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平成24年 マンション管理士 試験問題 及び 解説

ページ2(問26より問50まで)

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「マンション管理士 香川事務所」より 謝辞:当問題の作成にあたっては、舘野様、高木様、武崎様、および佐々木様のご協力を戴いております。
 皆様の助力を感謝いたします。 

ご質問は、 「マンション管理士 香川事務所」へ。


*注: マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)は、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。

 また、マンションの管理の適正化に関する指針も、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。


※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。

*試験に臨んで、お節介なアドバイス
  1.設問にあわせて、問題用紙に ○(まる)、X(ばつ)をつける。
    殆どの設問が、「正しい」か「間違い」かを訊いてきますので、設問により、問題の頭に、○かXをつけます。
    そして、各選択肢を読み、○かXをつけます。
    問題の○なりXと、選択肢の○かXが一致したものを、マークシートに記入してください。

  2.疑問な問題は、とりあえず飛ばす。
    回答の時間は限られています。
    そこで、回答として、○かXかはっきりしないものがでたら、「?」マークをつけて、次の問題に移ります。
    全部の回答が終わってから、再度戻って決定してください。

  3.複雑な問は、図を描く。
    甲、乙、A、B、Cなど対象が多い問題もでます。
    この場合、問題用紙の空いているところに、図を描いてください。
    重要な点が分かってきます。

(出題者からの注意)
 1. 答は、各問題とも1つだけです。
    2つ以上の解答をしたもの、判読が困難なものは、正解としません。
 2. 問題中法令に関する部分は、平成24年4月1日現在施行中の規定に基づいて出題されています。

解説者からのコメント:あやふやな出題、適切でない出題もあって、解答ができないのもあります。

※  マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
   マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。

問26

〔問 26〕甲マンションの301号室は、区分所有者Aが賃借人Bに賃貸し、Bから転借入Cに転貸されている。この場合におけるCの共同利益背反行為に対する管理者の区分所有法第60条の規定に基づく契約の解除及び301号室の引渡しを請求する訴訟に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。

1 訴えを提起する集会の決議の前に弁明の機会を付与しなければならないがその弁明の機会は、Aに対して与えなければならない。

X 誤っている。 問題を起こしているCだけでいい。
  平成22年 管理業務主任者試験 「問30」 、 平成21年 マンション管理士試験 「問10」  など。
  今まで出題は素直に、賃貸だけであったが、これに又貸し(転貸)を加えて高度な判断か混乱を狙った? 転貸借は、平成24年 マンション管理士試験 「問15」 も参考に。

 まず、マンションでは、問題を起こしている区分所有者をそのマンションから、追い出せる規定(区分所有法第59条など参照)がありますが、室(専有部分)が賃貸に出されている時には、その室の占有者が問題を起こしていると、これまた、追い出せる規定があります。それが、区分所有法第60条
 「(占有者に対する引渡し請求)
  第六十条  第五十七条第四項に規定する場合において、第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、区分所有者の全員又は管理組合法人は、
集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る占有者が占有する専有部分の使用又は収益を目的とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することができる
    2  第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、第五十八条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する。
    3  第一項の規定による判決に基づき専有部分の引渡しを受けた者は、遅滞なく、その専有部分を占有する権原を有する者にこれを引き渡さなければならない。 」です。
 引用されています、第57条
 「(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
  第五十七条  区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。
    2  前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない。
    3  管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。
    4  
前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。」
 また、第6条
 「(区分所有者の権利義務等)
  第六条  区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
    2  区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。
    3  
第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する。」
 で、
 これらにより、
占有者も区分所有者と同じように、「共同の利益に反する行為」をしてはいけません。もし、占有者が著しい共同の利益に反する行為をした時には、最終手段として、そのマンションからの追い出し(室の引渡し)となる訳ですが、今まで住んでいたマンションからの強制退去は、いくらなんでも、厳しいものですから、該当の占有者の言い分を聞こうというのが、第60条2項で引用されています、第58条3項です。
 「(使用禁止の請求)
  第五十八条
    3  
第一項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない。 」
 とあります。

 この場合、設問に戻り、条文の通りに、区分所有者Aに、弁明の機会を与える必要があるかという疑問ですが、最高裁:昭和62年7月17日 の判決では、「あらかじめ当該占有者に対して弁明の機会を与えれば足り、当該専有部分の区分所有者に対して弁明の機会を与えることを要しない。」としていますから、誤りです。現実に問題を起こしているのは、転借人であるCですから、妥当な判決です。なお、設問の転貸借では、弁明の機会を与えるのは占有者である、転借人Cとなります。



2 契約の解除の請求は、A・B間の賃貸借契約及びB・C間の転貸借契約を対象として契約解除の訴えを提起すべきである。

X 誤っている。 B・C間の契約でいい。
  転貸借となると、区分所有者A(賃貸人)と賃借人B間の賃貸借契約と、転貸人Bと転借人C間の転貸借契約が存在しますが、いま問題を起こしているのは、転借人Cですから、転借人Cを排除すればいいわけです。そこで、契約の解除が必要なのは、転貸人Bと転借人C間の転貸借契約だけとなります。区分所有者A(賃貸人)と賃借人B間の賃貸借契約は対象になりませんから、誤りです。


3 勝訴判決の結果、301号室の引渡しを受けた管理者は、遅滞なく、301号室をBに引き渡さなければならない。

○ 正しい。
  設問の場合、専有部分の引渡しを求めて勝訴判決を得ますと、転借人の占有者Cから、訴訟当事者として管理者が該当の室(専有部分)の引渡しを受けます。すると、選択肢1で引用しました、区分所有法第60条3項
 「3  第一項の規定による判決に基づき専有部分の引渡しを受けた者は、遅滞なく、
その専有部分を占有する権原を有する者にこれを引き渡さなければならない。 」
 により、
 転貸借でのその専有部分を占有する権原を有する者は、転貸人Bとなりますから、正しい。転貸借での場合、引渡しを受けるのは区分所有者ではありませんから注意してください。
 


4 勝訴判決が確定した後、Cが共同利益背反行為を中止した場合は、Cは、301号室を引き渡す必要はない。

X 誤っている ここは、平成24年 マンション管理士試験 「問9」 の選択肢1 の区分所有法第59条との違いを検討するといい。
  裁判中に、共同利益背反行為を中止すれば、判決文も変わる可能性がありますが、判決が確定した後で、共同利益背反行為を中止しても、判決はそのまま執行されますから、転借人Cは室を引き渡すことになります。Cは再び問題を起こす可能性もありますから、そのマンションから排除していいでしょう。


答え:3  ( 注:選択肢1の判例や 「問17」 の 相続の熟慮期間 の判例にみられるように、法律は、その条文だけで動くのではありません。 条文をいかに現実の世界で有効に活用できるかが、専門家であるマンション管理士の役目です。)

問27

*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。
    該当の条文は、必ず改正された標準管理規約で確認のこと。

〔問 27〕地震により、足場の固定が不完全であった専有部分内の貯湯式電気温水器(この問いにおいて「温水器」という。)が転倒し、給水管(枝管)との接合部分の破断により漏水事故が発生した。この場合における管理組合の対応と費用の負担を検討する理事会での各理事の次の発言のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。

1 今後の地震対策として、管理組合で全住戸の温水器の設置状況を調査し、足場の固定が不完全な温水器は、管理組合の負担で足場アンカーボルトで固定する必要があります。

X 適切でない。 専有部分の費用は、各組合員(区分所有者)の負担で。
  
平成21年 管理業務主任者試験 「問29」 。
  地震で貯湯式電気温水器に事故があれば、管理組合として、全住戸の温水器の設置状況を調査するのは妥当ですが、足場を固定する費用を管理組合で負担するかどうかは、それが、管理組合の管理部分にあるのかどうかで判断します。すると、標準管理規約21条
 「(敷地及び共用部分等の管理)
  第21条 敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、 通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負 担においてこれを行わなければならない。
    2
専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を 共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行 うことができる。」
 とあり、
 2項の「共用部分と構造上一体となった部分の管理」は配管や配線を想定しているだけですから、足場アンカーボルトの固定費は、管理組合の負担ではなく、各組合員の負担とした方がいいので、適切ではありません。
  参考:共用部分の範囲:標準管理規約の別表第2



2 転倒した温水器と給水管との破断した接合部分の取替えに要する費用について、修繕積立金から支弁して欲しいとの要望があります。理事会の決議を経ればこれには応じることができます。

X 適切でない。 専有部分と共用部分の争いはあるが、修繕積立金からの支弁は、理事会の決議ではできない。
  平成23年 管理業務主任者試験 「問33」 、 平成20年 管理業務主任者試験 「問37」  など。
  曖昧な設問。転倒した温水器と給水管との破断した接合部分が共用部分かどうかは争いのある個所ですが、ポイントは、修繕積立金からの支出が、理事会の決議でできるかどうかです。
 理事会で決議できるのは、標準管理規約54条
 「(議決事項)
  第54条 理事会は、この規約に別に定めるもののほか、次の各号に掲げる事項を決議する。
       一 収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案
       二 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する案
       三 長期修繕計画の作成又は変更に関する案
       四 その他の総会提出議案
       五 第17条に定める承認又は不承認
       六 第58条第3項に定める承認又は不承認
       七 第60条第3項に定める未納の管理費等及び使用料の請求に関する訴訟その他法的措置の追行
       八 第67条に定める勧告又は指示等
       九 総会から付託された事項」
 とあり、
 修繕積立金からの支出は理事会の決議では、できません。修繕積立金から支弁して欲しいは、総会の決議事項ですから、適切ではありません。
 参考:標準管理規約48条
 「(議決事項)
  第48条 次の各号に掲げる事項については、
総会の決議を経なければなら ない
       一 収支決算及び事業報告
       二 収支予算及び事業計画
       三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
       四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
       五 長期修繕計画の作成又は変更
       六 第28条第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
       七 第28条第2項に定める建物の建替えに係る計画又は設計等の経費のための
修繕積立金の取崩し
       八 修繕積立金の保管及び運用方法
       九 第21条第2項に定める管理の実施
       十 区分所有法第57条第2項及び前条第3項第三号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任
       十一 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
       十二 区分所有法第62条第1項の場合の建替え
       十三 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
       十四 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
       十五 その他管理組合の業務に関する重要事項」



3 漏水事故については、温水器の足場の固定が不完全であったことは管理組合の管理に瑕疵があったことになりますので、漏水の被害者への損害賠償金を管理費で負担しなくてはなりません。

X 適切でない。 専有部分の事故は、組合員(区分所有者)が負担する。
  選択肢1で引用しました標準管理規約21条
 「(敷地及び共用部分等の管理)
  第21条 敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、 通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負 担においてこれを行わなければならない。
    2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を 共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行 うことができる。」
 とあり、
 共用部分等の管理は、管理組合が責任を持ちますが、設問では、原因が「
足場の固定が不完全であった専有部分内」とありますから、専有部分内での管理となり、この場合には、管理組合の瑕疵ではありませんから、漏水の被害者への損害賠償金を管理費で負担するには該当しませんから、適切ではありません。


4 給・排水管については、管理組合で本管のみではなく枝管も含めて点検し、必要に応じて、取替えを行う予定です。温水器に接続している部分の給水管を取り替えた場合、その費用は各組合員に負担してもらいます。

○ 適切である? かなり設問が曖昧。
 選択肢1で引用しました標準管理規約21条、
   「(敷地及び共用部分等の管理)
  第21条
敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、 通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負 担においてこれを行わなければならない。
    2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を 共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行 うことができる。」
 とあり、
 2項により、
 給水管の本管と枝管は、専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分となり、管理組合が取替えを行うことは、妥当です。そこで、費用負担ですが、設問の「温水器に接続している部分の給水管(枝管)を取り替えた場合」が具体的に、どこの部分かこれだけで、分かりますか? この配管では、共用部分と専有部分の区分を巡って、過去から裁判でも争いが多発している個所です。多分、出題者は、標準管理規約21条のコメント⑤
 「⑤ 配管の清掃等に要する費用については、第27条第三号の「共用設備の保守維持費」として管理費を充当することが可能であるが、
配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。」
 の後半の「配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである」を何とか、正解にしたいようですから、一応、適切です。



答え:4 (平成24年のマンション管理士試験の出題者は、レベルが低くなったようです。ここだけでなく、他の設問でも文章の曖昧さが、目立ちます。)
マンション管理士センターの答え:4

問28

*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。
    該当の条文は、必ず改正された標準管理規約で確認のこと。

〔問 28〕規約で小鳥・鑑賞用魚類以外の動物の飼育を禁止しているマンションにおいて、区分所有者Aから専有部分を賃借しているBが、室内で体長約65cmの雑種犬2匹を飼育し、敷地内で犬を散歩させて通行人に吠えかかって恐怖感を与えたり、抜け毛や悪臭を発生させたりする等居住者に多大の迷惑をかけている。この場合において、管理組合としてとり得る措置に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。

1 理事長は理事会の決議を経れば、規約に違反しているとして、Bに対し、犬の飼育を止めるよう勧告することも、犬の飼育の差止めを裁判所に請求することもできる。

X 適切でない! 平成23年 マンション管理士試験 「問32」 選択肢2 平成23年 マンション管理士試験 「問28」 、 平成22年 管理業務主任者試験 「問36」 選択肢2 、 平成21年 管理業務主任者試験 「問34」 、参考: 平成21 マンション管理士試験 「問26」 。 
  この設問、マンションおける「規約違反者に対する行為の中止」を裁判所に求める(差止め請求)ことが、
理事会の決議だけでできるのか、それとも、集会(総会)の決議が必要かは、非常に問題のある出題だと、過去から私が指摘してきたものです。
 まず、設問のような規約違反者に対する標準管理規約は、67条にあります。
  標準管理規約67条
 「(理事長の勧告及び指示等)
  第67条 区分所有者若しくはその同居人又は専有部分の貸与を受けた者若 しくはその同居人(以下「区分所有者等」という。)が、法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。
    2 区分所有者は、その同居人又はその所有する専有部分の貸与を受けた者若しくはその同居人が前項の行為を行った場合には、その是正等のため必要な措置を講じなければならない。
    3
区分所有者等がこの規約若しくは使用細則等に違反したとき、又は区分 所有者等若しくは区分所有者等以外の第三者が敷地及び共用部分等において不法行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経て、次の措置を講ずることができる
      一 行為の差止め、排除又は原状回復のための必要な措置の請求に関し、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行すること
      二 敷地及び共用部分等について生じた損害賠償金又は不当利得による返還金の請求又は受領に関し、区分所有者のために、訴訟において原告又は被告となること、その他法的措置をとること
    4 前項の訴えを提起する場合、理事長は、請求の相手方に対し、違約金としての弁護士費用及び差止め等の諸費用を請求することができる。
    5 前項に基づき請求した弁護士費用及び差止め等の諸費用に相当する収納 金は、第27条に定める費用に充当する。
    6 理事長は、第3項の規定に基づき、区分所有者のために、原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならな い。この場合には、第43条第2項及び第3項の規定を準用する。」
 とあり、
 3項が該当しています。
 この標準管理規約67条3項によりますと、「区分所有者等がこの規約若しくは使用細則等に違反したときは、理事長は、理事会の決議を経て、行為の差止め、排除又は原状回復のための必要な措置の請求に関し、 管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行すること」となり、集会の決議を経ないで、理事会の決議だけで、訴訟ができます。
 この標準管理規約67条は、区分所有法第26条4項
 「(権限)
  第二十六条
      4  管理者は、規約又は集会の決議により、
その職務(第二項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。 」
 を受けて、設けた規定のようです。
 しかし、区分所有法第57条は、
 「(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
  第五十七条  
区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。
   2  
前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない
   3  管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。
   4  前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。」、
 とあり、
 2項では、区分所有法第6条に規定されている「建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為」を訴訟にするには、必ず、集会の決議が必要で、理事会だけの決議ではできないとしています。
 そこで、「規約違反」という設問と、どこまでが管理者(理事長)の職務に該当するかが曖昧なのです。標準管理規約の創案者の頭には、一応、「規約事項」と「区分所有法第57条から第60条」は別だという考え方はあったようですが、
規約には、区分所有法第6条で規定される「共同の利益」に反する内容も規定されているために、単純に上で引用しています、標準管理規約67条3項を適用して、理事会の決議だけでいいとはいえないのです。標準管理規約67条3項の表現は、区分所有法第57条に抵触しているため、内容を明確にした変更が必要です。
 そこで、該当の個所は、私も、標準管理規約を定めた国土交通省にメールをだし、標準管理規約67条をもっと明確に整備するよう要請したのですが、回答はなく、国土交通省でのマンション標準管理規約の改正概要案(平成22年12月24日)においても、「第66条に定める義務違反者に対する措置と第67条第3項第1号に定める措置の違いについて、各管理組合において混乱が生じている事例も見受けられることから、整理を行った上で記載する。」と発表し、混乱の認識はあるものの、放置しています。
 また、区分所有法第57条に該当するとなると、標準管理規約48条10号では、総会の決議事項としてある点も参考にしてください。
 「(議決事項)
  第48条 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
     一 収支決算及び事業報告 二 収支予算及び事業計画
     三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
     四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
     五 長期修繕計画の作成又は変更
     六 第28条第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
     七 第28条第2項に定める建物の建替えに係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩し
     八 修繕積立金の保管及び運用方法
     九 第21条第2項に定める管理の実施
     十 
区分所有法第57条第2項及び前条第3項第三号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任
     十一 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
     十二 区分所有法第62条第1項の場合の建替え
     十三 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
     十四 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
     十五 その他管理組合の業務に関する重要事項」
 なお、賃借人であるBも、占有者として、規約で決められたことや、集会の決議は、区分所有法第46条
 「(規約及び集会の決議の効力)
  第四十六条  規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生ずる。
     2  
占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。」
 とあり、
 2項により、区分所有者と同様に、占有者も規約で決められたことや、集会の決議を守る義務はありますから、理事長の犬を飼うなとの勧告の部分については妥当ですが、現在の状況では、犬の飼育の差止めを裁判所に請求することは、理事会の決議だけではできず、集会(総会)の決議が必要とすべきですから、適切ではありません。


2 理事長は、Bの犬の飼育行為が再三の注意勧告にもかかわらず止まないため、区分所有者の共同の利益に反する行為に当たるとして、総会の決議に基づき、その差止めを裁判所に請求することができる。

○ 適切である。 総会の決議があれば、いい。
  設問が「犬の飼育行為が再三の注意勧告にもかかわらず止まないため、区分所有者の共同の利益に反する行為に当たる」としていることにも注意。出題者の意図として、「犬の飼育行為の禁止」の規約事項が、「区分所有者の共同の利益に反する行為にも当たる(区分所有法第6条)」との重複した認識があるとなると、選択肢1の「規約違反」との関係が、微妙に変化する。
  占有者である賃借人Bも、区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはいけません。それが、区分所有法第6条
 「(区分所有者の権利義務等)
  第六条  区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
     2  区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。
     3  
第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する。 」
 とあり、
 3項に規定されています。
 その違反となると、選択肢1でも引用しました区分所有法第57条
 「(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
  第五十七条  区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。
   2  前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない。
   3  管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。
   4  
前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。」、
 とあり、
 4項により、占有者Bに対して、管理者(理事長)も、2項及び3項により、集会(総会)の決議があれば、その差止めを裁判所に請求することができますから、適切です。



3 理事長は、Aに対し、規約を遵守して犬の飼育を止めるようBに働きかけをするよう要請したが、これにAが従わない場合にはA自身の規約違反行為の責任を追及することができる。

○ 適切である。 
  専有部分を賃貸に出している場合でも、区分所有者には、賃貸人の立場として、賃借人に対して、規約や集会の決議を守らせる義務はあります。これは、区分所有法では、明確にしていませんが、標準管理規約67条1項、2項では、
 「(理事長の勧告及び指示等)
  第67条 区分所有者若しくはその同居人又は専有部分の貸与を受けた者若 しくはその同居人(以下「区分所有者等」という。)が、法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことが できる。
    2
区分所有者は、その同居人又はその所有する専有部分の貸与を受けた者若しくはその同居人が前項の行為を行った場合には、その是正等のため必要な措置を講じなければならない。」
 と規定していますから、区分所有者A自身の規約違反行為の責任を追及できますから適切です。



