択肢肢1でも述べたように、適正化法第33条第2項は、「国土交通大臣は、マンション管理士が第40条、第41条第1項又は第42条の規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めてマンション管理士の名称の使用の停止を命ずることができる。」と定めている。同法第40条は、「マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。」と定める。したがって、本肢のマンション管理士の信用を傷つけるような行為をした場合、国土交通大臣は期間を定めてマンション管理士の名称の使用の停止を命ずることができることになり、本問の正解肢となる。 正解:4 |
【問47】 管理事務(マンション管理適正化法第2条第6号に規定するものをいう。以下同じ。)の委託に関する次の記述のうち、マンション管理適正化指針(平成13年国土交通省告示第1288号)によれば、次のア〜工のうち、不適切なものはいくつあるか。 ア 管理組合は、管理事務の全部又は一部を第三者に委託しようとする場合は、その委託内容の検討をマンション管理士等の専門的知識を有する者に委ね、書面をもって管理委託契約を締結することが重要である。 →X 不適切。 マンションの管理の適正化に関する指針四は、「管理組合は、管理事務の全部又は一部を第三者に委託しようとする場合は、その委託内容を十分に検討し、書面をもって管理委託契約を締結することが重要である。」と定めている。「委託内容の検討をマンション管理士等の専門的知識を有する者に委ねる」旨は、とくに定めていないので、アは不適切である。 イ 管理組合の管理者等は、管理委託契約先を選定する場合には、事前に必要な資料を収集し、マンションの区分所有者等にその情報を公開するとともに、マンション管理業者(マンション管理適正化法第2条第8号に規定するものをいう。以下同じ。)の行う説明会を活用するなど、適正な選択がなされるように努める必要がある。 →○ 適切。マンションの管理の適正化に関する指針四は、「管理委託契約先を選定する場合には、管理組合の管理者等は、事前に必要な資料を収集し、マンションの区分所有者等にその情報を公開するとともに、マンション管理業者の行う説明会を活用し、適正な選定がなされるように努める必要がある。」と定めているので、イは適切である ウ 管理組合の管理者等は、管理委託契約先が選定されたときは、当該契約内容を周知するとともに、マンション管理業者の行う管理事務の報告等を活用し、管理事務の適正化が図られるよう努める必要がある。 →○ 適切。 マンションの管理の適正化に関する指針四は、「管理委託契約先が選定されたときは、管理組合の管理者等は、当該契約内容を周知するとともに、マンション管理業者の行う管理事務の報告等を活用し、管理事務の適正化が図られるよう努める必要がある。」と定めているので、ウは適切である。 エ 管理組合は、マンション管理業者の業務に関して問題が生じた場合には、当該マンション管理業者にその解決を求めるとともに、必要に応じ、マンション管理業者の所属する団体にその解決を求める等の措置を講じることが必要である。 →○ 適切。 マンションの管理の適正化に関する指針四は、「万一、マンション管理業者の業務に関して問題が生じた場合には、管理組合は、当該マンション管理業者にその解決を求めるとともに、必要に応じ、マンション管理業者の所属する団体にその解決を求める等の措置を講じることが必要である。」と定めているので、エは適切である 1 一つ 正解:1 (アのみ 不適切) |
【問48】 マンション管理業者が行う業務に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、正しいものはどれか。 1 マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結したときは、当該管理組合に当該管理業者以外の管理者等が置かれている場合にあっては、当該管理者等及び区分所有者等全員に対し、遅滞なく、一定の事項を記載した書面を交付しなければならない。 →X 誤。 マンションの管理の適正化に関する法律(以下、適正化法という。)第73条第1項は、「マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結したときは、当該管理組合の管理者等(当該マンション管理業者が当該管理組合の管理者等である場合又は当該管理組合に管理者等が置かれていない場合にあっては、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員)に対し、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。」と定める。よって、マンション管理業者は、管理受託契約を締結したときは、当該管理組合にマンション管理業者以外の管理者等が置かれている場合にあっては、「管理者等」に対し、遅滞なく一定の事項を記載した書面を交付しなければならない。しかし、管理者等に交付でよく、「区分所有者等全員」に対して、当該書面を交付する必要はない。よって、本肢は誤り。 2 マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、これを一括して他人に委託してはならないが、管理組合の意向があれば委託することができる。 →X 誤。 適正化法第74条は、「マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、これを一括して他人に委託してはならない。」と定める。たとえ管理組合の同意がある場合であっても、基幹事務(管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(専有部分を除く。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整をいう。)は、これを一括して他人に委託してはならない。よって、本肢は誤り。 3 マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、当該管理組合の事業年度終了後、遅滞なく、管理業務主任者をして記名押印させた管理事務報告書を作成させ、これを管理者等に交付しなければならない。 →X 誤。 適正化法第77条第1項は、「マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。」と定める。しかし、マンション管理業者が作成する管理事務報告書については、管理業務主任者をして記名押印をさせることは、要求されていない。よって、本肢は誤り。 4 マンション管理業者は、当該マンション管理業者の業務及び財産の状況を記載した書類をその事務所ごとに備え置き、その備え置かれた日から起算して3年を経過する日までの間、当該事務所の営業時間中、その業務に係る関係者の求めに応じ、これを閲覧させなければならない。 →○ 正。 平成23年 管理業務主任者試験 「問49」 でも出た。 正解:4 |
第49問 |
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【問49】 マンション管理業者甲は、管理組合乙と平成13年度(平成13年4月1日から平成14年3月31日まで)の管理受託契約を締結しているが、契約期限の到来に際し平成14年度の新たな管理受託契約を締結しようとする場合に関する次の行為のうち、マンション管理適正化法第72条(重要事項の説明等)の規定に違反しないものはどれか。ただし、乙の平成14年度の会計年度は平成14年4月1日から平成15年3月31日までであり、乙の当該会計年度最初の通常総会は平成14年5月25日に予定されていた。 1 甲は、平成14年度の新たな管理受託契約の締結について、マンションの区分所有者等の参集の便を考慮して、平成14年5月25日の通常総会の時期にあわせて、当該通常総会時に当該契約の締結についての重要事項の説明を行った。 →X 違反する。 マンションの管理の適正化に関する法律(以下、適正化法という。)第72条第1項によると、マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結しようとするときは、あらかじめ、説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等に対し、管理業務主任者をして、管理受託契約の内容及びその履行に関する重要事項について説明をさせなければならない。重要事項の説明は、あらかじめ行わなければならず、契約締結後の平成14年5月25日に行うことは、同法に違反する。 2 甲は、平成14年度の新たな管理受託契約の締結をするため、乙の管理者に対しては書面の交付によらず直接口頭により、乙を構成するマンションの区分所有者等に対しては口頭での説明によらず書面の交付によって重要事項の説明を行った。 →X 違反する。 適正化法第72条第1項後段は、この場合において、マンション管理業者は、当該説明会の日の1週間前までに、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等の全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなければならないと定める。重要事項の説明は、必ず区分所有者等及び管理者等に対して書面を交付して行わなければならず、管理者等に対して口頭のみの説明は認められない。よって、本肢は、同法に違反する。 3 甲は、乙の臨時総会が平成14年3月1日に行われたので、乙を構成するマンションの区分所有者等の参集の便を考慮して、当該臨時総会開催の当日に、平成14年度の新たな管理受託契約の締結についての重要事項の説明会を開催した。 →○ 違反しない。 適正化法第72条第1項によると、マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結しようとするときは、あらかじめ、説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等に対し、管理業務主任者をして、管理受託契約の内容及びその履行に関する重要事項について説明をさせなければならない。本肢においては、この重要事項の説明が、平成14年3月末の契約終了に対し「あらかじめ」行われているので、本肢は、同法に違反しない。本問の正解肢となる。 4 甲は、平成14年度の新たな管理受託契約が、平成13年度の管理受託契約と「同一の条件」のものであったため、乙を構成するマンションの区分所有者等全員に対しては、平成14年5月25日に予定されていた通常総会の1週間前の平成14年5月18日に、平成14年度の新たな管理受託契約の締結についての重要事項を記載した書面を交付した。 →X 違反する。 適正化法第72条第2項によると、マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならない。 同一の条件でも重要事項の交付は契約の更新前に必要である。よって、重要事項の交付を契約締結後の平成14年5月18日に行うことは、同法に違反する。(2014年 7月22日:訂正) 正解:3 |