4 管理組合は、Bの犬の飼育状況を確認するため、Bに対し専有部分内への立入りを請求することができ、Bは、正当な理由がない限りこれを拒否することができない。

○ 適切である? 平成21年 マンション管理士試験 「問30」 。
  他人の住居(専有部分)に立ち入るためには、相当な理由を必要とします。区分所有法では、第6条2項に、保存や改良なら他人の専有部分への立ち入り請求を認める規定もありますが、設問のような事態に対応した条文はありませんが、標準管理規約23条
 「 (必要箇所への立入り)
  第23条 前2条により
管理を行う者は、管理を行うために必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる
     2 前項により立入りを請求された者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。
     3 前項の場合において、正当な理由なく立入りを拒否した者は、その結果生じた損害を賠償しなければならない。
     4 立入りをした者は、速やかに立入りをした箇所を原状に復さなければならない。」
 とあり、
 引用されています、前2条の内、設問に該当するのは、21条1項です。
 「 (敷地及び共用部分等の管理)
  第21条
敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、 通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負 担においてこれを行わなければならない。
   2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を 共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行 うことができる。」
 とあり、
 「管理を行う者は、管理を行うために必要な範囲内」であれば、他人の専有部分に立ち入りを請求でき、その場合、請求を受けた者は、正当な理由がなければ、立ち入りを拒めないということですから、「規約違反の犬の飼育状況の確認」が、「管理を行うために必要な範囲内」が、どうかです。
 過去の問題( 平成21年 マンション管理士試験 「問30」 )でも、出題元のマンション管理センターの判断基準が曖昧だったように、
何をもって「管理を行うために必要な範囲内」と見るかは、実に個人的な解釈が大きく影響します。また、住居への立ち入りは、戸建と違った、マンションという共同生活をおくる特殊な建物であることの認識の程度により、大きく判断が分かれる点です。区分所有法だけでの問題ではなく、建物全体での管理やコミュニティとも絡んでいます。
 ここも、もう既に規約違反が明白というなら、今更「犬の飼育状況の確認」も不必要ですから、他人の専有部分に立ち入りを請求することもいらないのですが、私が管理を行う者(管理組合の役員)ならの立場で判断してみましょう。
 設問では、室内で体長約65cmの雑種犬2匹を飼育してるとか、抜け毛や悪臭を発生させたりするとかありますが、まず、基本としてどの程度の犬かの確認が必要です。これは、室外でもできそうですが、立ち入って検査した方がいいでしょう。
そして、次の、他の居住者へ吠えるは、他の人からの聞き取りでも可能ですが、抜け毛や悪臭を発生している部分は、近隣の居住者だけの話だけでなく、室内でどのような飼育がなされているかを確認すべきです。そうすれば、ペット禁止の規約違反はともかく、悪臭の発生の原因が追究でき、マンション内でのコミュニティの一環としての改善策も検討できます。
 管理を行う者としては、最低、現状を詳細に認識し把握することが必要です。まして、裁判を考慮に入れているなら、立ち入って検査をしないと管理を行う者の責任が果たせなくなりますから、この設問は、適切です。



答え:1 (ここの出題も、表面的な判断だけを求めているのか、また、その先にある状況まで想定しているのか、曖昧で、解説に時間をとられます。あなたは、どう思いますか? 考えを放棄してはいけませんよ! マンション管理士や管理業務主任者になった時に、何を判断基準として管理組合にアドバイスできるかです。
 なお、標準管理規約は、たびたび言ってますように、国土交通省という1つの機関が、こうあって欲しいと思って作成しただけの内容です。 法律ではないことは、いつも留意しておいてください。)

マンション管理士センターの答え:4

問29

*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。
    該当の条文は、必ず改正された標準管理規約で確認のこと。

〔問 29〕総会の決議によらず、理事長が理事会の承認又は決議のみで行うことができる事項は、標準管理規約によれば、次のうちいくつあるか。

ア 職員の採用又は解雇を行うこと。

○ 理事長が理事会の承認だけできる。
  まず、理事会の決議だけでできる事項と総会の決議が必要な事項は、必ず出題されますから、区別して覚えてください。
  理事長ができるのは、標準管理規約38条1項2号
 「(理事長)
  第38条 理事長は、管理組合を代表し、その業務を統括するほか、次の各号に掲げる業務を遂行する。
       一 規約、使用細則等又は総会若しくは理事会の決議により、理事長の職務として定められた事項
       二
理事会の承認を得て、職員を採用し、又は解雇すること
    2 理事長は、区分所有法に定める管理者とする。
    3 理事長は、通常総会において、組合員に対し、前会計年度における管理組合の業務の執行に関する報告をしなければならない。
    4 理事長は、理事会の承認を受けて、他の理事に、その職務の一部を委任することができる。」
 とあり、
 1項2号により、理事長は理事会の承認で、職員の採用又は解雇ができます。



イ 監事の選任を行うこと。

X できない。 監事も理事も総会の決議事項。
  平成23年 マンション管理士試験 「問29」 、 平成21年 マンション管理士試験 「問31」 、 平成21年 管理業務主任者試験 「問12」 。
  監事の選任は、総会決議事項です。それは、標準管理規約35条
 「(役員)
  第35条 管理組合に次の役員を置く。
      一 理事長  
      二 副理事長  ○名
      三 会計担当理事  ○名
       四 理事(理事長、副理事長、会計担当理事を含む。以下同じ。) ○名
       五 監事 ○名
   2
理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する
       (改正:現に居住の条件がなくなった。)
   3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事の互選により選任する。」
 とあり、
 2項により、監事は役員で、理事と同じように総会で選任されますから、理事長が理事会の承認又は決議のみで行うことができる事項ではありません。監事の役目を考えれば、総会で、理事とは別途に選任される意義が分かるでしょう。



ウ 役員活動費の支払方法を決定すること。

X できない。 総会の決議事項。
 
 平成21年 管理業務主任者試験 「問36」 。
  役員活動費の支払方法を決めるのも総会決議事項です。それは、標準管理規約48条、
 「(議決事項)
  第48条 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
     一 収支決算及び事業報告
     二 収支予算及び事業計画
     三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
      四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
     五 長期修繕計画の作成又は変更
     六 第28条第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
     七 第28条第2項に定める建物の建替えに係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩し
     八 修繕積立金の保管及び運用方法
     九 第21条第2項に定める管理の実施
     十 区分所有法第57条第2項及び前条第3項第三号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任
     十一 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
     十二 区分所有法第62条第1項の場合の建替え
     十三
役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
     十四 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
     十五 その他管理組合の業務に関する重要事項」
 とあり、13号にあります。役員がお手盛りで、自分たちの活動費を決めたら困ります。理事長が理事会の承認又は決議のみで行うことができる事項ではありません。



エ 修繕積立金の運用方法を変更すること。

X できない。 総会の決議事項。
  平成23年 管理業務主任者試験 「問33」 、 平成21年 管理業務主任者試験 「問36」 。
  修繕積立金の運用方法を変更することも、総会決議事項です。
 選択肢ウで引用しました、標準管理規約48条8号、
 「八
修繕積立金の保管及び運用方法」 に該当しています。修繕積立金の運用方法も、理事会や理事長が勝手に変更してはいけません。


オ 未納の管理費の請求に関し管理組合を代表して訴訟を追行すること。

○ できる。 
  ここは、 「問28」 で述べた訴訟は「総会の決議事項」かどうかの話はおいといて、単純に、標準管理規約だけの世界です。
 未納の管理費の請求は、標準管理規約54条
 「(議決事項)
  第54条
理事会は、この規約に別に定めるもののほか、次の各号に掲げる事項を決議する。
     一 収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案
     二 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する案
     三 長期修繕計画の作成又は変更に関する案
     四 その他の総会提出議案
     五 第17条に定める承認又は不承認
     六 第58条第3項に定める承認又は不承認
       (改正:追加)
     七
第60条第3項に定める未納の管理費等及び使用料の請求に関する訴訟その他法的措置の追行
       (改正:追加。)
     八 第67条に定める勧告又は指示等
     九 総会から付託された事項」
 とあり、
 7号に該当します。(平成23年7月で改正・追加された個所です。)

 そして、理事会の決議を受けて、標準管理規約60条3項
 「(管理費等の徴収)
  第60条

   理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる。」
 ありますから、できます。



カ 使用細則を変更すること。

X できない。総会の決議事項。
 
 平成21年 マンション管理士試験 「問29」 、 平成21年 管理業務主任者試験 「問37」 、 平成21年 管理業務主任者試験 「問13」 。
 使用細則の変更は、選択肢ウで引用しました、総会の決議事項で、標準管理規約48条4号
 「 四
規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止」に該当していますから、理事長が理事会の承認又は決議のみで行うことができる事項ではありません。


1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

答え:2 (理事長が理事会の承認又は決議のみで行うことができる事項は、ア と オ の2つ。)

問30

*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。
    該当の条文は、必ず改正された標準管理規約で確認のこと。

〔問 30〕通常総会の議事録に関する次の記述のうち、標準管理規約(電磁的方法が利用可能ではない場合とする。)によれば、誤った取扱いとならないのは、次のうちどれか。

1 議長が総会議事録の議長署名押印欄に理事長の肩書きを記したうえで自分の氏名を署名し、自分の個人印でなく理事長印を押した。 

○ 誤った扱いとならない。 平成23年 マンション管理士試験 「問31」 、平成21年 マンション管理士試験 「問31」 。
  総会の議事録については、標準管理規約49条
 (ア)電磁的方法が利用可能ではない場合
 「(議事録の作成、保管等)
  第49条 総会の議事については、議長は、議事録を作成しなければならない。
     2
議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員がこれに署名押印しなければならない
     3 理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面による請求が あったときは、議事録の閲覧をさせなければならない。この場合において 、 閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。
     4 理事長は、所定の掲示場所に、議事録の保管場所を掲示しなければならない。
  とあり、
 2項により、議事録は議長及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員がこれに署名押印して、内容の保証をします。
 そこで、設問は、その議長の署名はあるが押印での”印”が個人名ではなく、役職印を使用していますが、議長が理事長であれば、これは誤った扱いとなりません。




2 総会議事録の署名押印欄のうち押印欄を削除し、署名のみで足りることとした。

X 誤った扱いとなる。
 欧米流に、押印は無くてサイン(署名)だけで済ませてもいいのではということですが、選択肢1で引用しました標準管理規約49条2項
 「2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員がこれに
署名押印しなければならない。」
 を、出題者は厳密に適用したいようですから、署名のみでは誤った扱いとなります。(でも、サイン(署名)だけで、押印のない総会議事録の正当性が裁判で争われたら、私が裁判官なら、サインだけでも、その議事録は正当だと判断しますが。)



3 総会議事録の組合員署名押印欄に、委任状を提出し当日欠席していたが、出席者とみなされた組合員が署名押印した。

X 誤った扱いとなる?
 委任状を提出し当日欠席していたが、出席者とみなされた組合員とは、意味が分からない。欠席していて、出席者とみなすとはどんな状況なのでしょうか? 委任状を出していたが、当日出席したならなんとなく理解できるのですが。いくらなんでも、欠席していたなら、選択肢1で引用しました標準管理規約49条2項
 「2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員がこれに署名押印しなければならない。」とあり、総会議事録に署名押印できるのは、当日出席していた組合員だけです。こんな、設問では、もう回答もできません。



4 総会議事録の組合員の署名押印を一人とし、当日出席していた組合員の中から議長の指名する組合員一人が署名押印した。

X 誤った扱いとなる?
 ここは、また設問が曖昧です。総会に出席していた組合員が、議長とあと1人しかいない、合計2名の場合だと、議長と出席した組合員1名の署名押印でも、総会議事録は、一応成立しますが、議長の他に2名以上の組合員が出席しているにもかかわらず、組合員の署名押印を一人としたなら、これは、選択肢1で引用しました、標準管理規約49条2項
 「2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する
2名の総会に出席した組合員がこれに署名押印しなければならない。」での、議長の他2名の署名押印の原則に外れますから、誤った扱いとなります。


答え:1 (本当に、下手な設問です。 こんな、試験では、だんだんと解説を続けるのが、嫌になってきました。)

問31

*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。
    該当の条文は、必ず改正された標準管理規約で確認のこと。

〔問 31〕甲マンション管理組合のA理事が死亡し、同居する配偶者B及び甲マンション以外に居住する子CがAの区分所有権を共同相続した場合の理事の選任等に関する次の記述のうち、民法の規定及び標準管理規約によれば、誤っているのはどれか。

1 同居していたBは、総会で選任されない限りAの相続人としてその地位を引き継ぎ理事になるこることはない。

○ 適切である。 平成23年 マンション管理士試験 「問29」 、 平成21年 マンション管理士試験 「問31」 、 平成21年管理業務主任者試験 「問12」  。
  設問に、民法及び標準管理規約によればとありますように、区分所有法では、管理者の資格を定めていないことに注意してください。
 また、標準管理規約は、あくまでも、国土交通省が目安とした参考文であり法律ではありませんから、設問で求められています「誤っている」ではなく、解答は「適切である」と「適切でない」にしました。
 理事が死亡すると、その理事の相続人である配偶者が、管理組合の理事職を、そのまま引き継ぐかは、「現に居住の条件」が無くなったので、過去問題の解説において、度々、私が、出題されると指摘した標準管理規約の改正部分です。(平成23年7月27日改正点)。
 まず、理事(役員)は、総会で選任される必要があります。それが、標準管理規約35条
 「 (役員)
  第35条 管理組合に次の役員を置く。
      一 理事長  
      二 副理事長  ○名
      三 会計担当理事  ○名
      四 理事(理事長、副理事長、会計担当理事を含む。以下同じ。) ○名
      五 監事 ○名
    2
理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する
      
(改正:現に居住の条件がなくなった。)
    3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事の互選により選任する。」
 とあり、2項に該当します。
 また、標準管理規約36条
 「 (役員の任期)
  第36条 役員の任期は○年とする。ただし、再任を妨げない。
    2 補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
    3 任期の満了又は辞任によって退任する役員は、後任の役員が就任するまでの間引き続きその職務を行う。
    4
役員が組合員でなくなった場合には、その役員はその地位を失う。」
 とあり、
 4項の組合員とは、標準管理規約30条
  「(組合員の資格)
  第30条
組合員の資格は、区分所有者となったときに取得し、区分所有者でなくなったときに喪失する。」
 とありますから、
 設問のような、A理事は死亡し、そのAの配偶者Bと子Cが区分所有権を共同相続したのであれば、A理事はもう組合員ではありませんから、死亡したA理事はその地位を失います。標準管理規約では、例え同居していても、相続人がそのまま、役員の職を引き継ぐことはできません。そこで、配偶者であっても理事となるには、新しく総会で選任されなければなりませんから、適切です。
 なお、民法第653条も参考に。
 「(委任の終了事由)
  第六百五十三条  委任は、次に掲げる事由によって終了する。
      一  
委任者又は受任者の死亡
      二  委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
      三  受任者が後見開始の審判を受けたこと。


2 規約に「理事が死亡等により任期途中で欠けた場合、補欠の役員を理事会の決議で選任することができる。」との定めがあれば、理事会決議でBを理事に選任することができる。

○ 適切である。
 理事(役員)が死亡した場合の原則は、選択肢1で述べたのですが、ある理事の死亡が任期の途中であれば、あくまでも「補欠」として、面倒な手続きを必要とする総会を開くまでもなく、理事会で決議できる例外を認めてはどうかということです。
 これに対しては、標準管理規約36条 コメント
 「③
役員が転出、死亡その他の事情により任期途中で欠けた場合、補欠の役員を理事会の決議で選任することができると、規約に規定することもできる。」
 とあり、
 設問のような、
規約があれば、新しく組合員となったBでも任期途中での補欠として、総会の決議を経ず、理事会の決議で理事になれますから、適切です。


3 規約に「理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一親等の親族に限り、代理出席を認める。」との定めがあれば、B又はCは理事会に出席することができる。

X 適切でない。 元の理事が死亡していては、代理ではない。
 平成21年 マンション管理士試験 「問32」 、 平成20年 マンション管理士試験 「問31」  。
 設問の、A理事は死亡し、もう既に配偶者Bと子Cが、共同相続したに注意。
 通常、理事会の会議は、標準管理規約53条
 「 (理事会の会議及び議事)
  第53条
理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する
   〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕
     (ア)電磁的方法が利用可能ではない場合
    2 議事録については、第49条(第4項を除く。)の規定を準用する。ただし、第49条第2項中「総会に出席した組合員」とあるのは「理事会に出席した理事」と読み替えるものとする。
     (イ)電磁的方法が利用可能な場合
    2 議事録については、第49条 (第6項を除く。)の規定を準用する。ただし、第49条第3項中「総会に出席した組合員」とあるのは「理事会に出席した理事」と読み替えるものとする。」
 とあり、
 1項では、原則、理事の出席を求めていますが、それでは、理事になにかあった場合には、理事会が開催できないこともあるだろうとして、例外的な規約も定めることができるとあります。
 それが、「コメント第53条関係  
理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一親等の親族に限り、代理出席を認める旨を規約に定めることもできる。
 とありますが、
 設問では、もう既に、A理事は死亡しており、配偶者Bと子Cが共同相続したとなっていますから、規定の代理関係は無くなっており、ここでの、配偶者やその子には該当しませんから、その立場では理事会に出席することができません。不適切です。
 (引掛け問題です。)
 なお、民法第111条
 「(代理権の消滅事由)
  第百十一条  
代理権は、次に掲げる事由によって消滅する
       一  
本人の死亡
       二  代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。
    2  委任による代理権は、前項各号に掲げる事由のほか、委任の終了によって消滅する。
 も参考に。



4 規約に別段の定めを置かなくても、総会で甲マンション以外に居住するCを理事に選任することができる。

○ 適切である。
  設問の「規約に別段の定めを置かなくても」が曖昧です。これだと、区分所有法に対する別段の定めである標準管理規約そのものも存在していないことになります。
 ここは、多分、標準管理規約に時々あるコメントのような規定を別途定めない場合と解しました。
 役員の資格は、選択肢1で引用しました、標準管理規約35条2項
 「 2
理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。」
 とあり、ここは、平成23年7月に以前あった「○○マンションに現に居住する組合員」の条件から、「組合員」だけに改正された個所です。
 これにより、甲マンション以外に居住するCも、死亡したAの共同相続人で区分所有者であり、組合員の資格を有していますから、理事に選任できます。



答え:3 (まったく、引掛け問題には苦労します。また、過去問題をやった人は気が付いたと思いますが、改正点が出題されるといった通りでした。)

問32

*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。
    該当の条文は、必ず改正された標準管理規約で確認のこと。

〔問 32〕甲マンション団地管理組合の理事会における費用の負担等についての理事長の次の発言のうち、マンション標準管理規約(団地型)の規定によれば、適切なものはどれか。

1 団地全体で一つの町内会を形成している当団地においては、管理組合が実質的に町内会活動を行っている実態がありますので、各居住者が任意に加入している町内会費については、地域のコミュニティの維持・育成のための費用として、加入者分全額を管理費から支出することとします。

X 適切でない。 管理組合と自治会(町内会)は違う。
 平成23年 マンション管理士試験 「問26」 、 平成20年管理業務主任者試験 「問12」 。
 町内会(自治会とも)とマンションの管理組合の基本的な違いは、町内会への加入は、その町内の居住者(賃借人、同居人なども含めて)が対象で任意ですが、マンションの管理組合への加入は、区分所有者となれば嫌でも構成員となることです。また、各々団体としての目的も異なっていますが、それらはおいといて。
 そこで、例え、団地全体が一つの町内会を形成していても、町内会費とマンションの管理費の性格は違うので、別々に扱うよう裁判でも指摘され(平成19年8月7日:東京簡裁など)ています。
 参考になるのはマンション標準管理規約(団地型)27条10号。
 「(管理費)
   第27条 管理費は、次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。
       一 管理員人件費
       二 公租公課
       三 共用設備の保守維持費及び運転費
       四 備品費、通信費その他の事務費
       五 共用部分等に係る火災保険料その他の損害保険料
       六 経常的な補修費
       七 清掃費、消毒費及びごみ処理費
       八 委託業務費
       九 専門的知識を有する者の活用に要する費用
       十
地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用
       十一 管理組合の運営に要する費用
       十二 その他土地及び共用部分等の通常の管理に要する費用」
 とあり、
 10号の「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用」との関係ですが、同コメント②
 「② コミュニティ形成は、日常的なトラブルの未然防止や大規模修繕工事等の円滑な実施などに資するものであり、マンションの適正管理を主体的に実施する管理組合にとって、必要な業務である。
管理費からの支出が認められるのは、管理組合が居住者間のコミュニティ形成のために実施する催事の開催費用等居住者間のコミュニティ形成や、管理組合役員が地域の町内会に出席する際に支出する経費等の地域コミュニティにも配慮した管理組合活動である。他方、各居住者が各自の判断で自治会、町内会等に加入する場合に支払うこととなる自治会費、町内会費等は地域コミュニティの維持・育成のため居住者が任意に負担するものであり、マンションという共有財産を維持・管理していくための費用である管理費等とは別のものである。
 とあり、
 町内会費と管理費は性格が違うため、加入者分全額を管理費から支出することは、適切ではありません。(と言っても、案外、多くのマンションでは、町内会費と管理費が一緒になり、町内会に支払われていますが。)


2 棟の管理に相当する管理費の額及び各棟修繕積立金の額については、それぞれの棟の各区分所有者の棟の共用部分の共有持分に応じて算出します。また、棟の管理に相当するもの以外の管理費の額及び団地修繕積立金の額については、各団地建物所有者の土地の共有持分に応じて算出します。

○ 適切である。
  管理費や修繕積立金は、マンション標準管理規約(団地型)25条2項。
 「(管理費等)
  第25条 団地建物所有者は、土地及び共用部分等の管理に要する経費に充 てるため、次の費用(以下「管理費等」という。)を管理組合に納入しなければならない。
       一 管理費
       二 団地修繕積立金
       三 各棟修繕積立金
    2
管理費の額については、棟の管理に相当する額はそれぞれの棟の各区分所有者の棟の共用部分の共有持分に応じ、それ以外の管理に相当する額は各団地建物所有者の土地の共有持分に応じて算出するものとする
    3
団地修繕積立金の額については、各団地建物所有者の土地の共有持分に応じて算出するものとする
    4
各棟修繕積立金の額については、それぞれの棟の各区分所有者の棟の共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。」
 とあり、
 2項、3項及び4項により、適切です。



3 来年に予定されている一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕では、附属施設である自転車置場、ごみ集積所、外灯設備の修繕も含まれています。その費用は、団地修繕積立金ではなく、各棟修繕積立金から支出することとします。

X 適切でない?
  ここも、附属施設である自転車置場、ごみ集積所、外灯設備の修繕が、各棟の共用部分か、団地全体の共用部分か明確でないのですが、多分、団地全体の共用部分としたいようです。
 団地全体の共用部分の修繕積立金の支出は、マンション標準管理規約(団地型)28条
 「(団地修繕積立金)
  第28条 管理組合は、各団地建物所有者が納入する団地修繕積立金を積み立てるものとし、
積み立てた団地修繕積立金は、土地、附属施設及び団地共用部分の、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる
       一
一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
       二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
       三 土地、附属施設及び団地共用部分の変更
       四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査
       五 その他土地、附属施設及び団地共用部分の管理に関し、団地建物所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
    2 前項にかかわらず、区分所有法第70条第1項の一括建替え決議(以下「一括建替え決議」という。)又は一括建替えに関する団地建物所有者全員の合意の後であっても、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(以下本項において「円滑化法」という。)第9条のマンション建替組合(以下「建替組合」という。)の設立の認可又は円滑化法第45条のマン ション建替事業の認可までの間において、建物の建替えに係る計画又は設 計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、管理組合は、団地修繕積立金から管理組合の消滅時に建替え不参加者に帰属する団地修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、団地修繕積立金を取り崩すことができる。
    3 管理組合は、第1項各号の経費に充てるため借入れをしたときは、団地修繕積立金をもってその償還に充てることができる。」
  とあり
 1項1号により、適切です。
 なお、各棟修繕積立金は、マンション標準管理規約(団地型)29条
 「(各棟修繕積立金)
  第29条 管理組合は、それぞれの棟の各区分所有者が納入する各棟修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた各棟修繕積立金は、それぞれの棟の棟の共用部分の、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
       一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
       二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
       三 棟の共用部分の変更
       四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査
       五 その他棟の共用部分の管理に関し、その棟の区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
    2 前項にかかわらず、区分所有法第62条第1項に規定する建替え決議(以下「建替え決議」という。)、一括建替え決議又は建替えに関する区分所有者全員の合意の後であっても、円滑化法第9条の建替組合の設立の認可又は円滑化法第45条のマンション建替事業の認可までの間において、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、管理組合は、各棟修繕積立金から建物の取壊し時に建替え不参加者に帰属する各棟修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、各棟修繕積立金を取り崩すことができる。
    3 管理組合は、第1項各号の経費に充てるため借入れをしたときは、各棟修繕積立金をもってその償還に充てることができる。」です。



4 駐車場使用料は、駐車場の管理に要する費用に充てるほか、各棟修繕積立金として積み立てることとされていますが、今後、団地共用部分等の修繕に多額の費用が見込まれるので、次の団地総会で出席組合員の議決権の過半数で決議し団地修繕積立金として積み立てることに変更します。

X 適切でない。 規約の変更は、組合員総数の3/4以上及び議決権総数の3/4以上の決議が必要。
  前半の、「駐車場使用料は、駐車場の管理に要する費用に充てるほか、各棟修繕積立金として積み立てること」は、マンション標準管理規約(団地型)31条、
 「(使用料)
  第31条
駐車場使用料その他の土地及び共用部分等に係る使用料(以下「使用料」という。)は、それらの管理に要する費用に充てるほか、団地建物所有者の土地の共有持分に応じて棟ごとに各棟修繕積立金として積み立てる。」
 とあり、適切です。
 後半の、「団地修繕積立金として積み立てることに変更」となると、上の
規約31条を変更しなければなりません。すると、マンション標準管理規約(団地型)49条
 「(団地総会の会議及び議事)
  第49条 団地総会の会議は、前条第1項に定める議決権総数の半数以上を 有する組合員が出席しなければならない。
     2 団地総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。
     3
次の各号に掲げる事項に関する団地総会の議事は、前項にかかわらず、 組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する
       一
規約の制定、変更又は廃止(第72条第一号の場合を除く。)
       二 土地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)
       三 その他団地総会において本項の方法により決議することとした事項
     4 建替え承認決議は、第2項にかかわらず、議決権(第48条第1項にかかわらず、建替えを行う団地内の特定の建物(以下「当該特定建物」という。)の所在する土地(これに関する権利を含む。)の持分の割合による。 第6項において同じ。)総数の4分の3以上で行う。
     5 当該特定建物の建替え決議又はその区分所有者の全員の合意がある場合における当該特定建物の団地建物所有者は、建替え承認決議においては、いずれもこれに賛成する旨の議決権を行使したものとみなす。
     6 建替え承認決議に係る建替えが当該特定建物以外の建物(以下「当該他 の建物」という。)の建替えに特別の影響を及ぼすべきときは、建替え承認決議を会議の目的とする総会において、当該他の建物の区分所有者全員の議決権の4分の3以上の議決権を有する区分所有者が、建替え承認決議に賛成しているときに限り、当該特定建物の建替えをすることができる。
     7 一括建替え決議は、第2項にかかわらず、組合員総数の5分の4以上及び議決権(第48条第1項にかかわらず、当該団地内建物の敷地の持分の割合による。)総数の5分の4以上で行う。ただし、当該団地総会において、当該各団地内建物ごとに、それぞれその区分所有者の3分の2以上及 び議決権(第48条第1項に基づき、別表第5に掲げる議決権割合による。)総数の3分の2以上の賛成がなければならない。」
 とあり、
 3項1号により、
 「組合員総数の3/4以上及び議決権総数の3/4以上」の決議が必要となり、出席組合員の議決権の過半数(1/2超)で決議はできませんから、適切ではありません。



答え:2 (ここも、選択肢3 の文はもっと明確にして欲しい個所です。)

問33

*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。
    該当の条文は、必ず改正された標準管理規約で確認のこと。

〔問 33〕複合用途型のマンションにおいて、規約で店舗の営業時間は24時までと定められているにもかかわらず、 24時以降も営業している105号室の区分所有者A等への対応を検討している理事会における各理事の次の発言のうち、区分所有法の規定及びマンション標準管理規約(複合用途型)によれば、適切なものはどれか。

1 理事B「営業時間等は共用部分の管理にはあたらないから、規約中の24時までしか営業できないとする規定は無効であり、規約違反行為であるとすることはできない。」

X 適切でない。 規約は有効である。 
  マンション標準管理規約(複合用途型)からも、1問は出ますから、読んでおいてください。 平成23年 マンション管理士試験 「問33」 、 平成22年 マンション管理士試験 「問33」 など。
 規約については、平成24年 マンション管理士試験 「問3」 も参考に。
  
営業時間の制限が共用部分の管理に含まれるかどうかですが、マンションでは、区分所有法第30条1項
 「(規約事項)
  第三十条  建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。」
 とあり、
 多くの事項は、規約で定めることができ、
店舗の営業時間の制限も、妥当な範囲であれば、制限する規約も有効ですから、 24時までしか営業できないとする規定は有効です。そこで、24時以降も営業している行為は規約違反に該当します。
 また、マンション標準管理規約(複合用途型)を引用するなら、同12条
 「(専有部分の用途)
  第12条 住戸部分の区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
     2
店舗部分の区分所有者は、その専有部分を店舗として使用するものとし、他の区分所有者の迷惑となるような営業形態、営業行為をしてはならない。」
 の2項の迷惑行為や下のコメント②も参考になります。

 第12条関係
  ① 住宅としての使用は、専ら居住者の生活の本拠があるか否かによって判 断する。したがって利用方法は、生活の本拠であるために必要な平穏さを有することを要する。
  ②
店舗としての使用については、当該マンション固有の特性や周辺環境等 を考慮して、店舗の種類、営業時間及び営業方法等を具体的に規定することもできる



2 理事C「Aは最近売買で105号室を取得しているが、売買契約の時点では売主からそのような制約はないものと聞いていたと言っているので、規約違反行為であるとすることはできない。」

X 適切でない。 規約違反行為とできる。
 選択肢1で述べたように、「規約で店舗の営業時間は24時までと定めている」規約は有効です。すると、売買契約の時点では売主からそのような制約はないものと聞いていて売買で購入したAも、規約を守らなければなりません。それは、区分所有法第46条。
 「(規約及び集会の決議の効力)
  第四十六条  
規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生ずる
     2  占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。 」
 とあり、
 売買で購入したAは
特定承継人に該当しますので、1項により、前の区分所有者から聞いていないとか、知らなかったといっても、規約を守る義務がありますから、それに違反する行為はできませんから、誤りです。(包括承継人=一般承継人と特定承継人の区別は、別途勉強しておいてください。)
 なお、参考までに、マンション標準管理規約(複合用途型)5条。
 「(規約及び総会の決議の効力)
  第5条
この規約及び総会の決議は、区分所有者の包括承継人及び特定承継人に対しても、その効力を有する
    2 占有者は、対象物件の使用方法につき、区分所有者がこの規約及び総会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。」



3 理事D「24時以降の営業行為の差止めにつき訴訟を提起する場合には、総会決議が必要で、かつ、その総会の場でAに弁明の機会を与える必要がある。」

X 適切でない。 ここは、何度も指摘している標準管理規約なら67条( 「問28」 参照)に対応した「複合用途型」なら72条の(理事長の勧告及び指示等)は、もう、検討から外してやりましょう。
  営業行為の差止めにつき訴訟を提起する場合となると、区分所有法第57条、
 「(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
  第五十七条  区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。
    2  
前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない
    3  管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。
    4  前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。」
 とあり、
 2項により、集会(総会)の決議が必要ですが、
この際には、 「かつ、その総会の場でAに弁明の機会を与える」ことまでは、求められていませんから、適切ではありません。なお、区分所有法第58条や第59条の適用では、行為者に弁明の機会を与えるの規定がありますよ。
 参考までに、マンション標準管理規約(複合用途型)52条10号。
 「(議決事項)
  第52条 次の各号に掲げる事項については、
総会の決議を経なければなら ない
       一 収支決算及び事業報告
       二 収支予算及び事業計画
       三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
       四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
       五 長期修繕計画の作成又は変更
       六 第30条第1項及び第31条第2項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ並びに全体修繕積立金、住宅一部修繕積立金及び店舗一部修繕積立金の取崩し
       七 第30条第2項に定める建物の建替えに係る計画又は設計等の経費のための全体修繕積立金の取崩し
       八 全体修繕積立金、住宅一部修繕積立金及び店舗一部修繕積立金の保管及び運用方法
       九 第21条第2項に定める管理の実施
       十
区分所有法第57条第2項及び前条第3項第三号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任
       十一 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
       十二 区分所有法第62条第1項の場合の建替え
       十三 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
       十四 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
       十五 その他管理組合の業務に関する重要事項」



4 理事E「24時以降の営業行為に対する是正のための勧告や警告は、理事会で決議すれば、Aのみならず実際に規約違反行為を行っている店長に対しても行えるはずだ。

○ 適切である。
 まず、区分所有者であるAは、区分所有法第6条
 「(区分所有者の権利義務等)
  第六条  
区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない
     2  区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。
     3  
第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する。」
 とあり、
 1項により、 建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはいけませんし、また、3項により、占有者にも区分所有者と同じ義務を課しています。また、選択肢2で引用しました区分所有法第46条により、区分所有者も占有者も規約や集会の決議は守らなければなりません。
 
ここでの、占有者の範囲ですが、同居人や履行補助者と呼ばれる者たちも含んでいます。設問の店長は、履行補助者と考えられますから、区分所有者のAのみならず実際に規約違反行為を行っている店長に対しても是正のための勧告や警告は行えます。また、是正のための勧告や警告は、管理者の職務内の行為と捉えられますから、理事会の決議があれば可能です。
 この件に関しては、マンション標準管理規約(複合用途型)72条。
 「(理事長の勧告及び指示等)
  第72条 区分所有者、その同居人若しくは店舗勤務者又は専有部分の貸与を受けた者、その同居人若しくは
店舗勤務者(以下「区分所有者等」という。)が、法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。
    2 区分所有者は、その同居人若しくは店舗勤務者又はその所有する専有部分の貸与を受けた者、その同居人若しくは店舗勤務者が前項の行為を行った場合には、その是正等のため必要な措置を講じなければならない。
    3 区分所有者等がこの規約若しくは使用細則等に違反したとき、又は区分所有者等若しくは区分所有者等以外の第三者が敷地及び共用部分等において不法行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経て、次の措置を講ずることができる。
       一 行為の差止め、排除又は原状回復のための必要な措置の請求に関し、 管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行すること
       二 敷地及び共用部分等について生じた損害賠償金又は不当利得による返還金の請求又は受領に関し、区分所有者のために、訴訟において原告又は被告となること、その他法的措置をとること
    4 前項の訴えを提起する場合、理事長は、請求の相手方に対し、違約金としての弁護士費用及び差止め等の諸費用を請求することができる。
    5 前項に基づき請求した弁護士費用及び差止め等の諸費用に相当する収納金は、第28条に定める費用に充当する。
    6 理事長は、第3項の規定に基づき、区分所有者のために、原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合には、第47条第2項及び第3項の規定を準用する。」
 の方が、分かり易いでしょう。(ただし、ここマンション標準管理規約(複合用途型)72条でも、3項の規定は問題のある規定ですよ。)



答え:4  (ここは、比較的に易しい。)

問34

〔問 34〕管理組合及び管理組合法人の諸税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、「収益事業」とは法人税法第2条第13号及び同施行令第5条第1項に規定されている事業を継続して事業場を設けて行うものをいう。

1 収益事業を行っている管理組合においては、法人税申告のためには区分経理行う必要があるため、収益事業と収益事業以外の事業とに共通する費用又は損失の額は、継続的に、合理的な基準により収益事業と収益事業以外の事業とに配賦し、これに基づき経理することとされている。

○ 正しい。 アレッ、税は、今までマンション管理士試験では出ていなかったのでは? ここ「問34」 と 次の「問35」 は会計からの出題の指定席だったのに、平成24年は出題傾向が変わった! 
  税の過去問は管理業務主任者試験で多い個所でした。 平成23年 管理業務主任者試験 「問16」 、 平成22年 管理業務主任者試験 「問16」 、 平成19年 管理業務主任者試験 「問16」 など。
 まず、マンションの管理組合が法人化されていれば、明確に区分所有法第47条13項
 「13  
管理組合法人は、法人税法 (昭和四十年法律第三十四号)その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第六号 に規定する公益法人等とみなす。この場合において、同法第三十七条 の規定を適用する場合には同条第四項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(管理組合法人並びに」と、同法第六十六条 の規定を適用する場合には同条第一項 及び第二項 中「普通法人」とあるのは「普通法人(管理組合法人を含む。)」と、同条第三項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(管理組合法人及び」とする。 」
 とあり、
 
公益法人等にみなされます
 また、法人化されていない管理組合は、
  法人税法2条8号で「八  
人格のない社団等 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。」とあり「人格のない社団等」として扱われることを理解して下さい。
 すると、法人税法第4条1項
 「第四条  内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。ただし、公益法人等又は人格のない社団等については、収益事業を行う場合、法人課税信託の引受けを行う場合又は第八十四条第一項(退職年金等積立金の額の計算)に規定する退職年金業務等を行う場合に限る。 」
 とあり、
 「公益法人等又は人格のない社団等については、”収益事業を行う場合”」等では法人税を納める義務があります。逆に、”収益事業を行わない場合”には、法人税は収める必要がないということです。
 すると、法人税法施行令第6条
 「(収益事業を行う法人の経理の区分)
  第六条  
公益法人等及び人格のない社団等は、収益事業から生ずる所得に関する経理と収益事業以外の事業から生ずる所得に関する経理とを区分して行わなければならない。」
 とあり、
  具体的には、国税庁の基本通達・法人税法 第2節 収益事業に係る所得の計算等 (費用又は損失の区分経理) 15-2-5 
 「(2) 
収益事業と収益事業以外の事業とに共通する費用又は損失の額は、継続的に、資産の使用割合、従業員の従事割合、資産の帳簿価額の比、収入金額の比その他当該費用又は損失の性質に応ずる合理的な基準により収益事業と収益事業以外の事業とに配賦し、これに基づいて経理する。」
 とあり、
 正しい。 http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/15/15_02.htm
 なお、設問で引用されています法人税法第2条は定義条項です。
 「(定義)
  第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
       十三  収益事業 販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいう。」
 そして、 法人税法施行令第5条第1項
 「(収益事業の範囲)
  第五条  法第二条第十三号 (収益事業の意義)に規定する政令で定める事業は、次に掲げる事業(その性質上その事業に付随して行われる行為を含む。)とする。
       一  物品販売業(動植物その他通常物品といわないものの販売業を含む。)のうち次に掲げるもの以外のもの
         イ 公益社団法人若しくは公益財団法人又は法別表第二に掲げる一般社団法人若しくは一般財団法人(第二十九号において「公益社団法人等」という。)が行う児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項 (児童福祉施設)に規定する児童福祉施設の児童の給食用の輸入脱脂粉乳(関税暫定措置法 (昭和三十五年法律第三十六号)第九条第一項 (軽減税率の適用手続)の規定の適用を受けたものに限る。)の販売業
 (以下略)」
 です。


2 収益事業を行っていない管理組合及び管理組合法人においては、法人税の申告義務はないが、法人住民税(都道府県民税と市町村民税)の均等割額は収益事業を行っていない場合でも課税される。

○ 正しい? → 誤っている ? 均等割りの扱い方が変わったのか?  平成17年 管理業務主任者試験 「問16」 。
  選択肢1で述べましたように収益事業を行っていない管理組合及び管理組合法人においては、法人税の申告義務はありません。
  そして、
法人住民税とは、法人(会社)に課された法人税をベースにして、主に会社の利益(所得)に対して、地方公共団体(都道府県と市区町村)が課す地方税です。
 