第50問 |
【問50】 管理組合の財産の分別管理に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法に違反しないものはどれか。なお、本問においては、マンション管理業者A、B、C及びD並びにBの専任の管理業務主任者は管理者等ではないものとする。 (注:平成22年5月1日施行で、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第87条は、大幅に改正がなされた。ここは、改正前のまま。もう、やらない方がいい。) 1 マンション管理業者Aは、人の居住の用に供する独立部分が5以下であるマンションの管理組合Eから委託を受けて行う管理事務を行っているので、保証契約の締結なしに支払一任代行方式により管理組合の財産の管理を行っている。 →X 違反する。 マンションの管理の適正化に関する法律(以下、適正化法という。)第76条および同法施行規則第87条第5条によると、マンション管理業者が保証契約を締結した場合において、支払一任代行方式により管理するときは、修繕積立金等を名義人とする修繕積立金を徴収してから1ヶ月以内に、修繕積立金を管理するための別の口座に移し換えるときに限り、この規定は適用されないとする。本肢において管理業者Aは、保証契約を締結していないので、支払一任代行方式により管理組・6)の財産の管理を行うことはできない。よって、本肢は適正化法に違反する。 2 マンション管理業者Bは、収納代行方式により管理組合Fの財産の管理を行っていたが、保証契約の締結を解除し、その代わりにそれまでFを構成するマンションの区分所有者等から徴収した修繕積立金等金銭を預入していた口座について、B名義からBの専任の管理業務主任者名義に切り替えた。 →X 違反する。 適正化法第76条および同法施行規則第87条第3項によると、管理業者は、収納代行方式によるときは、保証契約を締結しなければならない。そうでない場合は、同条第2項により、受託契約を締結した管理組合または管理者等を名義人とする口座において預貯金を管理しなければならない。したがって、管理業者Bは、保証契約の締結を解除したときは、収納代行方式により管理組合の財産の管理を行うことができず、口座名義をB名義から管理組・7)名義に切り替えなければならず、Bの専任の管理業務主任者名義に切り替えることはできない。よって、本肢は適正化法に違反する。 3 マンション管理業者Cは、管理組合Gの財産の一部である有価証券の預り証を、Gからの要請により、Gの管理者を名義人とする修繕積立金等金銭を管理するための預貯金口座と同じ金融機関のC名義の金庫において厳重に保管することとした。 →X 違反する。 適正化法第76条及び同法施行規則第87条第6項によると、管理業者は、受託管理証券を管理するに際し、その預り証を保管してはならない。(ただし、管理組合に管理者が置かれていない場合に管理者が選任されるまでの短期間である場合を除く。)よって、本肢において管理業者Cは、たとえ管理組合Gからの要請があったとしても、Gの有価証券の預り証をC名義において保管することはできない。 4 マンシヨン管理業者Dは、管理組合Hに管理者等が置かれていないことから、一時的にHを名義人とする修繕積立金等金銭を管理するための預貯金通帳と当該預貯金通帳に係るHの印鑑を同時保管し、管理者が選任された後速やかに、Hの印鑑を選任された管理者に返還した。 →○ 違反しない。 適正化法第76条及び同法施行規則第87条第4項によると、管理業者は、原則として、修繕積立金等金銭を管理するに際し、管理組合またはその管理者等を名義人とする預貯金とする預貯金通帳と印鑑を同時に保管してはならない。ただし、管理組合に管理者が置かれていない場合で、管理者が選任されるまでの比較的短い間、例外的に同時に管理してもよい。本肢において管理業者Dは、管理組合Hに管理者等が置かれていないことから、一時的にHを名義人とする修繕積立金等金銭を管理するための預貯金通帳と当該預貯金通帳に係るHの印鑑を同時保管しており、かつ管理者が選任された後速やかに、Hの印鑑を選任された管理者に返還しているので、適正化法に違反しない。 正解:4 |
終わり |
最終更新日:
2018年 8月20日:リンク先「higuchi」へ
2014年 7月22日:「問49 選択肢4」の解説の日付 平成14年5月25日を、平成14年5月18日に訂正した。
2012年 4月10日:正解の太字・ピンク色で統一。平成23年7月の標準管理規約の改正入れた。
2011年 4月29日:再確認済。
2011年 2月11日:「問50」に財産の分別管理の改正文入。
2008年10月4日