東京都の場合、都内に事務所や事業所などがある法人に課税される税金で、普通「法人住民税」といわれます。これには、都民税と市町村民税の二つがあり、それぞれ「法人税割」と「均等割」からなっています。これとは別に、支払を受ける利子等に対しては、都民税として「利子割」が課税されます。
 そして、納める方は、都内に事務所又は事業所のある法人や収益事業を行う人格のない社団や財団などです。また、都内に寮、保養所、宿泊所、クラブなどをもつ法人や、”収益事業を行わない公益法人・特定非営利活動法人等も、均等割だけは課税されます”。 23区内の法人は、都の特例として、市町村民税相当分もあわせて都民税として所管の都税事務所に申告して納めます。市町村にある法人は、都税事務所(都税支所)・支庁に都民税を申告して納めるほかに、市役所、町村役場に市町村民税を申告して納めます。
法人住民税の申告と納付は、法人税と同様、会社が自分で課税標準と税額を計算し、その内容を所定の申告用紙で申告するとともに納税する申告納税方式が採用されています。
つまり、法人住民税の申告と納付は、法人税と同時に行われます。
 ということで、均等割額及び法人税割額の根拠は、地方税法第24条
 「(道府県民税の納税義務者等)
  第二十四条  道府県民税は、第一号に掲げる者に対しては均等割額及び所得割額の合算額によつて、第三号に掲げる者に対しては均等割額及び法人税割額の合算額によつて、第二号及び
第四号に掲げる者に対しては均等割額によつて、第四号の二に掲げる者に対しては法人税割額によつて、第五号に掲げる者に対しては利子割額によつて、第六号に掲げる者に対しては配当割額によつて、第七号に掲げる者に対しては株式等譲渡所得割額によつて課する。
       一  道府県内に住所を有する個人
       二  道府県内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で当該事務所、事業所又は家屋敷を有する市町村内に住所を有しない者
       三  道府県内に事務所又は事業所を有する法人
       四  
道府県内に寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設(「寮等」という。以下道府県民税について同じ。)を有する法人で当該道府県内に事務所又は事業所を有しないもの
       四の二  法人課税信託(法人税法第二条第二十九号の二 に規定する法人課税信託をいう。以下この節において同じ。)の引受けを行うことにより法人税を課される個人で道府県内に事務所又は事業所を有するもの
  以下略)」
 とあり、
 1項4号が該当します。
 また、地方税法第294条
 「(市町村民税の納税義務者等)
  第二百九十四条  市町村民税は、第一号の者に対しては均等割額及び所得割額の合算額によつて、第三号の者に対しては均等割額及び法人税割額の合算額によつて、第二号及び
第四号の者に対しては均等割額によつて、第五号の者に対しては法人税割額によつて課する。
       一  市町村内に住所を有する個人
       二  市町村内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で当該市町村内に住所を有しない者
       三  市町村内に事務所又は事業所を有する法人
       四  
市町村内に寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設(以下この節において「寮等」という。)を有する法人で当該市町村内に事務所又は事業所を有しないもの
 (以下略)」
 とあり、
 4号により、均等割額は収益事業を行っていない場合でも課税されますから、正しい。
 

 ☆2013年 2月 4日 追記 :上記のように地方税法から、”法人住民税(都道府県民税と市町村民税)の均等割額は収益事業を行っていない場合でも課税される” は、”正しい”としましたが、その後も、追及していたら、平成21年度から、どうも地方税法での、通達があったようで、現在、税務署に確認中です。
参考:総務省の通達?
 第2章市町村民税
 第1節納税義務者
 第2 法人の納税義務者
   8 市町村内に事務所又は事業所がある法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあり、
かつ、収益事業を行うもの(当該社団又は財団で収益事業を廃止したものを含む。)を含む。以下「人格のない社団等」という。)で法人税を納付する義務があるものは均等割及び法人税割の納税義務者であり、市町村内に事務所又は事業所がある法人税法第2条第5号の公共法人、市町村内に事務所又は事業所がある公益法人等(同条第6号の公益法人等並びに防災街区整備事業組合、管理組合法人及び団地管理組合法人、マンション建替組合、地方自治法第260条の2第7項に規定する認可地縁団体、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(平成6年法律第106号)第7条の2第1項に規定する法人である政党等並びに特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人をいう。以下この章において同じ。)で法人税を課されないもの又は市町村内に寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設(以下「寮等」という。)のみを有する法人は均等割の納税義務者であり、法人課税信託(法第294条第1項第5号に規定する法人課税信託をいう。以下この章において同じ。)の引受けを行うことにより法人税を課される個人で市町村内に事務所又は事業所があるものは法人税割の納税義務者であること。

  10 
法人でない社団又は財団で収益事業を行わないものに対する均等割は非課税であること

*税務署からの回答:(2013年 2月13日 記
 『1・収益事業を行っていない、法人化されていないマンションの管理組合』について
  当該管理組合の実態が、「人格のない社団等」にあたるものとしますと、人格のない社団等は法人ではないため法人市民税の対象ではありません。
  ただし、収益事業を行うものについては地方税法第294条第8項において法人としてみなして法人の市町村民税の規定を適用する旨定められているため、法人市民税の対象となります。

 『2・収益事業を行っていない、法人化されたマンションの管理組合』について
 当該実態が、建物の区分所有等に関する法律第47条に規定する「管理組合法人」にあたるものとしますと、同法第47条第13号により当該法人は法人税法第2条第6号に規定する公益法人等とみなすこととされています。
 地方税法第294条第1項第3号において、市町村内に事務所又は事業所を有する法人は均等割及び法人税割が課されることとされています。一部の法人については地方税法第296条において非課税の定めがありますが、管理組合法人は該当しません。
 収益事業を行っていない法人は法人税割がありませんので、地方税法第312条第1項及び第3項第4号に基づき均等割のみが課されることとなります。


 ということで、法人化されていない管理組合なら、収益事業を行っていないと、法人税割も均等割もなく法人化された管理組合で、収益事業を行っていないと、法人税割はないが、均等割は課税されるとなり、収益事業を行っていない管理組合と管理組合法人では、その扱いが異なっているため、設問は誤っています。(まったく、税法は全文が読み切れない!)


3 収益事業を行っている管理組合及び管理組合法人においては、収益事業から得た所得が1、000万円を超えていない場合は課税事業者に該当しないので、法人税の申告義務はない。 

X 誤っている。 このような規定はない。
  収益事業を行っていると課税の方法は、課税標準(所得等)に税率をかけて算出されますから、収益事業から得た所得が1、000万円を超えていない場合でも課税事業者に該当します。
 人格のない社団(法人化されていない管理組合)でも公益法人等とみなされているもの(法人化された管理組合)でも、税率は、平成24年4月1日からは、年 800万円以下の部分 15%と 年 800万円超の部分 25.5% と同じ税率ですから、誤りです。

 


4 区分所有者の駐車場使用希望者がいないため、マンション内の駐車場の一部を空き駐車場の状態にしておく予定でいた管理組合においては、近隣で道路工事を行っている土木業者からの申し出に応じ、工事期間(2週間)に限定して駐車場を賃貸した場合でも、当該管理組合が行う駐車場使用の全体が収益事業に該当する。

X 誤っている。 全体ではなく一部だけが該当する。
 私も、度々指摘していますように、以前から、区分所有者の団体というマンションの管理組合の存在が、区分所有法と民法との関係だけでなく、法人でない場合には特に曖昧な存在となっています。
 そこで、出題のように、税との関係で、管理組合の管理費・修繕積立金は非課税と判断されるようになったものの、駐車場の収入などで特に、マンションの外の人に使用させ、駐車場料をとる場合に、内部(組合員)の使用なら、課税の対象にならないまでは、一応国税庁の判断がありましたが、これらを纏めて、国土交通省から平成24年2月3日に国税庁に確認をしました。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/bunshokaito/hojin/120117/besshi.htm#a01

 それによりますと、「 Cマンションにおいては、先日、区分所有者の異動により空き駐車場が生じることとなりましたが、他の区分所有者の中には使用希望者がいないため、区分所有者から使用希望者が現れるまでの間、空き駐車場の状態にしておく予定でいました。
 この度、近隣で道路工事を行っている土木業者から、マンション管理組合(以下「C組合」といいます。)に対して、工事期間(約2週間)に限定して空き駐車場を使用したいとの申出がありました。
したがって、C組合が行う外部使用については、管理業務の一環として行われている区分所有者に対する駐車場使用に付随して行われる行為であることから、この外部使用を含めたC組合が行う駐車場使用の全体が収益事業には該当しないものと解して差し支えないと考えたところです。
回答:標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。」
 とあり、
 「この外部使用を含めたC組合が行う駐車場使用の全体が収益事業には該当しないものと解して差し支えない」とありますから、駐車場使用の全体が収益事業に該当するのは、誤りです。



答え:1 、 2?  (いくら、時間をかけても、正しいのは、1 と 2 になる。) (2013年 2月13日: 1 だけに訂正した。)
マンション管理士センターの答え:1

注:例年、言っていることですが、マンションの管理組合での経理・会計処理については、明確な基準がありません。
それにも拘わらずマンション管理士試験では、会計の問題として、なおさら扱いに疑問がある「比較貸借対照表」を出題していましたので、私の解説においても、この出題方法は、止めるべきだと指摘してきたところです。今年から、この傾向が、改まったのならいいのですが。 (過去問題参照)

問35

〔問 35〕甲マンション管理組合の組合員で、管理費を現金で納めることを常としているAは、平成23年10月分の管理費27、000円のうち20、000円を支払い、7、000円は未納となっていた。11月分の27、000円も全額が未納であったが、12月にまとめて100、000円を支払った。平成23年12月に甲が行う仕訳として適切なものは次のうちどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、会計年度は平成23年4月1日から平成24年3月31日までとする。また、平成23年11月までは正しい会計処理が行われているものとする。


*発生主義ということ
 毎年の説明で、過去問題をやってきている人には、分かり切ったことでしょうが、初めての人もいますので、

 ★マンションの会計処理で
発生主義ということの重要性は、

  全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間
     *収入については、請求権が生じた月、
     *支出については、支出が労役などの提供又は工事などである場合は、その労役などの提供又は工事等が完了した月、物品の購入なら、その物品が納入された月
    に正しく割り当てるように処理すること。

 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。

 この辺りが、企業の会計処理を知っている人には、なかなか理解できない個所です。

★それでは、設問を見ていきましょう。
 *全体の捉え方としては、今が平成23年12月での処理(発生主義)であることです。
 
 1.12月にまとめて100,000円を支払った。 
   管理組合としての仕訳は、12月に100,000円の入金ですから、資産の増加として、

  借方 
  現金預金 100,000円

 となります。

 この相手勘定科目としては、
 
 2.平成23年10月分の管理費27,000円のうち20,000円を支払い、7,000円は未納となっていた。
   これは、10月の処理では、7,000円が 未収金として仕訳されていたことですから、
  入金により、資産の減少として、

   借方              貸方
   現金預金 7,000円 / 未収金 7,000円

  となります。

 3.11月分の27,000円も全額が未納であった
  これも、11月の処理では、27,000円が、未収金として仕訳されていたことですから、
  入金により、資産の減少として、

   借方               貸方
   現金預金 27,000円 / 未収金 27,000円

  となります。

 4.12月にまとめて100,000円を支払った。
   これにより、12月分の管理費 27,000円が入金されたことになります。収入の発生として、

  借方               貸方
  現金預金 27,000円 / 管理費収入 27、000円

  です、

 5.12月にまとめて100,000円を支払った
   100,000円の内訳は、今まで未払いであった、

         7,000円 (10月分)
      + 27,000円 (11月分)
  ------------------------------
   小計  34,000円

 と今月分
      + 27,000円  (12月分)
  -------------------------------
    合計 61,000円

 を引いても、 100,000円 - 61,000円 = 39,000円 が残りますから、これは、まだ、請求が何も発生していないため、前受金となります。負債の増加として、

  借方               貸方
  現金預金 39、000円 / 前受金 39,000円

 これらを、纏めると、
 

 となります。


答え3 : (例年会計は、2問出ていたのに! 1問とは。また、ここは易しい。)

問36

〔問 36〕マンションの建物(鉄筋コンクリート造)に生じた劣化及びその要因に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 ポップアウトとは、コンクリート表面の小部分が円錐形のくぼみ状に破壊された状態で、凍害、アルカリ骨材反応等が原因で発生する。

○ 適切である。 コンクリートについては、過去から出題は多い。 平成20年 管理業務主任者試験 「問26」 、 平成17年 管理業務主任者試験 「問17」 など。 
  ポップアウトは、コンクリートの表面下の骨材の粒子などの膨張で表面が円錐状に剥離する現象です。凍害を受けやすい部位やアルカリ骨材反応などで発生しますから、適切です。




2 中性化とは、コンクリートがアルカリ性を失っていく現象で、コンクリートの細孔溶液中の水酸化アルカリと骨材中のアルカリ反応性鉱物との化学反応等が原因で発生する。

X 適切でない。 
中性化は空気中の炭酸ガスとの化学反応。
  平成22年 マンション管理士試験 「問38」 、 平成18年 マンション管理士試験 「問37」 。
  コンクリートはもともと水酸化カルシウム(Ca(OH)2で、水素イオン濃度(ペーハー=pH)は、pH12~13程度ですが、コンクリート中の水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が、空気中の炭酸ガス(二酸化炭素 CO2)の作用を受けて、強アルカリ性から、弱アルカリ性に変化します。この現象を、コンクリートの中性化とよび、通常、pH10程度になると、コンクリート内の鉄筋が水と酸素の作用で、イオン化して、鉄筋が溶け出し鉄筋の腐食が始まりコンクリートの表面にひび割れが発生します。そのため、コンクリートの中性化の進み具合(劣化状態)を調べる必要があります。
 中性化の進度を調べる方法としては、小さなコア(核)を、30mm~100mmほど採取したり、コンクリートの表面をはつ(削りとる)って、試薬を噴霧し、表面から赤くなった部分までをノギスやスケールでmm単位ではかります。
 コンクリートがアルカリ性を失っていく現象ですが、コンクリートの細孔溶液中の水酸化アルカリと骨材中のアルカリ反応性鉱物との化学反応等が原因ではありませんから、適切ではありません。




3 エフロレッセンスとは、硬化したコンクリートの表面に出た白色の物質をいい、セメント中の石灰等が水に溶けて表面に染み出し、空気中の炭酸ガスと化合してできたものが主成分であり、コンクリート中への水の浸透等が原因で発生する。

○ 適切である。 平成20年 管理業務主任者試験 「問26」 、 平成19年 マンション管理士試験 「問37」 。
 エフロレッセンス(Efflorescence=開花)とは、白華現象ともよばれ、表面の劣化で発生します。下地の可溶成分が表面に溶け出し、空気中の二酸化炭素(炭酸ガス)等との反応により溶け難い白色の物質として、表面に沈着する現象です。コンクリートならセメント中の石灰等が水に溶けて表面に染み出すことも原因で、またタイルなどでも見られる現象ですから、適切です。これは、シーリング材でのチョーキング現象と似ているので注意のこと。




4 鉄筋露出とは、腐食した鉄筋が表面のコンクリートを押し出し、剥離させ、露出した状態をいい、新築時のかぷり厚さ不足等が原因で発生する。

○ 適切である。
  鉄筋露出とは、錆鉄筋露出ともいい、腐食した鉄筋が表面のコンクリートを押し出し、剥離させ、露出した状態をいいます。点状や線状に露出し、原因としては、新築時のコンクリートのかぷり厚さ不足が主な原因ですから、適切です。



答え:2  (ここは、過去問題をやっていれば、易しい。)

問37

〔問 37〕マンションの建物の劣化診断における調査の目的と方法に係るア~エの組合せのうち、適切なものの組合せは1~4のうちどれか。


★このあたりの出題も、過去から多い。 平成22年 マンション管理士試験 「問38」 、 平成21年 マンション管理士試験 「問38」 、平成18年 マンション管理士試験 「問37」 など。
 
ア 設備配管の腐食の程度 ---- 内視鏡調査

○ 適切である。
  配管では、錆が発生したりさびこぶが配管の腐食・経年変化で配管内や特に継手部、接合部にできます。また排水管では高濃度の油脂分が内部に付着して、排水管が詰まることもあります。特に台所の流しなどは油脂分が付着しやすい個所です。そこで、設備配管の腐食の程度を調べるのは、サンプルをとってやればいいのですが、費用がかかるので、内視鏡(ファイバー・スコープ)を入れて観察する方法が多く用いられますから、適切です。



イ コンクリートの強度 ---- 針入度試験

X 適切でない。
  コンクリートの強度を調べるのは、
  反発硬度法...シュミットハンマーでコンクリートの表面を叩き、反発度で圧縮強度を調べる。リバウンド方法ともいわれます。
  超音波法...コンクリートに密着させた端子から超音波を発振したパルスの伝わり時間と距離の関係で、経験則により、強度を調べますが、内部の骨材や鉄筋の影響を受けるので、精度の判定が難しい。
  標準コア法...ドリルでコンクリートに穴をあけて、コア(核)を採取し、このコアをJIS A1107に基づいて、コンクリートの圧縮強度試験をする。
  等があります。

 
 針入度試験とは、アスファルトの硬さを調べる試験で、舗装用石油アスファルト(ストレートアスファルト)の等級分けに使用されています。所定の容器に入ったアスファルトが25℃のときの、標準針の貫入量を1/10mmの単位で表し、針入度が大きいほど柔らかいアスファルトとなります。この方法は、コンクリートの強度を調べる方法ではありませんから、適切ではありません。



ウ タイルの浮きの調査 ---- X線調査

X 適切でない。
  タイルの浮きは、温度の変化、乾燥・湿潤、建物の動き、地震などで、下地のモルタルやコンクリートとの接着力が不足し、下地と表面のタイルが分離して発生します。タイルが剥落すると危険なため、調査は重要です。
 調査の方法としては、
 外観目視調査...肉眼や望遠鏡など、眼で調査する。判定には経験が必要。
 打診法...テストハンマーで表面を叩いて、音の差で浮きを判断する。これも、判定には経験が必要。
 赤外線装置法...赤外線カメラにより、タイルやモルタルの浮いている部分と、健全な部分とを熱の伝導の差(温度差)で測定する。温度差の出やすい天候時に行うといい。
 反発法...コンクリートの強度を調べたのと同じように、シュミットハンマー等で、タイル面に一定の衝撃を与えて、その衝撃で生じた跳ね返りの大きさや音圧の違いで、浮きを調査する。
 X線は使いませんから、適切ではありません。




エ 仕上げ塗材の付着強さ ---- クロスカット試験

○ 適切である。 平成23年 マンション管理士試験 「問36」 。
  仕上げ塗材は、タイルとは違いますから注意してください。塗料を使ってマンションの壁、床、天井、コンクリートの壁面を仕上げます。
  劣化は、大気汚染や、紫外線、温度差、雨風などで発生し、割れたり、はがれたり、浮いたりします。
  調査方法としては、多くは、目視によりますが、ふくれやはがれを調査するには、付着力試験(建研式接着力試験器)を使って付着力の強さを測る方法や、塗膜にカーターナイフで切り込みを格子状にいれ(これが、クロスカット=十字に切る です)、その部分に透明性の付着テープ(セロテープ)を張り付け、テープーを引き離して、テープに付着した塗膜の状況から判定するクロスカット法がありますから、適切です。



1 アとイ
2 イとウ
3 ウとエ
4 エとア


答え:4 (適切なのは、 エとア)  (ここも、過去問題をやっていると、正解は早い。)

問38

〔問 38〕鉄筋コンクリート造のマンションの建物外壁の補修工法に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 樹脂注入工法(注入工法)とは、ひび割れ部分の挙動が小さい場合に、ひび割れ部分にエポキシ樹脂等を注入する工法である。

○ 適切である。 平成21年 マンション管理士試験 「問39」 、 平成20年 マンション管理士試験 「問37」  など。
  樹脂注入工法(注入工法)とは、コンクリートでひび割れが発生した場合の補修工法で、ひび割れの幅が、比較的に小さい0.2mm~1.0mmなら、手動式のポンプを使ったり、自動低圧機や電動ポンプを使って建築補修用のエポキシ樹脂等をひび割れ部に注入する方法ですから、適切です。




2 Uカットシール材充填工法とは、ひび割れ部分の挙動が大きい場合に、ひび割れ部分をU宇型にカットして、その部分にシーリング材等を充填する工法である。

○ 適切である。
  Uカットシール材充填工法とは、ひび割れ幅が、1.0mm以上や挙動(温度差による動き)が大きくなると、選択肢1の樹脂注入工法(注入工法)ではなく、割れに対して、幅10mm、深さ10mm~15mmのU字型の溝を切って、清掃後、シーリング材や可撓性(かとうせい=動きに追随できるもの)のエポキシ樹脂を充填する工法ですから、適切です。




 
3 注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法とは、タイルやモルタル等の仕上げ層の浮き部分に、注入目付アンカーピンによりエポキシ樹脂を注入する工法である。 

○ 適切である。
  注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法とは、注入口付開脚式アンカーピンを使用し、コンクリート躯体と、浮いたモルタルやタイル仕上層を機械的に固定し、さらにエポキシ樹脂を注入し、剥落を防止しますから、適切です。



4 外壁複合改修構工法(ピンネット工法)とは、タイルやモルタル等の仕上げ層を張り替えた後、樹脂製のネットや金属製のアンカーピンを用いる工法である。

X 適切でない。 平成21年 マンション管理士試験 「問39」 。
  外壁複合改修構工法(ピンネット工法)(ネットバリアー工法)とは、外壁の剥落を防ぐものですから、適切ではありません。
  新しい壁面は、ポリマーセメントモルタルに立体網目構造不網布(リプレックスシート)を押さえ込んだネット層の上から、ステンレス製の特殊なアンカーピン(ノックスアンカーKNA)を躯体まで打ち込むことで仕上げ材の剥離、落下を防止します。 この工法は、既存仕上げ材の剥落を防止するとともに、耐久性にも優れた新規仕上げ層を形成することができる効果的な工法であり、従来の改修工法に比べて工事が簡素化でき、低コストで建物のリニューアルが実現できるなど、数多くの魅力を持っています。
 ピンネット工法は外壁(モルタル・タイル)は動くという視点から、浮き部位を接着させるという考えではなく、局部的にモルタルをピンでコンクリートに定着させ、そしてネットで補強して剥落を防止します。
外壁剥落防止工法として外壁複合改修構工法(ピンネット工法)外壁は温度変化や乾湿により絶えず伸縮を繰り返し、浮きやひび割れはこの伸縮が原因だといわれています。在来のエポキシ樹脂注入によるモルタル剥落防止工法とは全く異なった工法として確立してます。
 ピンネット工法とは、そういった外壁の落下事故を防ぐため、ピンでモルタルをコンクリートへ固定し、ひび割れたモルタルをネット層で補強することで、外壁の落下を防止する補修工法です。







答え:4 (ここは、他を知っていれば、なんとなく、4 を正解にした人は多いかも。)

問39

〔間 39〕「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(平成23年4月 国土交通省公表)に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 「修繕積立金の額の目安」において、専有床面積当たりの修繕積立金の額の平均値が記載されており、 15階未満のマンションについての平均値は、建築延床面積が大きいほど高くなる傾向にある。

X 適切ではない。  建築延床面積が大きいほど専有床面積当たりの修繕積立金の額の平均値は小さい。
  「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」なんてところからも出題されるとは、もう、マンション管理士試験は、何でも出題の範囲ということですか。
 「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」は、www.mlit.go.jp/common/001080837.pdf
 そこの、(2)修繕積立金の額の目安 の表によると、15階未満のマンションの建築延床面積についての平均値は、5,000㎡未満は、
218円/㎡・月 ですが、10,000㎡以上だと、178円/㎡・月 と建築延床面積が大きいほど、修繕積立金の額の平均値は小さくなっていますから、逆で、適切ではありません。
 


2 修繕積立金は、大規模修繕時に各区分所有者が行う専有部分のリフォーム工事に要する費用には充当されない。

○ 適切である。
 これは、もう、国土交通省の面倒なガイドラインを読むまでもなく、修繕積立金は計画的に共用部分(外壁、屋根等)の修繕を行うために積み立てていますから、専有部分のリフォームには使用しませんから、適切ではありません。


3 一般的に、機械式駐車場の1台当たり月額の修繕工事費(20年間の累計費用の目安を月額に換算した値)は、 2段(ピット1段)昇降式より4段(ピット2段)昇降横行式の方が高くなる傾向にある。

○ 適切である。
  これも、国土交通省の面倒なガイドラインを読むまでもなく、機械式は、維持にお金がかかり、複雑な構成になれば当然修繕費用も高くなるのは国土交通省に聞かなくても常識です。一応、該当の個所は、2段(ピット1段)昇降式では、7,085円/台・月 ですが、4段(ピット2段)昇降横行式は、 14,165円/台・月 と高くなっています。
 


4 外壁がタイル張りの場合は、劣化によるひび割れや浮きが発生するため、適時適切に調査・診断を行う必要があり、その修繕工事費は、劣化の状況により大きく変動する。

○ 適切である。
  これも、もう、常識の範囲で、適切です。該当の個所は、暇な時に調べてください。

  2017年8月13日 追記:高井様が調べてくれました。高井様有難うございます。
 該当の箇所は、
 「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」
  「5 修繕積立金の主な変動要因について
   ○仕上げ材や設備の仕様によって、修繕工事費や修繕周期が異なります。
    ・外壁については、一定期間ごとに塗り替えが必要な塗装仕上げの他、タイ ル張りのマンションも多くみられます。タイル張りの場合は、一定期間ご との塗り替えは必要ありませんが、劣化によるひび割れや浮きが発生する ため、塗装仕上げの場合と同様に適時適切に調査・診断を行う必要があり ます。修繕工事費は、劣化の状況により大きく変動します。」
 とあります。



答え:1 (こんな、常識的なガイドラインを、貴重な税金を使って作らせている国土交通省って、存在価値があるのでしょうか?)

問40

〔問 40〕マンションのパリアフリーに関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」では、廊下、階段等の建築物特定施設の修繕又は模様替をしようとするときは、建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなけれぱならないと定められている。

○ 適切である。
  「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」は、バリアフリー法とも呼ばれています。
 設問の文は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第16条
 「(特定建築物の建築主等の努力義務等)
  第十六条
    建築主等は、特定建築物(☆注:学校、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、ホテル、事務所、共同住宅、老人ホームその他の多数の者が利用する政令で定める建築物又はその部分をいい、これらに附属する建築物特定施設を含むものとする)(特別特定建築物(☆注:不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する特定建築物であって、移動等円滑化が特に必要なものとして政令で定めるものをいう)を除く。以下この条において同じ。)の建築(用途の変更をして特定建築物にすることを含む。次条第一項において同じ。)をしようとするときは、当該特定建築物を建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
    2 
建築主等は、特定建築物の建築物特定施設の修繕又は模様替をしようとするときは、当該建築物特定施設を建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない
    3 所管行政庁は、特定建築物について前二項に規定する措置の適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、建築主等に対し、建築物移動等円滑化基準を勘案して、特定建築物又はその建築物特定施設の設計及び施工に係る事項について必要な指導及び助言をすることができる。」
 とあり、
 2項の特定建築物の建築物特定施設とは、同法第2条18号
 「(定義)
  第二条
 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
       十八 
建築物特定施設 出入口、廊下、階段、エレベーター、便所、敷地内の通路、駐車場その他の建築物又はその敷地に設けられる施設で政令で定めるものをいう。」
 とあり、共に適切です。



2 建築物移動等円滑化基準では、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する階段は、踊場を含めて手すりを設けることと定められている。

X 適切でない。 踊場に手すりを設けるは入っていない。
  階段と手すりは、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令第12条
 「(階段)
  第十二条
    不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する階段は、次に掲げるものでなければならない。
     一 
踊場を除き、手すりを設けること。
     二 表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。
     三 踏面の端部とその周囲の部分との色の明度、色相又は彩度の差が大きいことにより段を容易に識別できるものとすること。
     四 段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものを設けない構造とすること。
     五 段がある部分の上端に近接する踊場の部分(不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用するものに限る。)には、視覚障害者に対し警告を行うために、点状ブロック等を敷設すること。ただし、視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通大臣が定める場合は、この限りでない。
     六 主たる階段は、回り階段(☆注:、「回り階段」とは、らせん階段や踊場部分に段を設けた階段のことであり、視覚障がい者等が方向感覚を失ったり、踏面の寸法が内側と外側で異なるために段を踏み外すなど、昇降動作と回転動作が同時に発生する危険が生じやすいことから、「主たる階段」を「回り階段」としてはならないことを規定している)でないこと。ただし、回り階段以外の階段を設ける空間を確保することが困難であるときは、この限りでない。」
 とあり、
 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する階段では、1号により、手すりを設けますが、踊り場を除きとあり、踊り場は除かれていますから、適切ではありません。(どうして、踊り場が除かれるのかは、暇な時に検討してください。) なお、手すりは、歩行困難者、高齢者、視覚障がい者等に対する歩行補助のため設けるものである。障がいが身体の左右どちらにある人でも利用できるよう、左右両側に設けることが望ましい。



3 長寿社会対応住宅設計指針は、加齢等による身体機能の低下や障害が生じた場合にも基本的にそのまま住み続けることができるような住宅の設計についての指針を示すもので、寸法、仕様等を定めた基準は、指針の補足基準として定められている。

○ 適切である。
  長寿社会対応住宅設計指針は、http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/sisin02.htm
  そこの、1 総則 1 指針の目的  この指針は、加齢等による身体機能の低下や障害が生じた場合にも基本的にそのまま住み続けることができるような住宅の設計について指針を示すことにより、高齢社会に対応した住宅ストックの形成を図ることを目的とする。」
 とあり、指針の補足基準は、http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/sisin03.htm
 によって、寸法、仕様が規定されていますから、適切です。



4 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」による評価方法基準では、高齢者等への配慮に関することが定められており、新築住宅の場合は、配慮の程度が1-5等級により表示され、高齢者等への配慮の程度が最も高い等級は5等級である。

○ 適切である。
  「住宅の品質確保の促進等に関する法律」による評価方法基準は、http://www.mlit.go.jp/common/000052957.pdf
  そこの、下の方、評価方法基準 9 に
 9 高齢者等への配慮に関すること (1) 適用範囲 新築住宅及び既存住宅について適用する。
  ロ 評価事項
   ① この性能表示事項において評価すべきものは、加齢等に伴う身体機能の低下等を考慮した移動等の安全性及び介助行為の容易性の高さとする。
   ② 各等級に要求される水準は、新築住宅にあっては次の表1、既存住宅にあっては次の表2の(い)項に掲げる等級に応じ、評価対象住戸における移動等の安全性及び評価対象住戸(日常生活空間外の空間及びバルコニーを除く。)における介助行為の容易性への配慮のために講じられた対策が、それぞれの表の(ろ)項に掲げる水準にあること。
 とあり、表1 によると、
等級1では、基本的な措置ですが、等級5では、特に配慮した措置となっていますから、適切です
 


答え:2 (選択肢2 の踊場が除かれているなんて、もう言いようがない出題です。)

問41

〔問 41〕マンションの避難計画に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 避難階とは、地上又は地上に準ずる避難上安全な場所に直接通ずる出入口のある階をいい、 1階以外の階が避難階となることがある。

○ 適切である。 平成20年 マンション管理士試験 「問20」 、 平成20年 管理業務主任者試験 「問18」 、 平成16年 マンション管理士試験 「21」 、 平成14年 マンション管理士試験 「問41」 。
  避難階は、建築基準法施行令第13条1号
 「(避難施設等の範囲)
  第十三条
   法第七条の六第一項の政令で定める避難施設、消火設備、排煙設備、非常用の照明装置、非常用の昇降機又は防火区画(以下この条及び次条において「避難施設等」という。)は、次に掲げるもの(当該工事に係る避難施設等がないものとした場合に第百十二条、第五章第二節から第四節まで、第百二十八条の三、第百二十九条の十三の三又は消防法施行令(昭和三十六年政令第三十七号)第十二条から第十五条までの規定による技術的基準に適合している建築物に係る当該避難施設等を除く。)とする。
     一 
避難階(直接地上へ通ずる出入口のある階をいう。以下同じ。)以外の階にあつては居室から第百二十条又は第百二十一条の直通階段に、避難階にあつては階段又は居室から屋外への出口に通ずる出入口及び廊下その他の通路」
 とあり、
 直接地上へ通ずる出入口のある階のことで、通常は、1階が想定されますが、建物が斜面に建築されているような場合には、2階などでも、直接地上へ通ずる出入口のある階となりますから、適切です。



2 避難階以外の階(その階の居室の床面積の合計が100㎡以内のものを除く。)では、その階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。

○ 適切である。
  避難階以外の階では、建築基準法施行令第121条1項、5号
 「(二以上の直通階段を設ける場合)
  第百二十一条
    
建築物の避難階以外の階が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その階から避難階又は地上に通ずる二以上の直通階段を設けなければならない
       一 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂又は集会場の用途に供する階でその階に客席、集会室その他これらに類するものを有するもの
       二 物品販売業を営む店舗(床面積の合計が千五百平方メートルを超えるものに限る。第百二十二条第二項、第百二十四条第一項及び第百二十五条第三項において同じ。)の用途に供する階でその階に売場を有するもの
       三 次に掲げる用途に供する階でその階に客席、客室その他これらに類するものを有するもの(五階以下の階で、その階の居室の床面積の合計が百平方メートルを超えず、かつ、その階に避難上有効なバルコニー、屋外通路その他これらに類するもの及びその階から避難階又は地上に通ずる直通階段で第百二十三条第二項又は第三項の規定に適合するものが設けられているもの並びに避難階の直上階又は直下階である五階以下の階でその階の居室の床面積の合計が百平方メートルを超えないものを除く。)
         イ キャバレー、カフェー、ナイトクラブ又はバー
         ロ 個室付浴場業その他客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業を営む施設
         ハ ヌードスタジオその他これに類する興行場(劇場、映画館又は演芸場に該当するものを除く。)
         ニ 専ら異性を同伴する客の休憩の用に供する施設
         ホ 店舗型電話異性紹介営業その他これに類する営業を営む店舗
      四 病院若しくは診療所の用途に供する階でその階における病室の床面積の合計又は児童福祉施設等の用途に供する階でその階における児童福祉施設等の主たる用途に供する居室の床面積の合計が、それぞれ五十平方メートルを超えるもの
      五 ホテル、旅館若しくは下宿の用途に供する階でその階における宿泊室の床面積の合計、
共同住宅の用途に供する階でその階における居室の床面積の合計又は寄宿舎の用途に供する階でその階における寝室の床面積の合計が、それぞれ百平方メートルを超えるもの
      六 前各号に掲げる階以外の階で次のイ又はロに該当するもの
        イ 六階以上の階でその階に居室を有するもの(第一号から第四号までに掲げる用途に供する階以外の階で、その階の居室の床面積の合計が百平方メートルを超えず、かつ、その階に避難上有効なバルコニー、屋外通路その他これらに類するもの及びその階から避難階又は地上に通ずる直通階段で第百二十三条第二項又は第三項の規定に適合するものが設けられているものを除く。)
        ロ 五階以下の階でその階における居室の床面積の合計が避難階の直上階にあつては二百平方メートルを、その他の階にあつては百平方メートルを超えるもの
   2 主要構造部が準耐火構造であるか、又は不燃材料で造られている建築物について前項の規定を適用する場合には、同項中「五十平方メートル」とあるのは「百平方メートル」と、「百平方メートル」とあるのは「二百平方メートル」と、「二百平方メートル」とあるのは「四百平方メートル」とする。
   3 第一項の規定により避難階又は地上に通ずる二以上の直通階段を設ける場合において、居室の各部分から各直通階段に至る通常の歩行経路のすべてに共通の重複区間があるときにおける当該重複区間の長さは、前条に規定する歩行距離の数値の二分の一をこえてはならない。ただし、居室の各部分から、当該重複区間を経由しないで、避難上有効なバルコニー、屋外通路その他これらに類するものに避難することができる場合は、この限りでない。」
 とあり、
 マンションは共同住宅として、1項5号により、その階における居室の床面積の合計が100㎡を超えると、その階から避難階又は地上に通ずる二以上の直通階段を設けなければなりませんから、適切です。(なお、建築基準法施行令第121条1項3号の ロ~ニ などは記憶する必要がありませんから。)



3 敷地内には、屋外に設ける避難階段及び避難階における屋外への出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が1.2 m以上の通路を設けなければならない。

X 適切でない。 避難階の出口から、道等までの通路の幅は、1.5m以上です。 
  それは、建築基準法施行令第128条
 「(敷地内の通路)
  第百二十八条
 敷地内には、第百二十三条第二項の屋外に設ける避難階段及び第百二十五条第一項の出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる
幅員が一・五メートル以上の通路を設けなければならない。」
 とあり、
 幅員は、1.2m以上ではなく、1.5m以上ですから、適切ではありません。
 因みに、引用されていますのは、
 「第百二十三条第二項
  (避難階段及び特別避難階段の構造)
   第百二十三条  屋内に設ける避難階段は、次に定める構造としなければならない。
     2  屋外に設ける避難階段は、次に定める構造としなければならない。
       一  階段は、その階段に通ずる出入口以外の開口部(開口面積が各々一平方メートル以内で、法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備ではめごろし戸であるものが設けられたものを除く。)から二メートル以上の距離に設けること。
       二  屋内から階段に通ずる出入口には、前項第六号の防火設備を設けること。
       三  階段は、耐火構造とし、地上まで直通すること。」 と
 「第百二十五条第一項
  (屋外への出口)
   第百二十五条  避難階においては、階段から屋外への出口の一に至る歩行距離は第百二十条に規定する数値以下と、居室(避難上有効な開口部を有するものを除く。)の各部分から屋外への出口の一に至る歩行距離は同条に規定する数値の二倍以下としなければならない。 」 です。



4 避難階段には、屋外に設けるものと屋内に設けるものがあり、その構造は、耐火構造としなければならない。

○ 適切である。
  まず、避難階段には、屋外に設けるものと屋内に設けるものがあります。
 それは、上の選択肢3でも引用しました、建築基準法施行令第123条、
 「(避難階段及び特別避難階段の構造)
   第百二十三条  
屋内に設ける避難階段は、次に定める構造としなければならない。
       一  階段室は、第四号の開口部、第五号の窓又は第六号の出入口の部分を除き、耐火構造の壁で囲むこと。
       二  階段室の天井(天井のない場合にあつては、屋根。第三項第三号において同じ。)及び壁の室内に面する部分は、仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ること。
       三  階段室には、窓その他の採光上有効な開口部又は予備電源を有する照明設備を設けること。
       四  階段室の屋外に面する壁に設ける開口部(開口面積が各々一平方メートル以内で、法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備ではめごろし戸であるものが設けられたものを除く。)は、階段室以外の当該建築物の部分に設けた開口部並びに階段室以外の当該建築物の壁及び屋根(耐火構造の壁及び屋根を除く。)から九十センチメートル以上の距離に設けること。ただし、第百十二条第十項ただし書に規定する場合は、この限りでない。
       五  階段室の屋内に面する壁に窓を設ける場合においては、その面積は、各々一平方メートル以内とし、かつ、法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備ではめごろし戸であるものを設けること。
       六  階段に通ずる出入口には、法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備で第百十二条第十四項第二号 に規定する構造であるものを設けること。この場合において、直接手で開くことができ、かつ、自動的に閉鎖する戸又は戸の部分は、避難の方向に開くことができるものとすること。
       七  
階段は、耐火構造とし、避難階まで直通すること
    2  
屋外に設ける避難階段は、次に定める構造としなければならない。
       一  階段は、その階段に通ずる出入口以外の開口部(開口面積が各々一平方メートル以内で、法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備ではめごろし戸であるものが設けられたものを除く。)から二メートル以上の距離に設けること。
       二  屋内から階段に通ずる出入口には、前項第六号の防火設備を設けること。
       三  
階段は、耐火構造とし、地上まで直通すること
    3  特別避難階段は、次に定める構造としなければならない。
       一  屋内と階段室とは、バルコニー又は外気に向かつて開くことができる窓若しくは排煙設備(国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものに限る。)を有する付室を通じて連絡すること。
       二  階段室、バルコニー及び付室は、第五号の開口部、第七号の窓又は第九号の出入口の部分(第百二十九条の十三の三第三項に規定する非常用エレベーターの乗降ロビーの用に供するバルコニー又は付室にあつては、当該エレベーターの昇降路の出入口の部分を含む。)を除き、耐火構造の壁で囲むこと。
       三  階段室及び付室の天井及び壁の室内に面する部分は、仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ること。
       四  階段室には、付室に面する窓その他の採光上有効な開口部又は予備電源を有する照明設備を設けること。
       五  階段室、バルコニー又は付室の屋外に面する壁に設ける開口部(開口面積が各々一平方メートル以内で、法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備ではめごろし戸であるものが設けられたものを除く。)は、階段室、バルコニー又は付室以外の当該建築物の部分に設けた開口部並びに階段室、バルコニー又は付室以外の当該建築物の部分の壁及び屋根(耐火構造の壁及び屋根を除く。)から九十センチメートル以上の距離にある部分で、延焼のおそれのある部分以外の部分に設けること。ただし、第百十二条第十項ただし書に規定する場合は、この限りでない。
       六  階段室には、バルコニー及び付室に面する部分以外に屋内に面して開口部を設けないこと。
       七  階段室のバルコニー又は付室に面する部分に窓を設ける場合においては、はめごろし戸を設けること。
       八  バルコニー及び付室には、階段室以外の屋内に面する壁に出入口以外の開口部を設けないこと。
       九  屋内からバルコニー又は付室に通ずる出入口には第一項第六号の特定防火設備を、バルコニー又は付室から階段室に通ずる出入口には同号の防火設備を設けること。
       十  階段は、耐火構造とし、避難階まで直通すること。
       十一  建築物の十五階以上の階又は地下三階以下の階に通ずる特別避難階段の十五階以上の各階又は地下三階以下の各階における階段室及びこれと屋内とを連絡するバルコニー又は付室の床面積(バルコニーで床面積がないものにあつては、床部分の面積)の合計は、当該階に設ける各居室の床面積に、法別表第一(い)欄(一)項又は(四)項に掲げる用途に供する居室にあつては百分の八、その他の居室にあつては百分の三を乗じたものの合計以上とすること。 」
 とあり、
 1項では屋内に設ける避難階段を規定し、2項では屋外に設ける避難階段を規定していますから、適切です。
 その構造は、屋内に設ける避難階段では、1項7号で、また、屋外に設ける避難階段では2項3号で、共に「階段は、耐火構造とし、地上まで直通すること」となっていますから、これも適切ですから、全体として、適切です。
 


答え:3 (通路の幅が、1.2m以上ではなく、1.5m以上が正解とは、30cmの違いをどうしろという出題でしょうか? 平成20年でも出題していますが、まったく、試験のためだけの出題です。)

問42

〔問 42〕耐震基準並びに耐震診断及び耐震改修に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 「建築基準法」に規定される耐震基準について、新潟地震及び十勝沖地震の被害状況を踏まえて、昭和46年に、鉄筋コンクリート造の柱のせん断補強筋に関する規定が強化され、柱の帯筋の間隔を狭めるという改正が行われている。

○ 適切である。平成22年 マンション管理士試験 「問42」 、 平成20年 管理業務主任者試験 「問22」 、 平成18年 マンション管理士試験 「問40」 
  そう。日本では、つい最近の2011年(平成23年)3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震だけでなく、地震による家屋の倒壊等の被害は大きくて、地震の発生の度に多くの貴重な生命・財産が奪われています。そこで、建築基準法と耐震の歴史をみると1964年(昭和39年)に発生した新潟地震と1968年(昭和43年)に発生した十勝沖地震等の被害を教訓にして、1971年
(昭和46年)に鉄筋コンクリート造(RC造)の柱の帯筋の基準を強化し、また1981年(昭和56年)には、新耐震基準の改正もあります。さらに、1995年(平成7年)に発生した阪神・淡路大震災を教訓にした「建築物の耐震改修の促進に関する法律」があるのですが、平成18年にこの法律の改正があり、関係する建築基準法も震度6強から7程度までの耐震基準となっていますから、適切です。


2 「建築物の耐震改修の促進に関する法律」では、現行の耐震関係規定に適合しないマンションで、その敷地が都道府県耐震改修促進計画に記載された道路に接する場合において、当該道路(幅員が12m)の境界線から水平距離が10mの地点で建築物の部分の高さが22mのものは、耐震診断を行い、必要に応じ、耐震改修を行うよう努めなければならないとされている特定建築物に該当しない。

X 適切でない。 特定建築物に該当する。
  平成23年 管理業務主任者試験 「問21」 。
  選択肢1で述べましたように、地震に対する備えとして制定されました「建築物の耐震改修の促進に関する法律」も2006年(平成18年}に改正され、耐震化の促進が大きな目標となり、住宅と特定建築物では平成27年には、少なくとも9割の建物が耐震化することにしています。また、地方公共団体による耐震改修促進計画として、道路を閉塞させる住宅・建築物を追加・改正しています。
 それが、建築物の耐震改修の促進に関する法律第6条
 「(特定建築物の所有者の努力)
  第六条
 次に掲げる建築物のうち、地震に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定(第八条において「耐震関係規定」という。)に適合しない建築物で同法第三条第二項の規定の適用を受けているもの(以下「特定建築物」という。)の所有者は、当該特定建築物について耐震診断を行い、必要に応じ、当該特定建築物について耐震改修を行うよう努めなければならない。
       一 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、老人ホームその他多数の者が利用する建築物で政令で定めるものであって政令で定める規模以上のもの
       二 火薬類、石油類その他政令で定める危険物であって政令で定める数量以上のものの貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物
       三 地震によって倒壊した場合においてその敷地に接する道路の通行を妨げ、多数の者の円滑な避難を困難とするおそれがあるものとして政令で定める建築物であって、その
敷地が前条第三項第一号の規定により都道府県耐震改修促進計画に記載された道路に接するもの
 とあり、
 3号の前条3項1号は、
 「第5条3項1号
    3 都道府県は、次の各号に掲げる場合には、前項第二号に掲げる事項に、当該各号に定める事項を記載することができる。
        一 建築物が地震によって倒壊した場合においてその敷地に接する道路の通行を妨げ、多数の者の円滑な避難を困難とすることを防止するため、当該道路にその敷地が接する建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図ることが必要と認められる場合 当該耐震診断及び耐震改修の促進を図るべき建築物の敷地に接する道路に関する事項」
 とあり、政令は、
 建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令第4条
 「(多数の者の円滑な避難を困難とするおそれがある特定建築物の要件)
  第四条  法第六条第三号 の政令で定める建築物は、
そのいずれかの部分の高さが、当該部分から前面道路の境界線までの水平距離に、次の各号に掲げる当該前面道路の幅員に応じ、それぞれ当該各号に定める距離を加えたものを超える建築物とする。
       一  十二メートル以下の場合 六メートル
       二  十二メートルを超える場合 前面道路の幅員の二分の一に相当する距離

 です。


 そこで、設問の「当該道路(幅員が12m)の境界線から水平距離が10mの地点で建築物の部分の高さが22mのもの」は、1号に該当し、前面道路の幅員が12m以下ですから、水平距離 10m + 6m =16m となり、16mまでなら該当しませんが、高さが 22m ですから、該当するので、適切ではありません。


3 「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に基づき平成18年に策定された「建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針」 (以下この問いにおいて「基本的な方針」という。)では、住宅の耐震化率及び多数の者が利用する建築物の耐震化率について、平成27年までに少なくとも9割にすることが目標とされている。

○ 適切である。
  建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針」は、http://www.mlit.go.jp/common/000188408.pdf
 ここの、P7 に
 「建築物の耐震診断及び耐震改修の目標の設定 
  東海、東南海・南海地震に関する地震防災戦略(中央防災会議決定)において、十年後に死者数及び経済被害額を被害想定から半減させることが目標とされたことを踏まえ、住宅の耐震化率及び多数の者が利用する建築物の耐震化率について、
現状の約七十五%を、平成二十七年までに少なくとも九割にすることを目標とする。耐震化率を九割とするためには、今後、少なくとも住宅の耐震化は約六百五十万戸(うち耐震改修は約百万戸)、多数の者が利用する建築物の耐震化は約五万棟(うち耐震改修は約三万棟)とする必要があり、建替え促進を図るとともに、現在の耐震改修のペースを二倍ないし三倍にすることが必要となる。」
 とあり、
 住宅の耐震化率及び多数の者が利用する建築物の耐震化率について、平成27年までに少なくとも9割にすることが目標とされていますから、適切です。


4 「基本的な方針」によれば、建築物の構造耐力上主要な部分についての耐震診断の結果において、 「各階の構造耐震指標」 (Is)が0.6、かつ、「各階の保有水平耐力に係る指標」 (q)が1.0のものは、地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い。

○ 適切である。 平成20年 管理業務主任者試験 「問22」、 平成20年 管理業務主任者試験 「問28」 、平成18年 マンション管理士試験 「問40」 。
   建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針」:http://www.mlit.go.jp/common/000188408.pdf
 の別表第6(三) P.50
 「
Is(各階の構造耐震指標)が0.6以上の場合で、かつ、q(各階の保有水平耐力に係る指標)が1.0以上の場合...地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い。」とあり、適切です。
 なお、Is(各階の構造耐震指標)が0.3未満で、q(各階の保有水平耐力に係る指標)が0.5未満だと...地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高くなりますから注意してください。
 



答え:2 (まったく、どこにあるのか、根拠を探すのに、時間がかかる。)

問43

〔問 43〕マンションの給水設備計画に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 給水設備の計画において、居住者1人当たりの1日の使用水量を100ℓとした。 

X 適切でない。
居住者1人当たりの1日の使用水量は、200ℓ~350ℓが目安。
  給水関係も過去から出題は多い。 平成20年 マンション管理士試験 「問43」 、 平成19年 マンション管理士試験 「問45」 など。
  
居住者1人当たりの1日の使用水量は、200ℓ~350ℓが目安ですから、100ℓは少なくて適切ではありません。




2 ウォーターハンマーを防止するため、給水管内の流速を1.5 m/sに抑え、ウォーターハンマー防止装置を水栓等の近くに設置した。

○ 適切である。
  ウォーターハンマー(水撃)現象とは、水圧管内の水流を急に締め切ったときに、水の慣性で管内に衝撃と高水圧が発生する現象で、弁の閉鎖や配管の充水時、ポンプの急停止といった急激な圧力変化によって生じ、台所のシングルレバー水栓や全自動洗濯機の使用時などで”ドン”とか”ガン”といった衝撃音が水道管に発生します。
  そこで、ウォーターハンマー(水撃)現象を防止するには、
給水管内の流速は、1.5m/s~2.0m/s以下が望ましく、ウォーターハンマー防止装置を水栓等の近くに設置するのは適切です。


3 ポンプ直送給水方式の受水槽の底部に設置する水抜き管とその排水を受ける排水管との間に設ける排水口空間の垂直距離を最小150mmとした。

○ 適切である。 平成17年 管理業務主任者試験 「問22」 。
  受水槽(タンク)及びその配管は飲料水を扱うため、設置基準が厳しく定められています。
  まず、建築基準法施行令129条の2の5
 「(給水、排水その他の配管設備の設置及び構造)
  第百二十九条の二の五  建築物に設ける給水、排水その他の配管設備の設置及び構造は、次に定めるところによらなければならない。
       一  コンクリートへの埋設等により腐食するおそれのある部分には、その材質に応じ有効な腐食防止のための措置を講ずること。
       二  構造耐力上主要な部分を貫通して配管する場合においては、建築物の構造耐力上支障を生じないようにすること。
       三  第百二十九条の三第一項第一号又は第三号に掲げる昇降機の昇降路内に設けないこと。ただし、地震時においても昇降機のかご(人又は物を乗せ昇降する部分をいう。以下同じ。)の昇降、かご及び出入口の戸の開閉その他の昇降機の機能並びに配管設備の機能に支障が生じないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの及び国土交通大臣の認定を受けたものは、この限りでない。
       四  圧力タンク及び給湯設備には、有効な安全装置を設けること。
       五  水質、温度その他の特性に応じて安全上、防火上及び衛生上支障のない構造とすること。
       六  地階を除く階数が三以上である建築物、地階に居室を有する建築物又は延べ面積が三千平方メートルを超える建築物に設ける換気、暖房又は冷房の設備の風道及びダストシュート、メールシュート、リネンシュートその他これらに類するもの(屋外に面する部分その他防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分を除く。)は、不燃材料で造ること。
       七  給水管、配電管その他の管が、第百十二条第十五項の準耐火構造の防火区画、第百十三条第一項の防火壁、第百十四条第一項の界壁、同条第二項の間仕切壁又は同条第三項若しくは第四項の隔壁(以下この号において「防火区画等」という。)を貫通する場合においては、これらの管の構造は、次のイからハまでのいずれかに適合するものとすること。ただし、第百十五条の二の二第一項第一号に掲げる基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で建築物の他の部分と区画されたパイプシャフト、パイプダクトその他これらに類するものの中にある部分については、この限りでない。
          イ 給水管、配電管その他の管の貫通する部分及び当該貫通する部分からそれぞれ両側に一メートル以内の距離にある部分を不燃材料で造ること。
          ロ 給水管、配電管その他の管の外径が、当該管の用途、材質その他の事項に応じて国土交通大臣が定める数値未満であること。
          ハ 防火区画等を貫通する管に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後二十分間(第百十二条第一項から第四項まで、同条第五項(同条第六項の規定により床面積の合計二百平方メートル以内ごとに区画する場合又は同条第七項の規定により床面積の合計五百平方メートル以内ごとに区画する場合に限る。)、同条第八項(同条第六項の規定により床面積の合計二百平方メートル以内ごとに区画する場合又は同条第七項の規定により床面積の合計五百平方メートル以内ごとに区画する場合に限る。)若しくは同条第十三項の規定による準耐火構造の床若しくは壁又は第百十三条第一項の防火壁にあつては一時間、第百十四条第一項の界壁、同条第二項の間仕切壁又は同条第三項若しくは第四項の隔壁にあつては四十五分間)防火区画等の加熱側の反対側に火炎を出す原因となるき裂その他の損傷を生じないものとして、国土交通大臣の認定を受けたものであること。
       八  三階以上の階を共同住宅の用途に供する建築物の住戸に設けるガスの配管設備は、国土交通大臣が安全を確保するために必要があると認めて定める基準によること。
     2  建築物に設ける飲料水の配管設備(水道法第三条第九項 に規定する給水装置に該当する配管設備を除く。)の設置及び構造は、前項の規定によるほか、次に定めるところによらなければならない。
        一  飲料水の配管設備(これと給水系統を同じくする配管設備を含む。この号から第三号までにおいて同じ。)とその他の配管設備とは、直接連結させないこと。
        二  水槽、流しその他水を入れ、又は受ける設備に給水する飲料水の配管設備の水栓の開口部にあつては、これらの設備のあふれ面と水栓の開口部との垂直距離を適当に保つ等有効な水の逆流防止のための措置を講ずること。
        三  飲料水の配管設備の構造は、次に掲げる基準に適合するものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであること。
          イ 当該配管設備から漏水しないものであること。
          ロ 当該配管設備から溶出する物質によつて汚染されないものであること。
        四  給水管の凍結による破壊のおそれのある部分には、有効な防凍のための措置を講ずること。
        五  給水タンク及び貯水タンクは、ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造とし、金属性のものにあつては、衛生上支障のないように有効なさび止めのための措置を講ずること。
        六  前各号に定めるもののほか、安全上及び衛生上支障のないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものであること。
    3  建築物に設ける排水のための配管設備の設置及び構造は、第一項の規定によるほか、次に定めるところによらなければならない。
        一  排出すべき雨水又は汚水の量及び水質に応じ有効な容量、傾斜及び材質を有すること。
        二  配管設備には、排水トラップ、通気管等を設置する等衛生上必要な措置を講ずること。
        三  配管設備の末端は、公共下水道、都市下水路その他の排水施設に排水上有効に連結すること。
        四  汚水に接する部分は、不浸透質の耐水材料で造ること。
        五  前各号に定めるもののほか、安全上及び衛生上支障のないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものであること。」
 とあり、
 これを受け、建設省告示第1597号 もありますが、詳細なのは、空気調和・衛生工学会の規格で、「
各種の飲料用貯水タンクなどの間接排水管の吐水口空間は、最小150 mm とする。」
 とあるようで、適切です。




4 専有部分の浴室のシャワーにおいて、給水に支障が生じないようにするために、必要給水圧力を70kPaとした。

○ 適切である。 
  kPa(キロパスカル)は、圧力の単位です。詳細は、過去問題の解説を参考に別途勉強してください。
  浴室のシャワーにおいて、給水に支障が生じないようにするために、
必要給水圧力は40kPa~160kPaとしますから、70kPaは適切です。


答え:1 (ここは、過去問題をやっていれば、正解はすぐ分かる?)

問44

〔問 44〕マンションの排水設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管の接続には、管端部にねじ込み式の継手を用いる。

X 適切でない。 MD継手。
  排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管は、鋼管が薄いので、ねじ込み式の継手が使用できません。そこで、ボルトで締めるMD継手(Mechanical Drainage、メカニカル接合型、排水鋼管用可とう継手、MDジョイント)と呼ばれる継手や、MD継手の改良型が使用されていますから、適切ではありません。



2 専有部分の洗濯機からの排水を受ける防水パンに逆わんトラップを設置し、排水横枝管に排水させる。

○ 適切である。
  トラップ(わな)の目的は、トラップ内に水(封水)を溜めて、排水管から臭いや害虫が室内に侵入しないようにします。その封水の深さは、50mm以上100mm以内と決められています。
 逆わんトラップとは、椀(わん)型トラップのわんを逆さにした形状のもので、ユニットバスルームの床排水や洗濯機からの排水を受ける防水パンに用いられています。そこから、排水横枝管に排水させるのも適切です。






3 敷地内に設置させる排水横主管の管径が125mmの場合、円滑に排水を流すために最小勾配を1/150とする。

○ 適切である。
  管径と勾配の関係は、

管径(mm) 勾配
65以下 1/50
75、100 1/100
125 1/150
200以上 1/200

 で、管径が125mmの場合、円滑に排水を流すために最小勾配を1/150とするのは、適切です。
 管径と勾配の関係は、勾配が緩やかだと排水がよどみ、急すぎると固形物が十分に流れないこともあります。
 一般に排水管径が太いと緩やかな勾配とし、排水横枝管に繋がる、例えば100mmぐらいある太い大便器などでは緩やかな1/50勾配で、細い管径30mmの手洗いでは、1/15の勾配です。



4 排水立て管の清掃時に清掃ノズルを挿入する掃除口を3~5階以内の間隔で設ける。

○ 適切である。 平成23年 マンション管理士試験 「問44」 、 平成21年 マンション管理士試験 「問44」 。
  排水立て管には、最上階又は屋上、最下階、及び3階以内おきの中間階又は15m以内(大体5階程度)ごとに、掃除口を設けることが望ましくて、適切です。


答え:1 (ここの、選択肢1 は管の特徴が分からないと難しい。)

問45

〔問 45〕マンションの設備機器に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 住宅情報システム等において使用されるバイオメトリクス式の電気錠では、指紋、顔、手のひら等を認証し、施錠や開錠を行う。

○ 適切である。
  バイオメトリクス式(生体認識、生体認証)の電気錠が出題されるとは、新しい。
  電気錠は、今までのような鍵を使用しないで、電気的な信号により、錠をかけたたり、外したりします。鍵の代わりに使用する方法(媒体)も、磁気カード、ICカード、テンキー、指紋、静脈、顔、手のひらなど様々です。その中で、指紋や顔など人間の体の一部(生体)で認証する方法をバイオメトリクス(Biometrics)式の電気錠と呼んでいます。適切です。




2 専有部分と共用部分の使用電力について、管理組合と電力会社(電気事業法第2条に規定する一般電気事業者をいう。以下この問において同じ。)が一括して高圧電力の需給契約を締結する場合、電力会社は各戸の電力量計の保安の責任を負わない。

X 適切でない。→→ ○ 適切である。 (2013年 2月24日;修正)
  平成22年 管理業務主任者試験 「問25」 、 平成20年 マンション管理士試験 「問45」 、平成18年 マンション管理士試験 「問44」 。
  以前からある、戸別電力契約と異なり、管理組合とその地域の電力供給会社(東京電力など)とが一括して高圧電力の需給契約を締結すると、その地域の電力供給会社は、管理組合の電気室に電力を送るだけで、マンション内にある、各戸のアンペア・ブレーカーや電力量計(メーター)の保安は、管理組合が行うことになりますから、適切です。この方式(マンション一括受電サービス)にすると、多くの場合、電気料金が削減できます。(出題意図を、間違えていました。)



3 消火器具等の機器点検を、消防用設備等の配線の総合点検と併せて行う場合、1年に1回実施する。

X 適切でない。 消火器具等の機器点検は6ヶ月ごと。総合点検は、1年に1回行う。
  ここも、過去からよく出ています。 平成23年 マンション管理士試験 「問45」 、 平成19年 マンション管理士試験 「問44」 、 平成17年 マンション管理士試験 「問25」 、 平成13年 マンション管理士試験 「問24」 。
  消火器具等の機器点検は、消防法17条の3の3
 「第十七条の三の二  第十七条第一項の防火対象物のうち特定防火対象物その他の政令で定めるものの関係者は、同項の政令若しくはこれに基づく命令若しくは同条第二項の規定に基づく条例で定める技術上の基準(第十七条の二の五第一項前段又は前条第一項前段に規定する場合には、それぞれ第十七条の二の五第一項後段又は前条第一項後段の規定により適用されることとなる技術上の基準とする。以下「設備等技術基準」という。)又は設備等設置維持計画に従つて設置しなければならない
消防用設備等又は特殊消防用設備等(政令で定めるものを除く。)を設置したときは、総務省令で定めるところにより、その旨を消防長又は消防署長に届け出て、検査を受けなければならない。 」
 とあり、
 これを受けて、消防法施行規則31条の6
 「(消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)
  第三十一条の六  法第十七条の三の三 の規定による
消防用設備等の点検は、種類及び点検内容に応じて、一年以内で消防庁長官が定める期間ごとに行うものとする。
    2  法第十七条の三の三 の規定による特殊消防用設備等の点検は、第三十一条の三の二第六号の設備等設置維持計画に定める点検の期間ごとに行うものとする。
    3  防火対象物の関係者は、前二項の規定により点検を行つた結果を、維持台帳(第三十一条の三第一項及び第三十三条の十八の届出に係る書類の写し、第三十一条の三第四項の検査済証、次項の報告書の写し、消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事、整備等の経過一覧表その他消防用設備等又は特殊消防用設備等の維持管理に必要な書類を編冊したものをいう。)に記録するとともに、次の各号に掲げる防火対象物の区分に従い、当該各号に定める期間ごとに消防長又は消防署長に報告しなければならない。ただし、特殊消防用設備等にあつては、第三十一条の三の二第六号の設備等設置維持計画に定める点検の結果についての報告の期間ごとに報告するものとする。
       一  令別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イ、(十六の二)項及び(十六の三)項に掲げる防火対象物 一年に一回
       二  令別表第一(五)項ロ、(七)項、(八)項、(九)項ロ、(十)項から(十五)項まで、(十六)項ロ、(十七)項及び(十八)項までに掲げる防火対象物 三年に一回
    4  法第十七条の三の三 の規定による点検の方法及び点検の結果についての報告書の様式は、消防庁長官が定める。
    5  法第十七条の三の三 の規定により消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者が点検を行うことができる消防用設備等又は特殊消防用設備等の種類は、消防庁長官が定める。
    6  法第十七条の三の三 に規定する総務省令で定める資格を有する者は、次の各号のいずれかに該当する者で、消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検に関し必要な知識及び技能を修得することができる講習であつて、消防庁長官の登録を受けた法人(以下この条及び次条において「登録講習機関」という。)の行うものの課程を修了し、当該登録講習機関が発行する消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検に関し必要な知識及び技能を修得したことを証する書類(次項及び次条第二項において「免状」という。)の交付を受けている者(次項及び次条第二項において「消防設備点検資格者」という。)とする。
       一  法第十七条の六 に規定する消防設備士
       二  電気工事士法 (昭和三十五年法律第百三十九号)第三条 に規定する電気工事士
       三  建設業法 (昭和二十四年法律第百号)第二十七条 並びに建設業法施行令 (昭和三十一年政令第二百七十三号)第二十七条の三 及び第二十七条の八 に規定する管工事施工管理技士
       四  水道法 (昭和三十二年法律第百七十七号)第十二条 及び水道法施行令 (昭和三十二年政令第三百三十六号)第三条 に規定する水道布設工事監督者の資格を有する者
       五  建築基準法第十二条第一項 又は第三項 に規定する国土交通大臣が定める資格を有する者
       六  建築士法第二条第二項 に規定する一級建築士又は同条第三項 に規定する二級建築士
       七  学校教育法 による大学若しくは高等専門学校、旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号 )による大学又は旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号 )による専門学校において機械、電気、工業化学、土木又は建築に関する学科を修めて卒業した後消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について一年以上の実務の経験を有する者
       八  学校教育法 による高等学校若しくは中等教育学校又は旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号 )による中等学校において機械、電気、工業化学、土木又は建築に関する学科を修めて卒業した後消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について二年以上の実務の経験を有する者
       九  消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について五年以上の実務の経験を有する者
       十  前各号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると消防庁長官が認める者
    7  消防設備点検資格者は、次の各号のいずれかに該当するときは、その資格を失うものとする。
       一  成年被後見人又は被保佐人となつたとき。
       二  禁錮以上の刑に処せられたとき。
       三  法に違反し、罰金の刑に処せられたとき。
       四  消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検を適正に行つていないことが判明したとき。
       五  資格、学歴、実務の経験等を偽つたことが判明したとき。
       六  消防庁長官が定める期間ごとに登録講習機関の講習を修了し、当該登録講習機関が発行する免状の交付を受けなかつたとき。」
 とあり、
 消防庁告示第9号(平成16年5月31日)により、下の 表第三 にありますように、
消火器具等の機器点検は6か月に1回行うことになっており、配線の総合点検と併せてて1年に1回行うことは、適切ではありません。



4 高さ20mを超える建物には、落雷による損傷の危険を減少させるため、周囲の状況に応じて安全上支障がない場合を除いて、有効に避雷設備を設けなければならない。 

○ 適切である。 過去も出題多い。 平成22年 マンション管理士試験 「問20」 、 平成20年 マンション管理士試験 「問21」 、 平成18年 マンション管理士試験 「問21」 など。
  避雷設備は、建築基準法第33条
 「(避雷設備)
  第三十三条  
高さ二十メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。 」
 とあり、
 20m超の建物には、設置しますから、適切です。
 なお、建築基準法施行令第129条の14
 「(設置)
  第百二十九条の十四  
法第三十三条 の規定による避雷設備は、建築物の高さ二十メートルをこえる部分を雷撃から保護するように設けなければならない。」もあります。



答え:3 (ここは、過去問題をやっていれば、選択肢1はパスしても、正解はできる?)

問46

〔問 46〕マンションに関する次の記述のうち、マンション管理適正化法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。


 *注:問46から問50までは、マンション管理士試験か管理業務主任者試験の合格者には免除される部分です。また、この問46から問50は、「マンション管理適正化法」と同指針からの出題と決まっていますので、出題は似たような内容となります。過去問題はやっておくと楽です。


1 専有部分のある建物を新築して、分譲しようとする者が建物の専有部分の全部を所有し、かつ敷地利用権を単独で有する状態にある場合には、マンション管理適正化法の対象から除かれる。

○ 正しい。
  マンション管理適正化法はマンション管理士という資格を創設し、またマンション管理業者の登録制度を創設するのが目的の法律です(第1条参照)。
 そこで、区分所有法の対象には、住居専用だけでなく、店舗ビルや事務所ビルも入っています(区分所有法第1条参照)が、マンション管理適正化法では、区分所有法をもとにしながら、その内の ①2人以上の区分所有者がいて、 ②居住用の専有部分が1つでもあること を「マンション」として、マンション管理適正化法の対象にしています。
 それが、定義を定めたマンション管理適正化法第2条
 「(定義) 
  第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。
       一  
マンション 次に掲げるものをいう。
         イ 
二以上の区分所有者(建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第二項 に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)が存する建物で人の居住の用に供する専有部分(区分所有法第二条第三項 に規定する専有部分をいう。以下同じ。)のあるもの並びにその敷地及び附属施設
         ロ 一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内にあるイに掲げる建物を含む数棟の建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合における当該土地及び附属施設
       二  マンションの区分所有者等 前号イに掲げる建物の区分所有者並びに同号ロに掲げる土地及び附属施設の同号ロの所有者をいう。
       三  管理組合 マンションの管理を行う区分所有法第三条 若しくは第六十五条 に規定する団体又は区分所有法第四十七条第一項 (区分所有法第六十六条 において準用する場合を含む。)に規定する法人をいう。
       四  管理者等 区分所有法第二十五条第一項 (区分所有法第六十六条 において準用する場合を含む。)の規定により選任された管理者又は区分所有法第四十九条第一項 (区分所有法第六十六条 において準用する場合を含む。)の規定により置かれた理事をいう。
       五  マンション管理士 第三十条第一項の登録を受け、マンション管理士の名称を用いて、専門的知識をもって、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務(他の法律においてその業務を行うことが制限されているものを除く。)とする者をいう。
       六  管理事務 マンションの管理に関する事務であって、基幹事務(管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(専有部分を除く。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整をいう。以下同じ。)を含むものをいう。
       七  マンション管理業 管理組合から委託を受けて管理事務を行う行為で業として行うもの(マンションの区分所有者等が当該マンションについて行うものを除く。)をいう。
       八  マンション管理業者 第四十四条の登録を受けてマンション管理業を営む者をいう。
       九  管理業務主任者 第六十条第一項に規定する管理業務主任者証の交付を受けた者をいう。」
 とあり、
  1号により、マンションが定義され、また、管理組合やマンション管理士も定義されて、このマンション管理適正化法の各規定が存在しています。設問の「専有部分のある建物を新築して、分譲しようとする者が建物の専有部分の全部を所有し、かつ敷地利用権を単独で有する状態にある場合」は、まだ、区分所有者が2名以上いませんし、専有部分のある建物も住居用があるかも明確ではないため、この段階ではマンション管理適正化法の対象にはなりません。
参考:区分所有法第二条第二項
 「(定義)
  第二条  この法律において「区分所有権」とは、前条に規定する建物の部分(第四条第二項の規定により共用部分とされたものを除く。)を目的とする所有権をいう。
    2  この法律において「区分所有者」とは、区分所有権を有する者をいう。
    3  この法律において「専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう。
    4  この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第四条第二項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。
    5  この法律において「建物の敷地」とは、建物が所在する土地及び第五条第一項の規定により建物の敷地とされた土地をいう。
    6  この法律において「敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう。」



2 マンションの区分所有者が、自ら、報酬を得て当該マンションの管理事務を行うことは、マンション管理業に該当する。

X 誤っている。 該当しない。
  マンション管理業とは、選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第2条7号
  「七  マンション管理業 管理組合から委託を受けて管理事務を行う行為で業として行うもの(
マンションの区分所有者等が当該マンションについて行うものを除く。)をいう。 」
 とあり、
  該当しそうですが、かっこ書きの(マンションの区分所有者等が当該マンションについて行うものを除く)に該当していますから、マンション管理業に該当しません。誤りです。



3 マンション管理適正化法上の管理組合とは、区分所有法第3条に規定する「区分所有者の団体」若しくは同法第65条に規定する「団地建物所有者の団体」又は同法第47条第1項に規定する「管理組合法人」をいう。

○ 正しい。
  管理組合とは、選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第2条3号
  「三  
管理組合 マンションの管理を行う区分所有法第三条 若しくは第六十五条 に規定する団体又は区分所有法第四十七条第一項 (区分所有法第六十六条 において準用する場合を含む。)に規定する法人をいう。」
 とあり、正しい。



4 複数の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分及び事務所・店舗の用に供する専有部分がある場合、それら全ての専有部分が賃貸されている場合であっても、その建物はマンションに該当する。

○ 正しい。
 マンション管理適正化法でのマンションとは、選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第2条1号イ
 「イ 二以上の区分所有者(建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第二項 に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)が存する建物で人の居住の用に供する専有部分(区分所有法第二条第三項 に規定する専有部分をいう。以下同じ。)のあるもの並びにその敷地及び附属施設」
 とあり、
 
要件としては、①2人以上の区分所有者がいて、 ②居住用の専有部分が1つでもあればいい です。
 設問の「複数の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分及び事務所・店舗の用に供する専有部分がある場合」は、この要件を満たしていますから、たとえ、「それら全ての専有部分が賃貸されている場合」であっても、マンション管理適正化法でのマンションに該当しますから、正しい。



答え:2 (ここは特に問題はない?)

問47

〔問 47〕マンション管理士に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 マンション管理士とは、マンション管理適正化法第30条第1項の登録を受け、マンション管理士の名称を用いて、専門的知識をもって、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする者である。

○ 正しい。
  マンション管理士とは、前の「問46」選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第2条5号
 「五  
マンション管理士 第三十条第一項の登録を受け、マンション管理士の名称を用いて、専門的知識をもって、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務(他の法律においてその業務を行うことが制限されているものを除く。)とする者をいう。」
 とあり、正しい。



2 平成24年4月1日に懲役3年、執行猶予5年の判決が確定した場合、平成29年4月1日以降であれば、マンション管理士となる資格を有する者は、国土交通大臣の登録を受けることができる。

○ 正しい。
  平成20年 マンション管理士試験「問48」 選択肢3

  マンション管理士になるには、先ずマンション管理士試験に合格(資格を有する者になります)してから、法で定めた要件をクリアーしていれば、登録され、マンション管理士登録証が交付されます。
 この登録の前にクリアーすることが必要な法で定めた要件は欠格事項ともよばれ、マンション管理適正化法第30条
 「(登録) 
  第三十条  マンション管理士となる資格を有する者は、国土交通大臣の登録を受けることができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、この限りでない。
       一  成年被後見人又は被保佐人
       二  
禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
       三  この法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
       四  第三十三条第一項第二号又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
       五  第六十五条第一項第二号から第四号まで又は同条第二項第二号若しくは第三号のいずれかに該当することにより第五十九条第一項の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
       六  第八十三条第二号又は第三号に該当することによりマンション管理業者の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内にその法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。第三章において同じ。)であった者で当該取消しの日から二年を経過しないもの)
    2  前項の登録は、国土交通大臣が、マンション管理士登録簿に、氏名、生年月日その他国土交通省令で定める事項を登載してするものとする。 」
 とあり、
 設問の懲役刑は、禁錮以上の刑ですから、1項2号
 「二  禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 」に該当します。
 そこで、執行猶予の扱い方ですが、これは刑法27条
 「(猶予期間経過の効果)
  第二十七条  
刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。」
 とあり、
 執行猶予の期間が経過すれば、元の懲役刑もなかったことになります(記録は残りますが)。平成24年4月1日に懲役3年、執行猶予5年の判決なら、 平成24年 + 5 年 =平成29年4月1日 以降なら、元の刑はなかったこととなりますから、 マンション管理士となる資格を有する者は国土交通大臣の登録を受けることができますから正しいです。
 なお、執行猶予が終了した通知は、来ないようです。自分で、日数を計算するようです。
 参考:初日は入れない? 民事訴訟法第55条
 「第五十五条  期間の計算については、時で計算するものは、即時からこれを起算し、日、月又は年で計算するものは、初日を算入しない。但し、時効期間の初日は、時間を論じないで一日としてこれを計算する。
    2  月及び年は、暦に従つてこれを計算する。
    3  期間の末日が日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日、一月二日、一月三日又は十二月二十九日から十二月三十一日までの日に当たるときは、これを期間に算入しない。ただし、時効期間については、この限りでない。 」

 刑法(期間の計算)
 「第二十二条  月又は年によって期間を定めたときは、暦に従って計算する。」
 (刑期の計算)
 「第二十三条  刑期は、裁判が確定した日から起算する。
   2  拘禁されていない日数は、裁判が確定した後であっても、刑期に算入しない。
 (受刑等の初日及び釈放)
 「第二十四条  受刑の初日は、時間にかかわらず、一日として計算する。時効期間の初日についても、同様とする。
   2  刑期が終了した場合における釈放は、その終了の日の翌日に行う。 」

  ★2022年8月23日追加:「誤っている」とする根拠の追加。 
   必ずしも、そうとは言えない場合がある。
   例えば、「執行猶予期間満了の5年の間に執行猶予の言い渡しが取り消されることもある。」
    特にこの出題年:平成24年では、該当するか。
   
   なお、マンション管理適正化法 第30条は、改正があったので、注意のこと。


3 マンション管理士は、マンション管理士の職責に反し、又は職責の遂行に著しく悪影響を及ぼすような行為で、マンション管理士としての職業倫理に反するような行為等、マンション管理士の資格やその業務に対する社会的信用や評価を損なうような行為をしてはならない。

X 誤っている。 内容としては当然だけど、根拠となる法の条文がないからX
  平成23年 マンション管理士試験 「問47」 、 平成21年 マンション管理士試験 「問47」 等との出題の文章が明らかに異なっている。
 選択肢2に続いて、設問が不確かで、解説者泣かせですが、設問のような条文は、マンション管理適正化法にはありませんから、マンション管理適正化法によれば誤りです。
なお、設問に近いのは、マンション管理適正化法第40条
 「(信用失墜行為の禁止)
  第四十条  
マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。」と、
 短くはありますが、設問のようにダラダラと長くはありませんから、明らかに誤りです。



4 マンション管理士は、マンション管理適正化法第33条の規定により、マンション管理士の登録を取り消されたときは、その処分の通知を受けた日から起算して10日以内に、マンション管理士登録証を国土交通大臣に返納しなければならない。

○ 正しい。
 まず、マンション管理士の登録の取消しは、マンション管理適正化法第33条
 「(登録の取消し等)
  第三十三条  国土交通大臣は、マンション管理士が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消さなければならない。
       一  第三十条第一項各号(第四号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。
       二  偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。
    2  国土交通大臣は、マンション管理士が第四十条から第四十二条までの規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めてマンション管理士の名称の使用の停止を命ずることができる。」
 とあり、
 マンション管理士の登録を取り消された者は、マンション管理適正化法施行規則30条2項
 「(登録の取消しの通知等)
  第三十条  国土交通大臣は、法第三十三条 の規定によりマンション管理士の登録を取り消し、又はマンション管理士の名称の使用の停止を命じたときは、理由を付し、その旨を登録の取消し又は名称の使用の停止の処分を受けた者に通知しなければならない。
    2  
法第三十三条 の規定によりマンション管理士の登録を取り消された者は、前項の通知を受けた日から起算して十日以内に、登録証を国土交通大臣に返納しなければならない。」
 とあり、
 2項により、通知を受けた日から起算して十日以内に、登録証を国土交通大臣に返納しなければなりませんから、正しい。



答え:3  (変な出題で、時間を取られ、かなり疲れた。)
マンション管理士センターの答え:2

*選択肢3 を誤りにしない、出題元の「(財)マンション管理センター」の解答は、設問の「マンション管理士に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか。」に対して、実に不適切な答えです。
 ここの出題方法だけでなく、過去の出題や、すべての出題方法においてお分かりのように、問題文の作成においては、法の条文なり標準管理規約なりの規定をそのまま、もしくは一部の変更をもって作成しているのに対して、法など何の根拠もない一議員の発言内容と思われる言葉をもって選択肢3を正しいとするなら、法律の条文での正誤を問うこの設問では、誤っているとして扱うことが、適切です。

2013年 2月15日:選択肢2 を誤っているとする根拠が不明なため、出題元の「マンション管理センター」 :03-3222-1517 に電話したが、「試験問題等に関する問い合わせには、一切応じられません」というくりかえしで、こちらが、正しいと思う根拠を説明したが、まさしく「木で鼻をくくる」態度でした。
 ちゃんと、「誤っている理由」を説明さえしてくれれば、私としても、すぐに解決する話なのに、本当に残念です。
 「問24」 のように、出題ミスもあるのに、疑問点に対して充分な情報の開示をしない態度をとる国家の試験機関は、存在理由があるのでしょうか?
 あとは、出題元の「(財)マンション管理センター」を監督する立場の、国土交通省・住宅局:電話:03-5253-8111(代表)から、圧力をかける方法しかないか?

 *「試験問題等に関する問い合わせには、一切応じられません」という出題元の態度と違い、この 「マンション管理士 香川」の解説を読んで、疑問点があれば、気楽に質問でき、回答を得られる皆さんは、本当に恵まれた環境にありますね!(宣伝です!)

問48

〔問 48〕マンション管理業に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 マンション管理業者は、修繕積立金等金銭を管理する場合の保管口座又は収納・保管口座に係る管理組合等の印鑑を、管理組合に管理者等が置かれていない場合において、管理者等が選任されるまでの比較的短い期間に限り保管する場合を除き、管理してはならない。

○ 正しい。 平成22年 マンション管理士試験 「問48」  。
  管理費や修繕積立金の管理は、マンション管理適正化法第76条
 「(財産の分別管理)
  第七十六条  マンション管理業者は、管理組合から委託を受けて管理する修繕積立金その他国土交通省令で定める財産については、
整然と管理する方法として国土交通省令で定める方法により、自己の固有財産及び他の管理組合の財産と分別して管理しなければならない。 」
 とあり、
 これを受けて、マンション管理適正化法施行規則第87条
 「(財産の分別管理)
  第八十七条  法第七十六条 の国土交通省令で定める財産は、管理組合又はマンションの区分所有者等から受領した管理費用に充当する金銭又は有価証券とする。
    2  法第七十六条 に規定する国土交通省令で定める方法は、次の各号に掲げる場合に応じ、それぞれ当該各号に定める方法とする。
       一  修繕積立金等が金銭である場合 次のいずれかの方法
         イ マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を収納口座に預入し、毎月、その月分として徴収された修繕積立金等金銭から当該月中の管理事務に要した費用を控除した残額を、翌月末日までに収納口座から保管口座に移し換え、当該保管口座において預貯金として管理する方法
         ロ マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金(金銭に限る。以下この条において同じ。)を保管口座に預入し、当該保管口座において預貯金として管理するとともに、マンションの区分所有者等から徴収された前項に規定する財産(金銭に限る。以下この条において同じ。)を収納口座に預入し、毎月、その月分として徴収された前項に規定する財産から当該月中の管理事務に要した費用を控除した残額を、翌月末日までに収納口座から保管口座に移し換え、当該保管口座において預貯金として管理する方法
         ハ マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を収納・保管口座に預入し、当該収納・保管口座において預貯金として管理する方法
         二  修繕積立金等が有価証券である場合 金融機関又は証券会社に、当該有価証券(以下この号において「受託有価証券」という。)の保管場所を自己の固有財産及び他の管理組合の財産である有価証券の保管場所と明確に区分させ、かつ、当該受託有価証券が受託契約を締結した管理組合の有価証券であることを判別できる状態で管理させる方法
    3  マンション管理業者は、前項第一号イ又はロに定める方法により修繕積立金等金銭を管理する場合にあっては、マンションの区分所有者等から徴収される一月分の修繕積立金等金銭又は第一項に規定する財産の合計額以上の額につき有効な保証契約を締結していなければならない。ただし、次のいずれにも該当する場合は、この限りでない。
       一  修繕積立金等金銭若しくは第一項に規定する財産がマンションの区分所有者等からマンション管理業者が受託契約を締結した管理組合若しくはその管理者等(以下この条において「管理組合等」という。)を名義人とする収納口座に直接預入される場合又はマンション管理業者若しくはマンション管理業者から委託を受けた者がマンションの区分所有者等から修繕積立金等金銭若しくは第一項に規定する財産を徴収しない場合
       二  マンション管理業者が、管理組合等を名義人とする収納口座に係る当該管理組合等の印鑑、預貯金の引出用のカードその他これらに類するものを管理しない場合
    4
 マンション管理業者は、第二項第一号イからハまでに定める方法により修繕積立金等金銭を管理する場合にあっては、保管口座又は収納・保管口座に係る管理組合等の印鑑、預貯金の引出用のカードその他これらに類するものを管理してはならない。ただし、管理組合に管理者等が置かれていない場合において、管理者等が選任されるまでの比較的短い期間に限り保管する場合は、この限りでない
    5  マンション管理業者は、毎月、管理事務の委託を受けた管理組合のその月(以下この項において「対象月」という。)における会計の収入及び支出の状況に関する書面を作成し、翌月末日までに、当該書面を当該管理組合の管理者等に交付しなければならない。この場合において、当該管理組合に管理者等が置かれていないときは、当該書面の交付に代えて、対象月の属する当該管理組合の事業年度の終了の日から二月を経過する日までの間、当該書面をその事務所ごとに備え置き、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の求めに応じ、当該マンション管理業者の業務時間内において、これを閲覧させなければならない。
    6  この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
       一  収納口座 マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭又は第一項に規定する財産を預入し、一時的に預貯金として管理するための口座をいう。
       二  保管口座 マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金を預入し、又は修繕積立金等金銭若しくは第一項に規定する財産の残額(第二項第一号イ若しくはロに規定するものをいう。)を収納口座から移し換え、これらを預貯金として管理するための口座であって、管理組合等を名義人とするものをいう。
       三  収納・保管口座 マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を預入し、預貯金として管理するための口座であって、管理組合等を名義人とするものをいう。」
 とあり、
 4項「4  マンション管理業者は、第二項第一号イからハまでに定める方法により修繕積立金等金銭を管理する場合にあっては、保管口座又は収納・保管口座に係る管理組合等の印鑑、預貯金の引出用のカードその他これらに類するものを管理してはならない。ただし、管理組合に管理者等が置かれていない場合において、管理者等が選任されるまでの比較的短い期間に限り保管する場合は、この限りでない。」のただし書きに該当して、正しい。



2 マンション管理業者がその事務所ごとに置く管理業務主任者については、管理事務の委託を受けた管理組合(人の居住の用に供する独立部分が6以上)の数が100であった場合、管理業務主任者を4名(すべて成年者)以上置かなければならない。

○ 正しい。
  もっぱらその事務所に勤務して、マンションの管理業務に従事しなければならない管理業務主任者の数は、マンション管理適正化法第56条1項。 規則第61条。 30組合に1人。
 「(管理業務主任者の設置)
  第五十六条  
マンション管理業者は、その事務所ごとに、事務所の規模を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の管理業務主任者を置かなければならない。ただし、人の居住の用に供する独立部分(区分所有法第一条 に規定する建物の部分をいう。以下同じ。)が国土交通省令で定める数(☆注:6。同規則第62条)以上である第二条第一号イに掲げる建物の区分所有者を構成員に含む管理組合から委託を受けて行う管理事務を、その業務としない事務所については、この限りでない。
    2  前項の場合において、マンション管理業者(法人である場合においては、その役員)が管理業務主任者であるときは、その者が自ら主として業務に従事する事務所については、その者は、その事務所に置かれる成年者である専任の管理業務主任者とみなす。
    3  マンション管理業者は、第一項の規定に抵触する事務所を開設してはならず、既存の事務所が同項の規定に抵触するに至ったときは、二週間以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置をとらなければならない。 」
 とあり、
 1項を受けた、マンション管理適正化法施行規則第61条
 「(法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める管理業務主任者の数)
  第六十一条  
法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める管理業務主任者の数は、マンション管理業者が管理事務の委託を受けた管理組合の数を三十で除したもの(一未満の端数は切り上げる。)以上とする。 」
 とあり、
 人の居住の用に供する独立部分が6以上の管理組合の数が 30 につき 1名の管理業務主任者が必要です。
 そこで、設問の、 100管理組合 ÷ 30 = 3.3 → 4人 (切り上げ)となり、正しい。
 なお、マンション管理適正化法施行規則第62条は、

 「(法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める人の居住の用に供する独立部分の数)
  第六十二条  法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める
人の居住の用に供する独立部分の数は、六とする。 」
 とあり、
 設問でもかっこ「管理事務の委託を受けた管理組合(人の居住の用に供する独立部分が6以上)」が入っています。



3 マンション管理適正化法第44条第3項の規定によるマンション管理業者の、更新の登録を受けようとする者は、登録の有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に登録申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。

○ 正しい。
  マンション管理業者の登録の有効期間は5年で、その更新の登録は、マンション管理適正化法第44条
 「(登録) 
  第四十四条  マンション管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録を受けなければならない。
    2  マンション管理業者の登録の有効期間は、五年とする。
    3  前項の有効期間の満了後引き続きマンション管理業を営もうとする者は、更新の登録を受けなければならない。
    4  更新の登録の申請があった場合において、第二項の有効期間の満了の日までにその申請に対する処分がなされないときは、従前の登録は、同項の有効期間の満了後もその処分がなされるまでの間は、なお効力を有する。
    5  前項の場合において、更新の登録がなされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。」
 とあり、
 3項の規定を受けた、マンション管理適正化法施行規則第50条
 「(更新の登録の申請期間)
  第五十条  
法第四十四条第三項 の規定により同項 の更新の登録を受けようとする者は、登録の有効期間満了の日の九十日前から三十日前までの間に登録申請書を提出しなければならない。」
 とあり、正しい。



4 マンション管理業者は、毎月、管理事務の委託を受けた管理組合のその月における会計に関する書面を作成し、翌月末日までに管理者等に交付しなければならないが、管理者等が置かれていないときは、対象月の属する当該管理組合の事業年度の終了の日から2月を経過する日までの間に、当該マンションの区分所有者等全員にその書面を交付しなければならない。

X 誤っている。 交付ではなく、閲覧でいい。 平成22年 管理業務主任者試験 「問47」 。
 マンション管理業者は、管理組合に対して管理事務の報告をしますが、管理者がいるか、いないかで対応が異なります。
 まず、 マンション管理適正化法77条、
 「(管理事務の報告)
  第七十七条  マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に
管理者等が置かれているときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。
    2  マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に
管理者等が置かれていないときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に、説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。
    3  管理業務主任者は、前二項の説明をするときは、説明の相手方に対し、管理業務主任者証を提示しなければならない。」
 とあり、
 また、選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法施行規則第87条5項、
 「5  マンション管理業者は、毎月、管理事務の委託を受けた管理組合のその月(以下この項において「対象月」という。)における会計の収入及び支出の状況に関する書面を作成し、翌月末日までに、当該書面を当該管理組合の管理者等に交付しなければならない。
この場合において、当該管理組合に管理者等が置かれていないときは、当該書面の交付に代えて、対象月の属する当該管理組合の事業年度の終了の日から二月を経過する日までの間、当該書面をその事務所ごとに備え置き、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の求めに応じ、当該マンション管理業者の業務時間内において、これを閲覧させなければならない。」
 とあり、「当該マンションの区分所有者等全員にその書面を交付」するのではなく、「当該書面をその事務所ごとに備え置き、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の求めに応じ、当該マンション管理業者の業務時間内において、
これを閲覧させなければならない」ですから、誤っています。



答え:4 (ここは、比較的に易しい。)

問49

[問 49]マンション管理適正化法第92条の規定により国土交通大臣の指定を受けた「マンション管理適正化推進センター」が行う業務として、同法に規定されていないものは、次のうちどれか。

1 マンションの管理に関する情報及び資料の収集及び整理をし、並びにこれらを管理組合の管理者等その他の関係者に対し提供すること。

○ 規定されている。
  いくら試験問題がないからといって、「マンション管理適正化推進センターが行う業務」まで、出題するとは、もう、出題委員の頭を疑う。
  マンション管理適正化推進センターが行う業務は、マンション管理適正化法第92条1号
 「(業務) 
  第九十二条  センターは、次に掲げる業務を行うものとする。
       一  
マンションの管理に関する情報及び資料の収集及び整理をし、並びにこれらを管理組合の管理者等その他の関係者に対し提供すること
       二  マンションの管理の適正化に関し、管理組合の管理者等その他の関係者に対し技術的な支援を行うこと。
       三  マンションの管理の適正化に関し、管理組合の管理者等その他の関係者に対し講習を行うこと。
       四  マンションの管理に関する苦情の処理のために必要な指導及び助言を行うこと。
       五  マンションの管理に関する調査及び研究を行うこと。
       六  マンションの管理の適正化の推進に資する啓発活動及び広報活動を行うこと。
       七  前各号に掲げるもののほか、マンションの管理の適正化の推進に資する業務を行うこと。」
 とあり、
 設問は、1号に該当しますから、規定されています。



2 マンションの管理の適正化に関し、管理組合の管理者等その他の関係者に対し技術的な支援を行うこと。

○ 規定されている。
  設問は、選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第92条2号、
 「二  
マンションの管理の適正化に関し、管理組合の管理者等その他の関係者に対し技術的な支援を行うこと。 」とあり、規定されています。


3 マンションの管理に関する紛争の当事者の双方又は一方からの申請により、当該紛争のあっせん、調停及び仲裁を行うこと。

X 規定されていない。
  設問は、選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第92条には規定されていません。
  紛争のあっせん、調停及び仲裁までできるのは、裁判所でしょう。



4 マンションの管理の適正化の推進に資する啓発活動及び広報活動を行うこと。

○ 規定されている。
  設問は、選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第92条6号、
  「六  
マンションの管理の適正化の推進に資する啓発活動及び広報活動を行うこと。」とあり、規定されています。


答え:3  (正解はすぐ分かるでしょうが、「マンション管理適正化推進センター」の業務まで、マンション管理士は絡まないけど。いくらなんでも、この出題は、酷い!)

問50

〔問 50〕マンション管理適正化法の罰則等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をした場合には、20万円以下の罰金に処される。

X 誤っている。 良く出る。 罰則はない。 平成23年 マンション管理士試験 「問47」 、 平成21年 マンション管理士試験 「問47」 。
 マンション管理士の信用を傷つけるような行為は、マンション管理適正化法第40条、
 「(信用失墜行為の禁止)
  第四十条  マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。」
 とりますが、
罰則を定めた、マンション管理適正化法第106条以下にありませんから、誤りです。
 参考:マンション管理適正化法第109条。 マンション管理士の名称使用は罰金30万円以下。



2 マンション管理土は、定期的に国土交通大臣又はその指定する者が行う講習を受けなければならず、これに違反したときは、国土交通大臣はマンション管理士の登録を取り消し、又は期間を定めてマンション管理士の名称の使用の停止を命ずることができる。

○ 正しい。
 マンション管理士となると、(注:国土交通省の天下り団体が主催する)5年ごとの講習を受けなければなりません。
 これは、マンション管理適正化法第41条、
 「(講習)
  第四十一条  
マンション管理士は、国土交通省令で定める期間(注:5年)ごとに、次条から第四十一条の四までの規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下この節において「登録講習機関」という。)が国土交通省令で定めるところにより行う講習(以下この節において「講習」という。)を受けなければならない。」
 とあり、
 講習を受けないと、 マンション管理適正化法第33条
 「(登録の取消し等)
  第三十三条  国土交通大臣は、マンション管理士が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消さなければならない。
       一  第三十条第一項各号(第四号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。
       二  偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。
    2  
国土交通大臣は、マンション管理士が第四十条から第四十二条までの規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めてマンション管理士の名称の使用の停止を命ずることができる。」
 とあり、
 2項により、「その登録を取り消し、又は期間を定めてマンション管理士の名称の使用の停止を命じ」られますから、正しい。



3 国土交通大臣が、マンション管理業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、マンション管理業を営む者に対し、報告させることができ、その場合において、そのマンション管理業を営む者が虚偽の報告をしたときは、30万円以下の罰金に処される。

○ 正しい。 平成18年 マンション管理士試験 「問48」 。
  マンション管理業を営む者に対し、報告させるは、マンション管理適正化法第85条、
 「(報告) 
  第八十五条  
国土交通大臣は、マンション管理業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、マンション管理業を営む者に対し、報告をさせることができる。」
 とあり、可能です。
 その報告をしなかったり、虚偽の報告だと、 罰則:マンション管理適正化法第111条
 「第百十一条  次の各号のいずれかに該当する者は、
三十万円以下の罰金に処する
       一  第六十七条又は
第八十五条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
       二  第七十三条第一項の規定に違反して、書面を交付せず、又は同項各号に掲げる事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付した者
       三  第七十三条第二項の規定による記名押印のない書面を同条第一項の規定により交付すべき者に対し交付した者
       四  第八十条又は第八十七条の規定に違反した者
       五  第八十六条第一項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
       六  第八十八条第一項の規定に違反した者
       七  第九十九条第一項の規定による事業計画書若しくは収支予算書若しくは同条第二項の規定による事業報告書若しくは収支決算書の提出をせず、又は虚偽の記載をした事業計画書、収支予算書、事業報告書若しくは収支決算書を提出した者
    2  前項第四号の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。」
 とあり、
 1項1号に該当し、30万円以下の罰金になります。(罰金です。過料では、ありませんよ。)



4 管理業務主任者は、登録が消除されたにもかかわらず、速やかに管理業務主任者証を国土交通大臣に返納しなかったときは、10万円以下の過料に処される。

○ 正しい。 過料、10万円以下です。 平成23年 マンション管理士試験 「問48」 、 平成20年 マンション管理士試験 「問48」 、 平成16年 マンション管理士試験 「問48」 。
  管理業務主任者が、登録が消除されたにもかかわらず、速やかに管理業務主任者証を国土交通大臣に返納しなかったときは、マンション管理適正化法第60条
 「(管理業務主任者証の交付等)
  第六十条  前条第一項の登録を受けている者は、国土交通大臣に対し、氏名、生年月日その他国土交通省令で定める事項を記載した管理業務主任者証の交付を申請することができる。
    2  管理業務主任者証の交付を受けようとする者は、第六十一条の二において準用する第四十一条の二から第四十一条の四までの規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下この節において「登録講習機関」という。)が国土交通省令で定めるところにより行う講習(以下この節において「講習」という。)で交付の申請の日前六月以内に行われるものを受けなければならない。ただし、試験に合格した日から一年以内に管理業務主任者証の交付を受けようとする者については、この限りでない。
    3  管理業務主任者証の有効期間は、五年とする。
    4  
管理業務主任者は、前条第一項の登録が消除されたとき、又は管理業務主任者証がその効力を失ったときは、速やかに、管理業務主任者証を国土交通大臣に返納しなければならない
    5  管理業務主任者は、第六十四条第二項の規定による禁止の処分を受けたときは、速やかに、管理業務主任者証を国土交通大臣に提出しなければならない。
    6  国土交通大臣は、前項の禁止の期間が満了した場合において、同項の規定により管理業務主任者証を提出した者から返還の請求があったときは、直ちに、当該管理業務主任者証を返還しなければならない。」
 とあり、
 4項に該当します。そして、 速やかに、管理業務主任者証を国土交通大臣に返納しないと、罰は、マンション管理適正化法第113条
 「第百十三条  次の各号のいずれかに該当する者は、
十万円以下の過料に処する
       一  第五十条第一項の規定による届出を怠った者
       二  
第六十条第四項若しくは第五項、第七十二条第四項又は第七十七条第三項の規定に違反した者
       三  第七十一条の規定による標識を掲げない者」
 とあり、2号により、 10万円以下の過料となります。(過料です。罰金では、ありませんよ。)



答え:1 

ここまで、問50


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2022年 8月23日:問47」 選択肢2に「誤り」の追加。
2017年 8月13日:「問39」選択肢4に根拠を入れた。
2013年 2月 24日: 「問31」に民法入。「問33」に追記。「問37」に図入。「問45」選択肢2 訂正。
2013年 2月15日:再考して、図など入れたりした。
2013年 2月 4日:「問34」の選択肢2;均等割で追記した。
2013年 1月20日;解説に 「赤字」 を入れたり、 「適切」 などでの文言を統一した。
2013年 1月12日:マンション管理士センターの答え(正解ではありません)を入れた。
2013年 1月 2日:第1稿 Up。
平成23年のマンション管理士試験の問題は、曖昧な点が多くて、まったく、時間がかかる。
特に、「問23」の高層マンション、「問34」 の均等割額、「問47」の執行猶予は判断が難しかった。
解説開始:2012年12月24日
問題文Up:2012年11月30日

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